ENB(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)では、現在「Ecstasy and Death」と題されたトリプルビルを上演しています。
http://www.ballet.org.uk/whats-on/ecstasy-and-death/
予告編映像(「若者と死」の「死」役をリハーサルするタマラ・ロホが見られます)
BBCのニュース映像(タマラ・ロホのインタビュー、舞台映像も少々)
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-london-22210400
バレエの先入観を変えたい、バレエは若い芸術なのだから、と大変意欲的なタマラです。
「小さな死」(キリアン)、「若者と死」(プティ)、そして「エチュード」(ランダー)という魅力的な3本の組み合わせなのですが、今回の大きな話題は、「若者と死」に、パリ・オペラ座のエトワール、ニコラ・ル=リッシュがゲスト出演し、タマラ・ロホと共演することです。
すでに彼らの舞台の写真は撮影されていますが、これがものすごい迫力だし、現在41歳のニコラの跳躍力、表現力にも驚かされます。タマラ・ロホの邪悪な表情にも。
「若者と死」フォトアルバム(John Ross撮影)
http://www.johnrossballetgallery.co.uk/index.php?twg_album=ENB+Le+Jeune+Homme+et+la+Mort
「若者と死」の予告編映像。(前回ゲスト出演したイワン・ワシーリエフの映像)
ニコラが出演しない「若者と死」の回は、当初はヨナ・アコスタ(カルロス・アコスタの甥)が出演する予定だったのが、ビザの問題が引っかかり、代わりに元ロイヤルのイヴァン・プトロフが出演することになりました。
こちらは、3演目すべての写真があります。
http://www.flickr.com/photos/dancetabs/sets/72157633268158385/
「エチュード」フォトアルバム(John Ross撮影)
http://www.johnrossballetgallery.co.uk/index.php?twg_album=ENB+Etudes
日本人の猿橋賢さん、高橋絵里奈さんがプリンシパルとして出演しています。
別キャストで、ワディム・ムンタギロフが出演していたものの、怪我をしてしまい、急遽デンマーク・ロイヤル・バレエから注目の新星アルバン・レンドルフが代役を務めるために出演しているとのことです。
「小さな死」フォトアルバム(John Ross撮影)
http://www.johnrossballetgallery.co.uk/index.php?twg_album=ENB+Petit+Mort
こちらは、タマラ・ロホのインタビュー記事。「若者と死」を意識したのか、ENB本拠地の屋根の上に横たわる彼女の、大変魅惑的な写真が掲載されています。
http://metro.co.uk/2013/04/17/tamara-rojo-the-english-national-ballet-artistic-director-is-putting-sex-back-into-ballet-3618388/
このトリプルビルは、動員には苦戦していたようですが、高い評価を得ており、特にニコラ・ル=リッシュの「若者と死」はニコラを「マン・オブ・ザ・イヤー」と批評家が絶賛するほどのセンセーションを引き起こしているそうです。
The Ballet Bagでは、ニコラ・ル=リッシュへのインタビューを掲載しています。
http://www.theballetbag.com/2013/04/19/nicolas-le-riche-apropos-of-roland-petit-le-jeune-homme/
ニコラは、タマラを15年ほど前から知っていたにもかかわらず、今回が彼女と踊る初めての機会となったとのこと。それはまるでボクシングの試合のようだったと語っています。まず、お互いの周りをぐるぐる回り、見て、発見して、それから接触し、相手がどのように進めていくかを理解しようとします。ダンスで素晴らしいのは、ほんの少しの言葉しか必要ではなく、すべてがリハーサルで進められること。彼はこのプロセスに全身全霊を傾け、パートナーを理解しているけど、タマラも同じことをしていると自分は感じているとのこと。. パートナーのキャラクターへのアプローチだけでなく、身体的な表現、彼女がどうやって動き、それはどれほどの速さで、地面に足はどのように触れるかといったことも理解しなければならない。これらの感覚やディテールについて、非常に注意を払っています。それはとてもデリケートなプロセスだからです。同時に、それはとても人間的なものです。2人の人間が、お互いの違いを通してつながろうとし、お互いを変えるのではなく、相手の動きを予想しようとし、どうやって応えればいいのかを学ぶこと。彼は、パートナーとのコミュニケートが魔法のようだったフレッド・アステアについて考えていることが多いとのことです。
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