パリ・オペラ座バレエの2015-6シーズン発表の他に、もう一つビッグニュースがありました。
世界中で引っ張りだこの振付家で、つい先日まで「PLUTO」が東京で大ヒット上演中だったシディ・ラルビ・シェルカウイ。また、シュツットガルト・バレエのために振付けた新作も、初演を迎えたばかりです。
そのシェルカウイが、母国ベルギーの名門バレエ団、ロイヤル・フランダース・バレエの芸術監督に就任することが発表されました。
https://operaballet.be/en/the-house/blog/sidi-larbi-new-artistic-director-of-royal-ballet-flanders
シェルカウイは、2015年9月1日にこのポストに就任します。次の2015-6シーズンは、前任者Assis Carreiroからの橋渡し的なものになります。このシーズンの概要は、4月に発表されます。
このバレエ団の本拠地、アントワープに生まれ育ったシェルカウイにとって、ロイヤル・フランダース・バレエは身近なものであり、2013-2014シーズンには彼の「牧神の午後」が上演されています。
シェルカウイはこのようにプレスリリースで語っています。
「過去10年間の間、私自身のコンテンポラリーな振付を発展させるとともに、毎年海外のバレエカンパニーと仕事をしてきました。2004年以来、モンテカルロ・バレエ、ジュネーヴ大劇場バレエ、デンマークロイヤル・バレエ、オランダ国立バレエそしてパリ・オペラ座バレエなどです。これらの経験を通して、ロイヤル・フランダース・バレエの芸術監督としての自信とエネルギーを獲得することが出いました。私がカンパニーで追求しようとする道は、一つの結論です。ここ数年において、異なったダンスの訓練の間の交流が育ってきており、以前にもましてクラシックバレエとコンテンポラリーダンスはお互いを補完しています」
シェルカウイは、右腕として、フォーサイス作品で活躍してきたタマシュ・モーリッツを連れて来るとのことです。そして引き続き、自身のコンテンポラリーカンパニーであるイーストマンでの活動も続けるそうです。
ロイヤル・フランダース・バレエは、ベルギー唯一のクラシックバレエのカンパニーです。2005年から2010年までは、フランクフルト・バレエでバレエ・ミストレスを務めていたキャスリン・ベネッツが芸術監督を務めていたこともあり、フォーサイス振付「インプレッシング・ザ・ツァー」(「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」の全幕版)の上演権を唯一持っているカンパニーでした。2013年よりロイヤル・バレエ・オブ・フランダースとフランダース・オペラを同じ組織としたために、芸術監督が交代しバレエ団の規模は縮小しました。
しかしながら、「ドン・キホーテ」、「ロミオとジュリエット」(元ロイヤル・バレエのプリンシパル、ヴャスチャスヤフ・サモドゥーロフ振付)や、「オネーギン」などの全幕作品、そしてフォーサイス作品など現代作品まで幅広いレパートリーを持っています。日本人プリンシパルの齊藤亜紀さんは、バレエ団を代表するスターです。