アメリカン・バレエ・シアター(ABT)の昇進が発表されています。
American Ballet Theater Promotes Dancers Despite Pandemic Slump
https://www.nytimes.com/2020/09/10/arts/dance/american-ballet-theater-promotions-pandemic.html
アラン・ベル(21)、カサンドラ・トレナリー(27)、カルヴィン・ロイヤル3世(31)、トーマス・フォースター(34)、ジュウン・アン(26)、スカイラー・ブラント(27)がプリンシパルに昇進しました。
また、ゲイブ・ストーン・シェイヤーがソリストに昇進しました。
アラン・ベルは、ドキュメンタリー映画「ファースト・ポジション」の最年少のメーンキャストで、デニス・ガニオ(マチュー・ガニオのお父さん)に指導されていた少年です。いつの間にか、長身の貴公子に成長していました。カルヴィン・ロイヤル3世は、ABT史上3人目のアフリカ系アメリカ人プリンシパルとなりました。(デズモンド・リチャードソン、ミスティ・コープランドに続き)長身でとてもハンサムなダンサーです。
カサンドラ・トレナリーは、2016年に開催されたジャパン・アーツ主催のガラ公演に、マルセロ・ゴメスのパートナーとして出演したテクニックの強いダンサー、スカイラー・ブラントはトレナリーと同じ年で、ロシアのバレエ番組「ビッグ・バレエ」にジュリアン・マッケイのパートナーとして出演していました。ジュウン・アンは韓国出身で、2013年のYAGPでゴールメダルを受賞しています。トーマス・フォースターはベテランで、すでにかなり主役を踊っているパートナーリングの上手いダンサー。ゲイブ・ストーン・シェイヤーもアフリカ系アメリカ人です。
なお、中止となったメトロポリタン・オペラハウスシーズンでは、プリンシパルのステラ・アブレラが引退公演を行う予定でしたが、中止となってしまったため、残念ながら引退公演なしで引退することになってしまいました。2021年のメトシーズンでは、オーストラリア・バレエの芸術監督に就任する予定のデヴィッド・ホールバーグが引退する予定となっています。
カルヴィン・ロイヤル3世がセントラル・パークの四季の中で踊る動画。
コロナウィルス禍が北米で猛威を振るっており、3月からほとんどの舞台公演が中止に追い込まれてしまいました。ABTも恒例のメトロポリタン・オペラハウスでの春のシーズン、秋のシーズン、6つのツアー公演、くるみ割り人形とすべて中止になっています。2000万ドルの赤字となったとのこと。
今のところまだ北米ではいつ公演を行うことができるのかは不明です。特にニューヨークにはブロードウェイがあり、この街の経済にも大きく貢献しているわけですが、公演ができない状態であり、また観光客も来ることができません。舞台芸術界は大変な苦境に陥っています。この業界から足を洗わざるを得ないパフォーマーも多く出ているとのことです。いくつかのミュージカルは、来春幕が開くとのことですが、他のめどはたっていません。
この記事の終わりの方に、(メトロポリタン・オペラハウスや、NYCBの本拠地がある)リンカーンセンターでは、ソーシャルディスタンスを取った400席の野外劇場を建てて、バレエなどを上演できる用意する計画があるとあります。