6月12日より、荻窪のKARAS APPARATUSで勅使川原三郎振付、勅使川原三郎と佐東利穂子出演の「永遠の気晴らし」が6月20日まで公演中です。
http://www.st-karas.com/camp0713-2/
ダンス公演を最後に観たのが4月5日のKARAS APPARATUSでの『ゴドーを待ちながら』でした。それから2か月余りの自粛期間が過ぎて、最初に観たのがまたKARAS APPARATUSでの公演。待ち望んだライブパフォーマンスです。
KARAS APPARATUSは安全対策には気を遣っていて、手指と靴底の消毒、一人一人検温もした上での入場。チラシはビニールに入れで置いているものを各自で取る方式。席も左右の間隔を取って定員を半分に減らしソーシャルディスタンスに配慮していました。(初日で比較的入りがよく、30人弱の観客数)
客電が落ち、照明の中で勅使川原さんの姿が浮かび上がり、動き始めると胸にこみ上げるものがあった。ようやく、待ち望んでいたライブパフォーマンスを観られる時が来た。それが世界最高のパフォーマーである二人のダンスであるというのは何とぜいたくなことだろう。まさに至福の時。勅使川原さんがピアノ、リコーダーの素朴な音に合わせてゆっくりと動き始め、佐東さんも参加。2か月間舞台に立っていなかったとは思えないほどの流麗で美しい動きの二人。曲が変化するにしたがってダンスも変貌を遂げる。
やがて激しいロック調の音楽になると、二人の超絶ダンスが炸裂した。お互い距離を取り合ってのダンスで、それぞれ全く味わいが違うダンスなのに不思議なシンクロをする。特に佐東さんの音を長い四肢で細かく拾い上げる、クールで色香も漂うスリリングな踊りは、今までの彼女からさらに進化した新生面。変なたとえだけど、ディスコのダンスフロアでこのダンスが踊られたら、誰もが踊るのをやめて彼女の姿に魅入ってしまうようなスタイリッシュさと引力の強さ。でも途中からは客席にいる自分も踊りたくなってしまうほど。
ダンスそのものの喜び、生きる活力、みなぎるパワー…「永遠の気晴らし」という題名に象徴されるように、ダンスは単なる気晴らしなのかもしれないけど、気晴らしで何が悪い、気晴らしがあってこその人生だ、というメッセージが込められているように感じられた。今まで踊ることができなかった彼らが、水を得た魚のように生き生きと思いっきり弾けて踊る様子には崇高さすら漂う。
終盤に音楽が止まり、静寂が訪れて二人の動きがゆっくりとなる。二人が正面を見ながらゆっくりと永遠へと消えていくようなエンディング。ダンスという気晴らしを奪われた2か月間のことを思い、胸に迫りくるものがあった。アパラタスが、勅使川原さんが、佐東さんがいてくれて、また舞台を、ダンスをライブで観ることができて、本当に良かった。これからも無事公演が開催できますように。
アップデイトダンス No.71
「永遠の気晴らし」
身体の奥底のうごめき 無目的な戯れ
機能性から外れた無限再生遊戯
危機 ある晴れた日に
演出・照明 勅使川原三郎
出演 勅使川原三郎 佐東利穂子
【残りの公演日程】
6月17日(水)20:00
6月18日(木)20:00
6月19日(金)20:00 *定員間近
6月20日(土)16:00 *定員間近
*受付開始は30分前、客席開場は10分前
【料金】
一般 予約 3,000円 当日3,500円
学生 2,000円 *予約・当日共に
【予約】
・予約フォーム https://www.updatebooking71
・電話:03-6276-9136
・メール:updatedance@st-karas.com
件名を「アップデイトNo.71」とし、本文にご希望の日付・
一般または学生・枚数・住所・氏名・日中連絡のつく電話番号をご記入ください。
*予約は前日の24時まで受付けています。
【劇場】
カラス・アパラタス/B2ホール
JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線 荻窪駅
西口改札 徒歩3分
〒167-0051 東京都杉並区荻窪5-11-15 F1/B1/B2
なお、次回のアップデイトダンスも新作です。
アパラタスでの公演にぜひご期待ください。
▶︎6/29(月)-7/7(火) アップデイトダンスNo.72「空気上層」
・予約フォーム:https://www.updatebooking72