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パリ・オペラ座バレエの2016/17シーズンよりチューダー/ミルピエのダブルビルがキャンセル

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パリ・オペラ座バレエの2016/17シーズンは今年の2月に発表されていましたが、すでにヴィジュアル・アーティストのフィリップ・パレノとの共同制作で振付ける予定の来年7月の新作がキャンセルされ、代わりにアンヌ・テレサ・ド=ケースマイケルの作品「ドラミング」が上演されることになっていました。

そして今日、もう一つのミルピエの新作、11月29日に初日を迎える予定のBarbaraという作品(マリ=アニエス・ジロ主演予定)と、アンソニー・チューダーの名作「葉は色あせて」のダブルビルがキャンセルされました。

フィガロ紙の記事
http://www.lefigaro.fr/culture/2016/06/03/03004-20160603ARTFIG00303-opera-de-paris-benjamin-millepied-annule-encore.php

この記事によれば、ダンサーたちは「葉は色あせて」の振付指導者とうまくいかなかったようです。(振付指導者は、チューダーの作品の振付指導の第一人者で、日本を含め世界中のカンパニーで振付指導を行っているアマンダ・マッケローであるので、信憑性が疑われるというか、非常に不可解な話です)

また、ミルピエは自身のL.Aダンス・プロジェクト他、様々なプロジェクトで多忙であり、パリ・オペラ座バレエのために振付ける時間がないとのことです。

9月15日~18日には、シャンゼリゼ劇場でL.Aダンス・プロジェクトの公演があるし、同時期にはPolling という自身の映画の公開もあります。10月には、ABTの秋シーズンに提供する作品の上演もあります。その前にも、6月25日、26日にはロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場でL.Aダンス・プロジェクトの公演があり、On the Other Sideという彼の新作(フィリップ・グラスの音楽、Alessandro Sartoriの衣装)が上演されます。

代わりに上演されるのは、イリ・キリアンの3作品。「Tard & Feathers」、「ベラ・フィギュラ」、「Symphony of Psalms」で、「ベラ・フィギュラ」以外の2作品は、カンパニー初演となります。

チューダーの「葉は色あせて」は非常に美しい演目で、最近もスターダンサーズバレエ団やNBAバレエ団によって上演されています。パリ・オペラ座でもかつて上演されたことがあり、今回上演がなくなってしまったのは非常に残念ですよね。


ゲルシー・カークランドとイヴァン・ナギーが踊る「葉は色あせて」


ミュンヘン・バレエの「海賊」6月12日ネット中継

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今シーズン末に大量の団員が退団するミュンヘン・バレエですが、イヴァン・リスカ振付の「海賊」がネット中継されます。

6月12日(日)現地時間15時開演。マチネ公演なので日本でも夜10時からと見やすい時間です。
https://www.staatsoper.de/en/productioninfo/le-corsaire/2016-06-12-15-00.html


メドーラ役のダリア・スホルコワ他退団するダンサー多いキャストですが、ギュリナーラ役は残留する河野舞衣さんが踊ります。コンラッド役のティグラン・ミカエリヤンも残留組。

中継サイトはStaatsoper.tvです。
https://www.staatsoper.de/en/staatsopertv.html?no_cache=1

5/27 NBAバレエ団「死と乙女」

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作曲家の新垣隆に音楽を委嘱し、舩木城が振付を担当したNBAバレエ団の新作「死と乙女」。新垣のピアノ演奏と和太鼓の第一人者である林英哲の太鼓演奏による音楽、全く新しいバレエを作ろうという意欲と情熱が感じられた公演だった。

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http://www.nbaballet.org/performance/2015/sitootome/

第一部「和太鼓」 
演出・作曲:林 英哲
振付:宮内浩之 
林 英哲
英哲風雲の会(上田秀一郎、はせきみた、田代 誠、辻 祐)
阪本絵利奈

最初のパートで、白いレオタードに着物を羽織った阪本絵利奈さんが太鼓の周りを駆け抜けソロを踊ったほかは、太鼓の演奏にフォーカス。阪本さんの美しい肢体は鮮烈な印象があったものの、本当に一瞬で、もう少し太鼓と絡むシーンがあれば良かったかもしれないと感じた。大太鼓を中央に据えたセットがあり、林さんの独奏で始まるが、その後英哲風雲の会の4人も太鼓を運び込み、演奏を繰り広げる。

林さんと4人の掛け合いとなるが、同じ太鼓という楽器でもリズムの違いや叩き方によって音色は違うのでスリリングな応酬となる。そして、太鼓を叩くというパフォーマンスは、ダンスを踊っている姿にも似ていると感じた。よく鍛えられた上半身の演奏者たちは、動きも統一感があって、その演奏する姿もとてもスタイリッシュで視覚的にも楽しめた。太鼓のフォーメーションも途中で変化し、両側を太鼓に挟まれた奏者たちが、その両方を叩いたり、セットの上にいた林さんが下りてきて、4人の間に入って演奏するなど、動き自体も変化に富んでいて面白い。


第二部「ケルツ」
ケルツ Celts
振付:ライラ・ヨーク
演出:久保紘一

Green Man 高橋真之 
Red 竹田仁美、大森康正
Brown 佐々木美緒、三船元維
Men's Dance 大森康正、河野崇仁、清水勇志レイ、土橋冬夢、皆川知宏、米倉佑飛
英哲風雲の会(上田秀一郎、はせきみた、田代 誠、辻 祐)

96年にボストン・バレエで初演されたライラ・ヨーク(元ポール・テイラー・カンパニー)の作品。ボストン・ケルティックスのハーフタイムショーで踊られたり、昨年もボストン・バレエ再演されるなど北米で人気のあるレパートリーのようだ。
アイリッシュダンスをベースに、クラシックバレエ、さらにモダンダンスの要素も入れたり、ソロ、パ・ド・ドゥ、男性ばかりのダンス、群舞と構成も巧みで楽しめる作品となっている。グリーンマンの高橋真之さんの軽やかで細かい足捌き、竹田仁美さんの跳躍力と見事な身体能力、それを見事に受け止める大森康正さんのサポートと、リードダンサーたちの技術は素晴らしい。アイリッシュダンス特有の一列になっての独特の群舞。
赤いキルトに上半身裸の男性6人が繰り広げる格闘技ダンスは、ちょっと「トロイ・ゲーム」風で楽しく、そしてここで再び英哲風雲の会の4人が登場して、和太鼓の伴奏が響いてよりハードは雰囲気となる。アイリッシュダンスと和太鼓という不思議な組み合わせも、上手くマッチしていた。しっとりとして、クラシックバレエ的な佐々木美緒さんと三船元維さんのパ・ド・ドゥは美しく、群舞も伴いながら、女神の幻に翻弄される男性の姿を描いていたようだった。ラストは、22人の群舞が生き生きと躍動した。

ボストン・バレエが「ケルツ」をリハーサルする映像


第三部「死と乙女」

振付 舩木城
音楽 新垣隆
ピアノ 新垣隆
和太鼓 林 英哲
浅井杏里、大森康正、岡田亜弓、 清水勇志レイ、鈴木恵里奈
関口祐美、高橋真之、竹内碧、竹田仁美、土田明日香、 三船元維
峰岸千晶、森田維央、柳澤綾乃、 米倉佑飛

このような斬新なバレエ作品を日本で観ることができるなんて。大変興奮させられる熱い舞台だった。舞台セッティングも大胆で、舞台後方の高い台が左右に設けられ、右には新垣さんとピアノ、左には林さんと太鼓。

新垣さんの楽曲は、途中でローリング・ストーンズの「ペイント・イット・ブラック」や、「レ・シルフィード」で使われているショパンの音楽を引用するといった遊びも入れつつ、変拍子も使ったり、ジャズ的なアレンジもあったり、モチーフも変化して展開していき大変ユニークで、音楽として聴いているだけでもスリリングで楽しめる。そして、新垣さんと林さんの丁々発止の演奏が凄まじい。林さんの演奏が凄いのは言うまでもないが、新垣さんのピアニストとしてのテクニックの見事さには唖然とした。よく考えてみたら、ピアノというのも打楽器なのであり、この二人の掛け合い的なサウンドが、絶妙なリズムのハーモニーを生み出しているのである。新垣さん、噂通りの天才だ。

ダンサーたちは皆白い衣装。袴状の長いものもあれば、ユニタードあり、パンツあり、スカートあり。レースのように透ける地模様入りのもの、チュール、サテンなど素材も様々で凝っておりセンスも良い。白塗り寄りのメイクで、ちょっとゾンビを思わせるようなアイメイクを施していて、モノトーンで統一され、エゴン・シーレの「死と乙女」を連想させるような「死」の気配を感じさせるし、ポーズもそこから引用したイメージ。ピアノとドラムスを浮かび上がらせるような照明も凝っていて美しいが、反面、ダンサーを見分けるのはなかなか難しい。さすがに久保紘一さんは存在感もたっぷりあり、年齢を感じさせない高く鮮やかな跳躍が鮮烈だったし、パ・ド・ドゥでの表現力も印象的だった。

舩木さんの振付は、地を這うようなところから始まり、ダンサ―たちが舞台上をスピーディに駆け抜けたり、複雑なリフトをしながら横切っていくといった群舞の使い方がとてもユニークで、そのハードな振付にダンサーたちもよく応え、エネルギッシュで疾走感のあるステージを作り上げていた。少しだけ、「春の祭典」のイメージがある。その中にデュオ、トリオ、ソロが配置されていくが、群舞の強いエネルギーほどのインパクトはない。しかし女性ダンサーが大声を上げて泣いてみたり、ダンサーたちが、白塗りメイク越しでもわかるような大胆な表情を見せたりと、殻を破るような感情表現が見られた。愛、死、喜怒哀楽、陰と陽、エロスとタナトゥス、様々な感情がカオス的に、ノンストップのように交錯する舞台。その中でもエロスより、タナトゥス、死に寄ったダークな力をより感じられた。観客として観ている間も心拍数が上がり、エキサイトしている間に40分ほどの作品があっという間に終わっていた。

ただ、もう少し静と動、緩急のメリハリをつけたほうが良いような感じも受けたし、カオス的なところを整理し、死、だけでなく愛、の表現を深めていく必要も感じられたところがある。エゴン・シーレの本質にまでは迫ることはできていない。まだ生まれたての作品で音楽も振付も新しい作品、これから再演を重ねることで磨き上げられて、さらにクオリティを上げられるのではないかと思った。

だが、バレエ・リュスを思わせるような豪華コラボレーションによる新作を民間のバレエ団が一から作り上げたというのは素晴らしい心意気だ。何しろ音楽が凄いし、振付もオリジナリティが感じられるし、関係者、出演者の情熱が込められていて観る側の胸も熱くなってしまうような、凄まじいエネルギーがある。和太鼓を使っていることもあり、日本発の作品として世界に持っていけるようなクオリティとなるポテンシャルがある。ダンサーたちのレベルも技術、表現力とも非常に上がっていて、独特の世界を作り上げてくれた。面白い作品だし、力作だし、再演を切望する。

牧阿佐美さんが「徹子の部屋」6月16日に出演

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今週末に牧阿佐美バレヱ団は、ローラン・プティ振付の名作「ノートルダム・ド・パリ」公演があります。

http://www.ambt.jp/perform.html

6月11日(土)17:00
6月12日(日)14:00
会場:文京シビックホール 大ホール
S席¥10,000 A席¥7,000 B席¥5,000 C席3,000
(全席指定・税込)
※音源は録音を使用。

<チケットのお申込み・お問合せ>
シビックチケット tel:03-5803-1111

ミラノ・スカラ座からニコレッタ・マンニとマルコ・アゴスティーノを迎えての豪華な公演です。(ニコレッタ・マンニは、9月のミラノ・スカラ座バレエ来日公演「ドン・キホーテ」にも出演予定)

公演の詳しい紹介や、リハーサルの様子などが、MAISON DE BALLET Minami-Aoyamaのブログに書かれていま。
http://mbma.hateblo.jp/entry/2016/06/09/093533

その中で、牧阿佐美さんのテレビ出演情報もありました。
テレビ朝日系列で、6/16(木)12:00-12:30 「徹子の部屋」に出演されるそうです。
http://www.tv-asahi.co.jp/tetsuko/guest/0004/index.html

どんな話が聞けるか楽しみですね。徹子さんは「窓際のトットちゃん」でもリトミックを習っていたという記述があり、またモダン・バレエも学ばれていたそうです。

牧阿佐美バレヱ団のダンサーたちが書いているサイト、Asami Maki Ballet Hot Lineはとても面白いです。
http://www.lightacorner.com/ambt/

ロイヤル・バレエのプリンシパルに、平野亮一、高田茜、アレクサンダー・キャンベル、フランチェスカ・ヘイワードが昇進

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いよいよ来週から来日公演が始まるロイヤル・バレエ。昇進者の発表がありました。

http://www.roh.org.uk/news/promotions-and-joiners-at-the-royal-ballet-for-201617


<プリンシパル>
平野亮一、高田茜、アレクサンダー・キャンベル、フランチェスカ・ヘイワード

<ファースト・ソリスト>
クレア・カルヴァート、ヤスミン・ナグディ、ベアトリス・スティクス=ブルネル

<ソリスト>
マシュー・ボール、マヤラ・マグリ、ティアニー・ヒープ(ティアニー・ヒープはシーズン途中でファーストアーティストに昇進し、今回ソリストに)

<ファースト・アーティスト>
リース・クラーク、デヴィッド・ドネリー、ベンジャミン・エラ、イザベラ・ガスパリーニ、アナ・ローズ・オサリヴァン、デメルツァ・パリッシュ

<入団>
新入団は、Joseph Sissens (ロイヤル・バレエスクールより)
研修生は全員、アーティストとして採用
Lukas Bjørneboe Brændsrød, Harry Churches, Leo Dixon, Isabel Lubach、Julia Roscoe

<研修生>
Joseph Aumeer, Estelle Bovay, Maria Luisa Castillo Yoshida, Arianna Maldini, Giacomo Rovero, Francisco Serrano、Charlotte Tonkinson (全員、ロイヤル・バレエスクール出身)

<ローザンヌ国際コンクール研修生>
ヴィンチェンゾ・デ・プリモ


なお、去年のローザンヌ国際コンクール研修生だったジュリアン・マッケイは、ミハイロフスキー・バレエにセカンド・ソリストとして入団しました。


来日公演前に、平野さん、高田さんの昇進が決まり大変うれしいことですね。久しぶりのロイヤル・バレエでの日本人プリンシパル誕生です。

二人とも、本拠地での「ジゼル」に主演していますが、日本公演の「ジゼル」での主演がないのは少し残念です。特に、高田さんは昨年の横浜バレエフェスティバルで踊った「ジゼル」がとても透明感と情感があって美しかったです。平野さんは、日本人男性には珍しい長身でプロポーションの良いダンサーで、ティボルトなどの悪役もこなす演技力の持ち主です。

二人とも、もちろんソリスト役での出演は決まっていて発表されています。平野さんは、6月18日(土)6:00p.mの「ロミオとジュリエット」でティボルト役、高田さんは6月24日(金)7:00p.mと7月6日(水)6:30p.m(福山)の「ジゼル」パ・ド・シスの出演が予定されています。

(各公演の詳細なキャスト)
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/2016-11.html

高田茜さんのビデオメッセージ

フランチェスカ・ヘイワードは、「マノン」、「ロミオとジュリエット」などの主演で大評判となっている新星、2010年に入団して早くもプリンシパルに昇進しました。アレクサンダー・キャンベルは、2011年にバーミンガムロイヤル・バレエから移籍しました。

****

ロイヤル・バレエ来日公演は、いよいよ6月16日の「ロミオとジュリエット」から始まります。楽しみですね。
http://www.nbs.or.jp/stages/2016/royalballet/

来日公演のニュース番組映像
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00327076.html

新国立劇場バレエ団 ダンサー昇格と契約ダンサーから登録ダンサーへの移行、および退団

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新国立劇場バレエ団は、今日「アラジン」が初日を迎えました。

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昨日のゲネプロと今日の初日と観たのですが(あと2公演観ます)、久しぶりの「アラジン」とても楽しかったです。プリンシパル7人も出演という豪華なステージ。目も眩むような洞窟のシーンでの華やかなディヴェルティスマンは振付も多彩でした。2幕の小野絢子さんと福岡雄大さんのパ・ド・ドゥは美しくて情感豊かでしたし、抜擢された池田さんのランプの精ジーン、獅子舞などファンタジックで楽しめる仕掛けが盛りだくさんで、一人一人のキャラクターが生きていました。カーテンコールには、振付のデヴィッド・ビントレーも登場し、カーテンの前で小野さんと福岡さんの間に彼が現れたときには、思わず観ている方も涙ぐんでしまうほどでした。チケットの売れ行きも大変良くて、喜ばしい限りです。


さて、新国立劇場バレエ団では、2016/2017シーズンから昇格するダンサー、契約ダンサーから登録ダンサーへ移行するダンサー、2015/2016シーズン終了をもって退団するダンサーが、決定したという発表がありました。

http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/160606_008688.html

2016/2017シーズンから昇格するダンサー ※ランクは、昇格後のものです。

<プリンシパル>
 奥村康祐(おくむら・こうすけ)

<ファースト・ソリスト>
 井澤駿(いざわ・しゅん)

<ファースト・アーティスト>
 飯野萌子(いいの・もえこ)
 益田裕子(ますだ・ゆうこ)


2016/2017シーズンより契約ダンサーから登録ダンサーへ移行するダンサー

<プリンシパル>
 マイレン・トレウバエフ

<ファースト・ソリスト>
 江本拓(えもと・たく)

<アーティスト>
 原田有希(はらだ・ゆき)
 フルフォード佳林(ふるふぉーど・かりん) 

2015/2016シーズン終了をもって退団するダンサー

<アーティスト>
 奥田祥智(おくだ・よしとも)
 吉岡慈夢(よしおか・じむ)


奥村さんは、今年中川鋭之助賞に輝いています。第11回モスクワ国際バレエコンクールシニア部門銀賞を、同じ地主薫エコールドバレエ出身の金子扶生さんと共に受賞。他にも数々の賞に輝いた後、2011/2012シーズンより新国立劇場バレエ団にソリストとして入団しました。今日の「アラジン」にも主演するなど、様々な作品で主演しているほか、日本バレエ協会の「眠れる森の美女」や「白鳥の湖」にも主演するなど、外部公演でも活躍しています。美しいつま先や綺麗な着地など、高い技術とともにエレガンスを備えていて王子様役がぴったりですが、その一方で「ドン・キホーテ」ではガマーシュ役を、ユーモアたっぷりに演じるなど多様な魅力の持ち主。

井澤さんは、2014/2015シーズンより新国立劇場バレエ団にソリストとして入団して、入団した年には早くも「シンデレラ」の王子役に抜擢。以降も主演が続いていました。プロポーションと容姿に恵まれ、華のある存在感でやはり王子様役がぴったりですが、軽やかな跳躍やコントロールの効いたピルエット等の鮮やかな技も魅力です。

一方、新国立劇場バレエ団の初期からバレエ団を支えてきたマイレン・トレウバエフさん、江本拓さんが登録ダンサーに移行してしまうのは残念です。

マイレンは、現在上演中の「アラジン」でマグレブ人を演じ、ただの悪役ではない深みのあるドラマティックな演技で作品にスパイスを加えていました。5月の「ドン・キホーテ」のエスパーダ役では、ワガノワ仕込みの切れのある美しい踊りとスタイリッシュさで魅せてくれました。古典作品の主演も見事でしたが、特に演技力に定評があり、新国立劇場バレエ団では彼ほどのキャラクター演技ができる人がいるのだろうかといえばいないので、惜しまれます。

江本さんは、「オルフェオとエウリディーチェ」に主演するなど、数々の作品で主要な役を演じてきており、やはりバレエ団に欠かせない一人でした。退団ではないので、今後もこの二人をバレエ団の舞台で観る機会があればよいのですが。

シャール=ルイ吉山さんが、ヒューストン・バレエのプリンシパルに昇進

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ヒューストン・バレエは、6月9日に芸術監督スタントン・ウェルチ振付により新しい「ジゼル」を初演しました。

http://www.houstonballet.org/Ticketing-Schedule/Season-Calendar/Giselle/

初日に主演したのは加治屋百合子さんで、イメージビジュアルも彼女の写真や映像を使っています。

また、加治屋百合子さんの「ジゼル」主演については、日本経済新聞でも記事になっています。

バレリーナの加治屋さん、名作「ジゼル」で主役に挑む
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN10H0Q_Q6A610C1000000/

この映像でも、加治屋さんは「ジゼル」について語っています。

加治屋さんはローザンヌ国際コンクールでも「ジゼル」を踊ってスカラシップを獲得し、ABT時代にも「ジゼル」に主演しており、彼女にとっては特別な作品のようです。

さて、「ジゼル」2日目、6月11日の公演でアルブレヒト役を演じたのは、シャール=ルイ吉山さんです。静岡出身で2007年にローザンヌ国際コンクールに出場してコンテンポラリー賞を受賞し、ヒューストン・バレエIIに入団、翌年ヒューストン・バレエに入団しました。2015年にはファースト・ソリストに昇進しています。

そしてアルブレヒト役で、吉山さんはプリンシパルに昇進しました。おめでとうございます。
https://www.instagram.com/p/BGj2RoNFJPv/

今までも、ケネス・マクミラン振付「マノン」のデ・グリュー役、ジョン・ノイマイヤー振付「真夏の夜の夢」のオベロン役、デヴィッド・ビントレー振付「アラジン」のアラジン役などで活躍してきたとのことです。

ローザンヌ国際コンクールでの吉山さん

元マリインスキー・バレエのキーナン・カンパ主演の映画「ハートビート」日本公開

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アメリカ人として初めてマリインスキー・バレエに入団して、主役も演じたキーナン・カンパ。

その彼女が主演した映画「ハートビート」(原題:「High Strung」)が、8月20日に日本公開されることになりました。
http://natalie.mu/eiga/news/190601
http://eiga.com/news/20160613/4/

「ハートビート」は、プロのバレエダンサーになるためニューヨークにやってきたルビーと地下鉄で演奏するイギリス人バイオリニストのジョニーの出会いや、2人がヒップホップダンスチームを誘って弦楽器&ダンスコンクールに挑戦するさまを描いた作品。俳優としても活動するマイケル・ダミアンがメガホンを取った。

「ハートビート」は8月20日より東京・新宿シネマカリテほか全国で順次ロードショー。

「High Strung」公式サイトのキーナン・カンパのプロフィール
http://www.highstrungthemovie.com/flv_portfolio/keenan-kampa/

ワガノワ・アカデミーに留学してディプロマを獲得し、ボストン・バレエに入団した彼女が、2012年にマリインスキー・バレエに入団した時には大きな話題となりました。コリフェに昇格した彼女は、当時マリインスキー・バレエのプリマの多くが産休を取っている間、大きな役をたくさん任され、「ドン・キホーテ」のキトリ役という主役まで踊りました。しかしながら、急な抜擢で役の準備も十分にできず、コール・ド・バレエを踊りながら主役やソリスト役も踊る毎日で、思うような成果を上げることができませんでした。バレエ団になかなかなじめず、また失敗した動画をYouTube にアップされて、手厳しいロシア人ファンに批判されたり、精神的にもかなりつらかったようです。

Pointe誌のインタビュー
http://pointemagazine.com/views/keenan-kampa-high-strung-leaving-mariinsky/

アンドレイ・エルマコフとマリインスキー・バレエで踊ったキトリ

彼女が過労から心臓に負担がかかり、また怪我で手術を受ける必要があって休養している間に、映画主演の声がかかりました。ソチ・オリンピックでアメリカのテレビ局が取材に訪れ彼女を取り上げた映像が放送されたからです。手術後リハビリに励んで映画の撮影に臨みました。

この映画は、NYが舞台ですが、バレエシーンはルーマニアで撮影されています。登場するバレエダンサーたちは、ブカレスト歌劇場バレエのダンサーたちでした。

ブカレスト歌劇場バレエの日高世菜さんのブログで、この映画のことについて触れてあります。日高さんもエキストラとして出演しているそうです。
http://ameblo.jp/senachika/entry-12162398949.html

また、ルビーの同居人ジャジー役で、英国ロイヤル・バレエスクール出身で公開中の映画「エクス・マキナ」やユニクロのエアリズムのCM、ケミカル・ブラザーズのPVなどに出演している日本生まれ、イギリス育ちの女優/ダンサー、ソノヤ・ミズノも出演しています。名作「ある日どこかで」や「007 死ぬのは奴らだ」に出演している往年の名女優、ジェーン・シーモアも出演。シーモアは、子供時代にバレエを学んでおり、ロンドン・フェスティバル・バレエ(現イングリッシュ・ナショナル・バレエ)に所属していたこともあるのだそうです。

キーナン・カンパは、怪我から回復後、マリインスキー・バレエを退団してアメリカに戻り、現在はロサンゼルスで演技の勉強をしながら、バレエも続けているとのことです。

「ハートビート」のバレエリハーサルシーンの一部がここで観られます。
http://www.dancespirit.com/news/watch-exclusive-clip-keenan-kampa-gorgeous-high-strung/


エトワール・ガラ2016、キャスト変更

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今年8月に開催される「エトワール・ガラ2016」、キャスト変更のお知らせがありました。

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/16_gala/topics/post_1.html

出演を予定していたエルヴェ・モローが怪我により、公演を降板することとなってしまったとのことです。
 
代役として、パリ・オペラ座バレエ プルミエール・ダンスーズのレオノール・ボラックと、スジェのジェルマン・ルーヴェが出演するとのことです。

レオノール・ボラックは『くるみ割り人形』のクララ、『ロミオとジュリエット』のジュリエット、ラコット版『パキータ』などに主演している新星で、去年、一昨年と順調に昇進しています。ミルピエにも気に入られていて、彼の作品にもよく起用されており、古典から現代作品まで幅広いレパートリーを踊っています。ふわふわの金髪で愛らしい容姿の持ち主。

ジェルマン・ルーヴェは、2014年にコリフェ、2015年にスジェと順調に昇格しており、やはり「エトワール・ガラ2016」に出演するユーゴ・マルシャンと並んでパリ・オペラ座バレエ若手男性ダンサーのホープです。『くるみ割り人形』の王子/ドロッセルマイヤー、『ロミオとジュリエット』のロミオなどを踊っています。長身で端正な容姿の持ち主です。

なお、「パリ・オペラ座 エトワールが教えるヴァリエーション・レッスン」というDVDが8月に発売されます。「エトワール・ガラ」の芸術監督でもあるバンジャマン・ペッシュが、ヴァリエーションを踊りこなすためのテクニックや表現のポイントをレッスンするもので、オニール八菜さんと、ジェルマン・ルーヴェのふたりによるデモンストレーションが見られるとのことです。
http://www.fairynet.co.jp/SHOP/4560219323728.html

エルヴェ・モローは、つい最近足首を怪我し、その結果、9月まで踊ることが不可能になってしまったとのことです。早く良くなって、来シーズン元気に舞台に立てることを祈ります。来年のパリ・オペラ座来日公演では元気で美しい姿を見たいですよね。

演目も、エルヴェ・モローの降板に伴い変更となりました。『プルースト』と『失われた楽園~ロスト・ヘヴン』がなくなってしまったのも残念ですが、フレッシュで美しい二人に期待しましょう。

変更後の演目
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/16_gala/topics/post_2.html


エトワール・ガラ2016
2016/8/3(水)~7(日) 全5回公演
Bunkamuraオーチャードホール (愛知公演、大阪公演もあり)
お問い合わせ Bunkamura 03-3477-3244<10:00~19:00>
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/16_gala/ticket.html

ジェルマン・ルーヴェとオニール八菜さんのふたりがガルニエで踊る美しい映像« Ascension » by Jacob Sutton

レオノール・ボーラックとアリステル・マディンがガルニエで踊る"Haut Vol" de Louis de Caunes

オールスター・バレエ・ガラにジリアン・マーフィーとマチアス・エイマン出演

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来月に迫ったオールスター・バレエ・ガラ

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このたび、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)のプリンシパル、ジリアン・マーフィーと、パリ・オペラ座バレエのエトワール、マチアス・エイマンの出演が決定しました。

http://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=2118

マチアス・エイマンは、今年のABTのニューヨーク・メトロポリタン歌劇場シーズン「海賊」コンラッド役で、6月1日にABTデビューして大評判となりました。この時にメドーラ役を踊ったのが、ジリアン・マーフィーだったのです。

まさにスターというにふさわしいこのペアが加わって、オールスターバレエガラ、その名にふさわしいゴージャスな公演となりましたね。とても楽しみです。

Aプロ
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(振付:G.バランシン) ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン
「海賊」より寝室のパ・ド・ドゥ(振付:K.セルゲーエフ/A.M.ホームズ) ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン

Bプロ
「リーズの結婚」(振付:F.アシュトン) ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン
「フー・ケアーズ?」より(振付:G.バランシン) ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン

すべての出演演目も決定したとのことで、上記リンク先をご確認ください。

≪プログラムA≫
2016年07月23日(土) 14時開演 東京文化会館
2016年07月26日(火) 18時30分開演 東京文化会館

≪プログラムB≫

2016年07月24日(日) 14時開演 東京文化会館
2016年07月27日(水) 18時30分開演 東京文化会館


オニール八菜さんのロングインタビュー

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先日見事ブノワ賞に輝いたオニール八菜さん。エトワールに任命される日も近いと目される次世代スター筆頭の彼女ですが、意外と詳しいインタビュー記事は今までなかったと思います。

フランスのCulturekiosqueに、オニールさんのロングインタビューが掲載されていました(英語、Patricia Boccadoro氏による)。非常に興味深い内容でしたので、ご紹介しようと思います。

http://www.culturekiosque.com/dance/inter/hannah_o_neill991.html

子どもの時から夢は、オペラ座で踊ること

「私が覚えている限り昔から、夢はパリ・オペラ座バレエの団員になることでした。パリ・オペラ座バレエは世界で最も美しいバレエ団で、私にとってバレエとは、オペラ座だったのです。私は、手に入れられるすべてのオペラ座のDVDを持っています」。2013年当時、日本で生まれてニュージーランドに住んでいて、オーストラリアバレエ学校で学んだその時20歳のオニール八菜さんは、その夢とは一番下のランクであるカドリーユとして入団することだけではありませんでした。その2年後には彼女はヌレエフ版「白鳥の湖」のオデットをバスティーユで踊りました。さらにそののち、ヌレエフ振付の「ラ・バヤデール」のガムザッティ役で成功をおさめ、世界で最も有名な振付家二人の注目を集めました。世界でもっともヒエラルキーの厳しいパリ・オペラ座バレエで、どうやってこのようなことが起きたのでしょうか?

(このインタビューは、オニールさんがマリインスキー国際フェスティバルで「ラ・バヤデール」のガムザッティ役を踊ってパリに戻った直後に行われたものです)

「東京での幼少時代はごく普通のものでした。二人の兄弟とともに普通の日本人の子どもとして育ち、私にとってはバレエも含まれていましたがスポーツをたくさんやりました。パリ・オペラ座のダンサーは日本ではとても人気があり、私にとってのダンスとはパリ・オペラ座のことだったのです。8歳の時に、ラグビー選手だった父が怪我をしてしまい、ラグビーのコーチになるために故国ニュージーランドのオークランドに家族で帰ることになりました」

「オークランドでは普通の学校に通いながらバレエを続け、13歳の時にパリ・オペラ座学校のオーディションのためにビデオ映像を送りましたが、エリザベット・プラテル校長は特に興味を惹かれなかったようです。入学できなかったのは残念でしたが、私はYAGP(ユース・アメリカ・グランプリ)に出場して賞をもらい、オーストラリア・バレエ学校へのスカラシップを獲得しました」

オニールさんの最初の教師は、元マリインスキー・バレエのプリンシパル、イリーナ・コンスタンティノワで、ワガノワ・メソッドの教師でした。またオーストラリア・バレエ学校では、オーストラリア・バレエの元プリンシパルのリネット・ウィリスと、オーストラリア・バレエ学校ディレクターのマリリン・ロウに師事しました。ロウの下で2009年のローザンヌ国際コンクールに備え、オニールさんは見事優勝しました。オーストラリア・バレエ学校の教育に満足していた彼女はメルボルンで学び続けましたが、ロイヤル・バレエやパリ・オペラ座の公演を観にヨーロッパに旅行しました。

18歳の時のオニールさん

失意の日々

「私はまだパリ・オペラ座バレエに入団したいと思っていたのですが、外部入団試験では4位でまたもや入団できませんでした。でも少し落ち込みながら帰国するためにシンガポールでトランジットをしていたら、ローラン・イレールより電話がかかってきて、期間限定団員の契約のオファーを頂いたのです」

期待に胸を膨らませてオニールさんは、期間契約団員としてパリに引っ越しましたが、フランス語を話せず、せっかくオペラ座にいても舞台にはなかなか立てずに、舞台袖に立っているだけの日々を送っていました。意気消沈していましたが、パリ・オペラ座バレエを彼女が愛していることを理解していた両親に励まされ、再びオペラ座の外部入団試験に挑みます。しかしながら、ここでも正式入団には至りませんでした。あきらめかけていた時、イレールは彼女を「ラ・バヤデール」の3幕に出演する機会を与えました。

「がっかりした気持ちとホームシックは一晩で消え失せ、すべての問題は解決したと思っていました」「でもその時、舞台で転んでしまったんです!今までで最も緊張していたため、脚がその緊張に耐えられなかったのです。こんなことはもう二度と起きないでしょう。心は引き裂かれました。私のキャリアは、始まる前に終わってしまったと思ったのです。でも、ついに2013年に正式に入団できました」

(「ラ・バヤデール」の代役で失敗してしまった時のエピソードが語られている、2013年当時のPointe誌の記事

パリ・オペラ座学校で学んできた生徒たちと競わなければならないことからも、彼女が入団できたことは大きな成果でしたが、オペラ座の昇進試験では2014年にコリフェに昇進し、同じ年にヴァルナ国際コンクールで銀賞を受賞しました。2015年にはスジェ、2016年にはプルミエール・ダンスーズに昇進しました。


正式に入団してからは順風満帆。そしてメソッドの違い

「もうコンクールを受けなくて済むことにはほっとしています。ニュージーランドから来た私は、自分がここにいることを証明しなければならなくて、それは年々厳しいことでした。コール・ド・バレエで踊ることも楽しかったけれども、今はソリストとして役を深めていき、できれば何でも踊れるようになる機会が得られました。一緒に仕事をしたい振付家もたくさんいます」

「すでにピエール・ラコットは私を助けてくれて、カルポー賞を受賞できたのも、彼が審査員にいたからだと思います。彼の「パキータ」と「セレブレーション」を踊るのはとても楽しかったです。またウィリアム・フォーサイスとの仕事は素晴らしい経験でした。彼には信じがたいようなエネルギーがあります。ルドルフ・ヌレエフの古典作品は、ステップは難しいし、ほかのどの版よりもトリッキーですが、すべての作品が大好きです。彼の作品特有の調和をつかんだときは素晴らしい気持ちになります。彼の作品を踊れるようになったら、なんでも踊ることができるという気持ちになります。例えば、マリインスキー・バレエで先週踊った時にそう思いました。マリインスキー・バレエの芸術監督ユーリ・ファテーエフが私を招いてくれてプティパの「ラ・バヤデール」を踊りましたが、あまりにも簡単だったのでズルをしているのではないかと思うほどでした。でもマリインスキーにいることは大きな喜びで、そこでの4日間は魔法のようで意欲もますます高まりました」

オニールさんは、パリでは上半身の全体的な使い方、エポールマンがパリでは異なっていると語りました。フランスのダンサーたちはより洗練されていてフェミニンでエレガントで、細かいところまで注意が行き届いている一方で、脚捌きに重点が置かれています。このメソッドになじむため、彼女を教えているアニエス・ルテステュ始め、教師陣に助けられているとのことです。

オニールさんは、サンクトペテルブルグに続き、モスクワで、ミルピエ振付の 「La Nuit s’Achève(夜の終わり)」をユーゴ・マルシャンと踊り(ブノワ賞ガラ)、その後はニューヨークでエスメラルダのパ・ド・ドゥを踊ります(YAGPガラ)。

ブノワ賞ガラでの「エスメラルダ」(ユーゴ・マルシャンと)

「ローラン・プティ、マッツ・エック、ベジャール、ノイマイヤー、ロビンス、何でも踊りたいのです!特に「ジゼル」は踊りたい。今のこの年齢では、できるだけ挑戦となるような作品を踊ることが大事だけど、今までさんざんしてきた競争には巻き込まれたくありません」

パリでの生活を楽しむ

フランスにやってきたときには、誰も知り合いはおらずフランス語が全く話せなかったオニールさん。でも今はフランス語を流ちょうに話し、魅力的で親しみやすい人柄のためパリにもなじみ、オーストラリアと同じように親しい友人たちもできました。

「パリに住んでいる、おばのいとこもいます。話せる人がいて嬉しかっただけでなく、彼女は現代美術界にいて、展覧会のプレビューに招待してくれるのでとても楽しいです。そのほかでは、オールブラックスの試合を観ることと、友達と出かけることを楽しんでいます」

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日本、ニュージーランド、オーストラリア、パリと様々なカルチャーで育ってきたオニールさん。これからますます活躍の幅は広がりそうです。オペラ座「ジゼル」のミルタ役も好評でしたが、オペラ座らしいエポールマンを身につけるのはなかなか時間がかかりそうという声も一部にはありました。とはいえ、伸びやかな肢体、美しい容姿、強靭なテクニックとエレガンス。今最も上り調子のバレリーナであることは誰もが同意すること。8月には、念願のジゼル役デビューを、マリインスキー・バレエの沿海ステージで果たします。

英国のEU離脱がダンス/バレエに与える影響

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欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う英国民投票で、離脱派が勝利したことは皆様もご存じのことと思います。

さて、このEU離脱が起きた場合に、英国における芸術には大きな損害が起きる者と考えられています。

現実に、英国を代表する俳優やデザイナーら約300人の著名人が連名で、残留を支持すると表明した手紙にサインしました。俳優ベネディクト・カンバーバッチやジュード・ロウ、女優のキーラ・ナイトレイやヘレナ・ボナムカーター、そして映画監督ダニー・ボイル、ファッションデザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッドなどです。

Guardian紙の記事
http://www.theguardian.com/politics/2016/may/19/british-cultural-heavyweights-sign-250-letter-backing-eu-benedict-cumberbatch-paloma-faith-

また、ダンス界からは、ニューアドベンチャーズのマシュー・ボーン、ロイヤル・バレエ芸術監督のケヴィン・オヘア、振付家のアクラム・カーンとウェイン・マクレガー、ロイヤル・バレエでプリンシパルに昇進するフランチェスカ・ヘイワードらもサインしています。

残留を支持すると表明した手紙にサインした著名人のリスト
http://www.strongerin.co.uk/hundreds_of_figures_from_britain_s_creative_industries_call_for_uk_to_stay_in_the_eu#3LEA3okLIrhDJaQp.97


さて、現実にどのような問題が起きるのでしょうか。Ismene Brown氏が、ロイヤル・バレエ、アクラム・カーンらにインタビューを行いました。
The Royal Ballet and Sadler’s Wells explain how Brexit will hurt dance
http://blogs.spectator.co.uk/2016/06/royal-ballet-sadlers-wells-explain-brexit-will-hurt-dance/

まず、ダンスは、長期にわたるグループによる継続的な訓練を必要とする技術を持つ、常時雇用されている従業員に依存するものです。このことは、ダンスはオペラや演劇よりも構造的な経費が掛かる芸術にしています。

また、ダンスは国際的な舞踊言語によって語られる芸術であり、様々な国々の伝統が合わさったものであります。コンテンポラリーダンスは、様々なダンスに起源をもつものであり、ダンスカンパニーは世界中から人材を集めています。英国のダンスの歴史は、世界の文化の歴史でもあります。

ロイヤル・バレエ、コンテンポラリーダンスのランベール・ダンス、そしてアクラム・カーンというバレエ、コンテンポラリーダンスの巨匠たちは、このEU離脱がマネジメント、アーティストたち、そして創造的な仕事にどのような問題を起こすかということについて語りました。

彼らは、経済と入国問題について懸念しました。ダンスカンパニーは、緊縮財政の影響を受けており、英国だけでなく、EUからのプロダクションファンドや基金に依存しています。よく知られた、売れることが確実なヒット作をリサイクルするだけにとどまらず、前進していくためには、納税者が税金で支えていくことが受け入れられなければなりません。

ロイヤル・バレエの芸術監督、ケヴィン・オヘアは以下のように語りました。「もしEU離脱が景気の悪化を招くことになれば、間違いなく、芸術文化に寄せられる民間及び公共の投資に悪影響があることでしょう。ロイヤル・バレエの意欲的なプランも、難しい決断を迫られることになるかもしれません」

ダンサーの雇用と入国については、さらに複雑な問題があります。モダンダンスの振付家であるアクラム・カーンは、「入国とビザの規制が見直されることになればダンサーの移動も制限され、最も優れた国際的なパフォーマーを呼ぶことが難しくなるでしょう」と語りました。彼のカンパニーの、ヨーロッパ出身のカンパニーメンバーのビザについて懸念しているとのことです。

オヘアはこのようにも言っています。「英国の芸術機関は、EUのアーティストが自由に入国できることから恩恵を受けており、それにより私たちは最高の才能を引き寄せることができます。グローバルな市場の中で競争力を保つためにはあらゆるツールを持たなければならないので、このことは必須なのです。もし英国がEUを離脱すれば、我が国の芸術の機関はどのように世界的な才能を引き付け、維持することができましょうか。また、英国人がほかのEU諸国で働く機会を得られなくなってしまうのではないでしょうか」

ランベール・ダンスの最高責任者であるナディア・スターンは、ビザの問題について語ってくれました。ランベールの22人のダンサーのうち、半分は英国人、4分の一はヨーロッパ市民、そして残りはそれ以外の国の出身です。今まではEU出身のダンサーは、ランベール・ダンスに何の問題もなく入団できましたが、現在の、非EU出身者に求められる要件に従わないとならなくなります。

この労働ビザの条件は厳しいものです。EU以外からの弁護士、エンジニア、秘書、ダンサーは”Tier 2”というビザのカテゴリ(熟練労働者)に該当しますが、20,700人という総数の制限があります。このカテゴリは、年収£155,300以下の人々に適用されます。(それ以上の収入がある場合には、自由に入国できます)この許可証は、ポイント制に基づいて可否が決まり、前年の年収、英語能力、スキル、年齢(若い人の方がポイントが高い)によって算出されたポイントで労働ビザが下りるかどうかが判定されます。ダンスは、入国管理局によって「英国では不足している能力」と判断されているため、英国のダンスカンパニーによって職を得たダンサーは、収入が低くても、このビザが下りる可能性が高かったのでした。

スターンによれば、ランベールにとって、EU以外の国からの労働ビザをさらに5人分得ることはそこまで困難なことではありません。問題は、EUから離脱した後、政府は総数で3万~4万人ものEU出身の労働者を、外国人ビザの要件にどうやって切り替えて働いてもらうようにするかということです。現状に対しての無知が蔓延する中で、移民問題は大きな社会問題となっている中で、それが果たして可能なことなのかどうか、それが問題です。

「ランベールのようなカンパニーは、世界最高レベルのカンパニーであり続けるためには、世界中からのダンサーを引き付けて採用しなければならないということを、入国管理局、ひいては政府が認識してくれているから維持できているのです。今現在はそれは難しいことではありません。現状ではEEA(ヨーロッパ経済圏、EUより少し広い範囲)出身のダンサーや振付家、デザイナーは自由に入国できます。サドラーズ・ウェルズ劇場では、ドイツ出身のカンパニーは、国内のカンパニーと同じ扱いで公演を行うことができました。私が懸念するのは、EEA出身以外の人達に与えられる労働ビザの総数が増えない限り、今まで通りの採用活動はできなくなってしまうということです」

「もう一つの懸念は、移民問題があまりにも議論を呼ぶ問題となっているため、政府は、ヨーロッパ以外からの人々への労働ビザの発行件数を減らしてしまうことです。それは直接的に私たちの採用活動、ひいては私たちの世界レベルのカンパニーという評判にも大きな打撃を与えることでしょう」

アクラム・カーンにとって英国のEU離脱は、カンパニーのすべての側面に影響を与えてしまうとのことです。プロダクション製作にとって欠かすことのできない、ヨーロッパのクリエイティブなアーティストとの自由な行き来を失うこと、またカンパニーが支払うことができないかもしれない新しいコストが発生することも懸念されます。アクラム・カーンはサドラーズ・ウェルズ劇場の常任アーティストです。サドラーズ・ウェルズ劇場は、ヨーロッパにおける劇場ネットワークの一部であり、このネットワークにおいて共同制作を行うことで費用を分担し、ツアーの日程を調整しています。

カーンのオフィスによれば、ヨーロッパ内での共同制作による資金集めは、「新制作のためのビジネスモデルにとって必須である」とのことです。また、彼らは、ビザや税金、医療保険のコストが増加する場合、ヨーロッパ内におけるツアーの頻度が減ることも懸念しています。

また、ロイヤル・バレエ、アクラム・カーン・カンパニー、ランベールのような国際的に活動するカンパニーにとって、「英国の文化政策は、EU離脱に従って、ナショナリズム的なものとなる可能性があり、制限され長期的な視野に立てなくなる懸念があります」とカーンは警告しています。

ブラウン氏は、3者に、「外国人へのハードルを上げることによって、英国人枠を広げたほうがいいのでは?」と質問したところ、3者とも「団員は、その人の持つ才能によってのみ採用されるのであり、もし適切な人材が見つからなければ、無理して定員を埋めようとは思わない」と回答しました。

「ビザ申請に関する業務は、雇用への障壁となる可能性がある」とオヘアは言い、スターンも、「ランベールは、良いダンサーが見つけられなくなれば、カンパニーの規模を小さくせざるを得ないか、もしくは人数を維持するために今までは雇わなかったであろうレベルのダンサーを採用し、それによってカンパニーの質を落とさざるを得なくなります」と言いました。

英国のダンスは、常にヨーロッパの中に包摂されていました。ロイヤル・バレエの振付家であったケネス・マクミラン、ジョン・クランコ、そしてキャシー・マーストンは英国とドイツの両国で仕事をするなど、このルートでのやり取りは多いものでした。ロイヤルの近年の歴史で活躍してきた多くのアーティストはヨーロッパ出身でした。タマラ・ロホ、アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー、シルヴィ・ギエムなど。スペイン人であるタマラ・ロホは、現在ENB(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)の芸術監督です。ロンドンで活躍したスターたちは、オランダ、エストニア、ギリシャ、スロヴェニア、ルーマニアといった国々で芸術監督として活躍しています。

もし、汎ヨーロッパ的な流れが断絶したら、英国のダンスには何が起きてしまうのでしょうか。スターンは、英国のEU離脱そのものは、ダンスを破壊することはない、多数派を得たEU離脱後の政府によって決められた政策が結果を決めることになるでしょうと語っています。

「国民が決めたことに対して、政治家がどのように動くかどうかによって結果はゆだねられることでしょう。もし、私たちが世界レベルのカンパニーであるという地位を維持できない危険性が出てきた場合には、私達のグローバルな地位は妥協の産物となることでしょう。国民が決めたこと、私たちがどのような国にしたいかということについて、冷静に考えたいと思います。自分たちが世界レベルのカンパニーであり続けたいかどうかということを」

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この英国のEU離脱によって起きるダンス界の問題は、大きく分けて、労働ビザの問題(EU出身者、さらにはEU外の出身者にとって、労働ビザを得るのが困難となる)と、EU内での自由な行き来がや共同制作できなくなることという移動の自由の問題の二つがあります。

(それ以外にも、排外主義台頭の問題や、景気後退による予算緊縮や資金集めの問題があります)

ダンスは、言葉を使わないことから、様々な文化の人々に好まれる芸術となっており、また様々な文化が融合したものでもあり、優れた人材を世界中から集めることで、さらに素晴らしい芸術が生まれていきます。そのようなグローバルな時代において、国境を新しく作ることは、やはり大きな障壁となり、この分野が衰退する原因ともなってしまうことでしょう。このダメージを最小限にするにはどのようにすればいいのか、英国政府の動き、各カンパニーの動きが注目されます。

ケヴィン・オヘアは、今まで通り、英国ロイヤル・バレエは、世界中から優れた人材を集めることでクオリティの高いパフォーマンスを行っていきたいと表明しています。

ボリショイ・バレエ来日公演のキャスト発表

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来年6月に予定されているボリショイ・バレエのセット券受付と予定キャストとチケット料金が決定したと発表されました。

http://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=2142

 【ジゼル】
 2017年6月4日(日)13:00 エフゲーニャ・オブラスツォーワ/イーゴリ・ツヴィルコ
 2017年6月4日(日)19:00 スヴェトラーナ・ザハーロワ/デニス・ロヂキン
 2017年6月5日(月)19:00 エカテリーナ・クリサノワ/ウラディスラフ・ラントラートフ

 【白鳥の湖】
 2017年6月7日(水)18:30 オルガ・スミルノワ/セミョーン・チュージン
 2017年6月8日(木)13:00 エカテリーナ・シプーリナ/アルチョム・オフチャレンコ
 2017年6月8日(木)19:00 スヴェトラーナ・ザハーロワ/デニス:ロヂキン
 2017年6月11日(日)18:00 ユリア・ステパノワ/アルチョム・オフチャレンコ
 2017年6月12日(月)18:30 オルガ・スミルノワ/セミョーン・チュージン

 【パリの炎】
 2017年6月14日(水)19:00 エカテリーナ・クリサノワ/ウラディスラフ・ラントラートフ
 2017年6月15日(木)19:00 エカテリーナ・シプーリナ/イワン・ワシーリエフ (ゲスト出演)

 会場:東京文化会館

チケット料金※消費税8%込み

◆ザハーロワの芸術を堪能する至極の公演◆
対象公演:6/4(日)19:00「ジゼル」,6/8(木)19:00「白鳥の湖」
S¥26,000 A¥22,000 B¥19,000 C¥15,000 D¥11,000
(夢倶楽部会員料金:S¥25,000 A¥21,000 B¥18,000 C¥14,000 D¥10,000)

◆上記2公演(6/4(日)19:00, 6/8(木)19:00)を除く公演◆
S¥24,000 A¥20,000 B¥17,000 C¥13,000 D¥9,000
(夢倶楽部会員料金:S¥23,000 A¥19,000 B¥16,000 C¥12,000 D¥8,100)

チケット発売の詳細については上記リンク先をご覧ください。

注目のユリア・ステパノワ、アルチョム・オフチャレンコの本格的日本デビュー、そしてゲストとしてイワン・ワシーリエフが「パリの炎」に出演するというのは、とても楽しみです。マリーヤ・アレクサンドロワは今回は出演しないのでしょうか。

ワジーエフ新監督のお手並み拝見という来日公演です。


[夢倶楽部WEB単券]
受付開始日:7月16日(土)10:00~

[夢倶楽部TELセット券及び単券]
受付開始日:7月17日(日)10:00~
・・・ジャパン・アーツぴあコールセンター (03)5774-3040

[ジャパン・アーツぴあネット会員セット券]
抽選申込期間:7月29日(金)10:00~8月1日(月)23:00
結果配信:8月8日(月)夜

[ジャパン・アーツぴあネット会員単券]
受付開始日:8月10日(水)10:00~

[一般発売] 8月13日(土)10:00~

ジェフリー・シリオがABTのプリンシパルに昇進

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2015年8月にボストン・バレエから移籍しABTにソリストとして入団したジェフリー・シリオが、プリンシパルに昇進することが発表されました。

http://www.abt.org/insideabt/news_display.asp?News_ID=554

Jeffrey Cirio Promoted to Principal Dancer at ABT
http://pointemagazine.com/news/jeffrey-cirio-principal-dancer-abt/

ボストン・バレエではプリンシパルだったジェフリー・シリオでしたが、ABTにはソリストとして入団しました。しかし、移籍後、「海賊」のアリ、「眠れる森の美女」の青い鳥、「ロミオとジュリエット」のマキューシオ、そして「ラ・フィユ・マル・ガルデ」のコーラス役を演じて好評でした。特に、怪我をしたアルバン・レンドルフの代役で演じたコーラス役は、New York Timesでも絶賛されました。

小柄ですがテクニックには定評のあるシリオ。ボストン・バレエ時代は、倉永美沙さんのパートナーを務めることが多く、昨年6月に日本で開催された「スター・ガラ2015 ボストン・バレエの精鋭たちによる饗宴」にも出演していたことは記憶に新しいところです。昨年末のボストン・バレエの「くるみ割り人形」では古巣ボストンにゲスト出演して、再び倉永さんと踊りました。

フィリピン系アメリカ人の彼は、2006年にYAGPとジャクソン国際バレエコンクールで金賞、2009年のヘルシンキ国際バレエコンクールでも金賞受賞など華麗な受賞歴を誇っています。振付も手掛け、ボストン・バレエのために2作品を創作し、また自身のツアーグループ「シリオ・コレクティブ」を結成して夏の間にフェスティバルに出演しています。なお、フィリピン系のABTのプリンシパルは、ステラ・アブレラに続いて二人目。

なお、コール・ド・バレエのブレイン・ホーヴェンはソリストへの昇進が発表されました。入団13年目という遅咲き。「ジゼル」のペザント、「ロミオとジュリエット」のベンヴォーリオ、「白鳥の湖」のベンノ、「真夏の夜の夢」のボトム、「オネーギン」のレンスキー役などで活躍してきました。今年は、「シルヴィア」のアミンタ役で全幕初主演を果たしました。信頼性の高いダンサーで、もっと早くソリストに昇進させるべき存在でした。


さて、ABTは現在、ラトマンスキー振付の「眠れる森の美女」を上演しています。この「眠れる森の美女」で主演デビューを果たしたソリストのカサンドラ・トレナリーのオーロラが大きな評判を呼んでいます。注目の存在のようでNew York Timesでも特集記事になっていました。彼女は、今年の夏の「オールスター・ガラ」にマルセロ・ゴメスの推薦で出演するので、観るのが楽しみですね。

ロイヤル・バレエ来日公演関連、高田茜さんインタビューなどいろいろ

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英国ロイヤル・バレエの来日公演も、あとは福山での「ジゼル」を残すばかりとなりました。

演劇性の高いロイヤル・バレエの実力を見せてくれた、素晴らしい公演の数々でした。後で感想を書こうと思いつつなかなか時間がないのですが、いくつかの情報をご紹介して、少し振り返ってみようと思います。

来日公演直前に、平野亮一さん、高田茜さん、フランチェスカ・ヘイワード、アレクサンダー・キャンベルのプリンシパル昇進が発表されました。たくさんのメディアで取り上げられたことは記憶に新しいかと思います。

高田茜さんのインタビューとショートムービーが、VOGUE JAPANのウェブサイトに上がっています。VOGUEならではの美しくエレガントな映像と写真、そしてロイヤル・バレエの表現力豊かで人に伝わる踊りとは何かについて考えている高田さんの言葉が、とても素敵です。

バレリーナ高田茜が語る、私の踊りができるまで。
http://www.vogue.co.jp/lifestyle/interview/2016-07-05

(VOGUE JAPANのウェブは他のバレエ関連記事も充実しているので、ぜひご覧くださいね)

このインタビューでも触れられているように、今回、ロイヤル・バレエは来日公演の合間を縫って、京都の養護学校や、震災の被害を受けた熊本の小中学校を周り、子どもたちと触れ合いました。高田さんは、京都の西総合支援学校を訪問し、子どもたちと一緒に踊りました。

ロイヤル・バレエ団
高田茜さんが京都の学校訪問
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062700737&g=soc

また、熊本地震の被災地を励まそうとロイヤル・バレエのダンサーら7人が熊本県嘉島町立嘉島中などを訪れてワークショップを行いました。

熊本地震
英ロイヤル・バレエ団が被災地訪問
http://mainichi.jp/articles/20160628/k00/00m/040/056000c

被災地で世界水準の踊り披露=英ロイヤル・バレエ団、熊本訪問
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062700737&g=soc

崔由姫さんとニーマイア・キッシュが「ジゼル」を熊本の中学で踊るニュース映像

熊本でのワークショップについては、ロイヤル・オペラハウスのサイトでもレポートがあります。
http://www.roh.org.uk/news/the-royal-ballet-run-workshops-to-inspire-children-in-japanese-earthquake-zones


さて、ロイヤル・バレエのダンサーの皆さんは、日本でのツアーをとても楽しんだようです。

ロイヤル・バレエのダンサーたちの素敵なファッションや日常をブログで届けてくれるソリスト、オリヴィア・カウリーのブログBallet Styleは、楽しい写真を満載した記事をアップしてくれました。今回彼女は「ジゼル」のバチルド役やドゥ・ウィリで卓越した演技力と美しさを見せてくれましたね。

東京文化会館でのバックステージの様子
http://www.ballet.style/journal/2016/6/19/back-stage-in-tokyo

移動中のファッションなどなど
http://www.ballet.style/journal/2016/6/30/travel-style

そしてロイヤル・バレエのダンサーの皆さんは、インスタグラムの使いこなし方が上手いです。バックステージの様子、オフで観光を楽しむ姿など、たくさんの写真をアップしてくださっています。ここのリンクで、それらの投稿を楽しむことができます。

https://www.instagram.com/explore/tags/royalballetjapan/

ファースト・アーティストのGemma Pitchley-Galeも、日本ツアーの様子をレポートしています。日本公演は5回目だったそうですが、毎回本当に楽しんでいるようです。
http://www.roh.org.uk/news/the-royal-ballet-in-japan-dancer-gemma-pitchley-gale-blogs-from-tokyo

次の来日公演は3年後でしょうか。待ち遠しい限りです。今度は高田茜さん、平野亮一さんの主演公演も観られると良いですよね。もちろん崔由姫さんや金子扶生さんの主役を踊る姿も。

今回、高田茜さんが公演で踊る姿は見られなかったのですが、祭典会員向け公開クラスレッスンで、高田さんの美しいバーレッスン、そして大サービスで数えきれないくらいたくさん回ってくれた素晴らしいグラン・フェッテを楽しむことができました。レッスン見学企画は楽しいので次回も観られるといいな、と思います。


マシュー・ボーン「ザ・カーマン」x舞台「眠れる森の美女」大貫勇輔さんトークイベント、特別番組放映

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恵比寿ガーデンシネマ他で公開中のマシュー・ボーン in CINEMA の最新作「ザ・カーマン」と9月に来日公
演が予定されている「眠れる森の美女」、両作の日本劇場公開・来日公演を記念して、
マシュー・ボーンの舞台で主役を演じたことがある大貫勇輔さんによるトークショーが決定しました。

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恵比寿ガーデンシネマでのの7月9日(土)10時からの「ザ・カーマン」上映をご覧頂いた方が、トークショーをご観覧いただけます。
実際にマシュー・ボーン作品に参加したことがある大貫勇輔さん自身が感じるマシュー・ボーンの魅力と計り知れない想像力、両作品の見どころをお聞きします。

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チケット購入方法:インターネットチケット購入または劇場窓口にて該当する上映回をご購入ください

<インターネットチケット購入>
上映日3日前の AM0時からご購入が可能です。今回のトークショー付上映(7月9日)のお座席は7月6日(水)AM0時からお買い求めいただけます。
こちらのサイトから上映日を選択し、ご購入ください: http://www.unitedcinemas.jp/yebisu/index.html

<劇場窓口>上映劇場のオープン時よりご購入が可能です。今回のトークショー付上映(7月9日)のお座席は7月6日(水)の劇場窓口がオープンしてからお買い求めいただけます。

前売券でのご鑑賞も可能ですが、満席になり次第、受付終了とさせていただきます。
鑑賞料金:特別興行2,200円

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「ザ・カーマン」、私も今回のシネマを観ましたが、非常にセクシーでエネギッシュで面白い作品に仕上がっています。はちきれんばかりの熱気が画面から伝わってくるのは、大スクリーンならではの迫力です。

また、「マシュー・ボーンの眠れる森の美女」来日公演を記念して、特別番組の放映が決定しています。

http://hpot.jp/stage/sleepingbeauty

 100年の眠り、100年の愛
 ~「眠れる森の美女」×英国バレエ界の鬼才


 7月24日(日)あさ10:00~10:30
 BS-TBSにて放送

<番組概要>
目覚めたら21世紀、そしてヴァンパイアー
現代バレエ界屈指のヒットメーカーにより、
全く新しいおとぎ話となった「マシュー・ボーンの眠れる森の美女」。
英国バレエ史上記録的大ヒットとなった話題作の魅力を
9月初来日を前に、日本を代表する演出家 宮本亜門がいち早く観劇し、徹底解説。
また、”天才演出家””天才振付家”と呼ばれるマシュー・ボーンの創作現場ロンドンを訪ね、
本人に直撃するほか、メインキャストにも創作過程についてインタビューを敢行。
マシュー・ボーンのクリエーションの秘密に迫ります。

2016年9月14日- 9月25日
東急シアターオーブ
http://mbsb.jp/

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パリ・オペラ座バレエの入団試験

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パリ・オペラ座バレエの入団試験は、パリ・オペラ座学校の生徒に対しては7月6日、外部(前日の試験で合格しなかったオペラ座学校生も受験可能)試験は7月7日に行われました。

合格発表はすぐ行われます。ダンソマニDanses avec la plumeの情報をまとめます。

オペラ座学校生の試験

Boys 男子

1. Giorgio Foures 合格
2. Andrea Sarri 合格
3. Gaëtan Vermeulen
4. Leo De Busserolles
5. Florian Astraudo
6. Alexander Boccara

Girls
1. Celia Drouy 合格
2. Nine Seropian
3. Bleuenn Battistoni
4. Margherita Venturi
5. Adele Belem
6. Philippine Flahault

合格したのは3人なので、オペラ座学校生にとっても狭き門です。合格しなかった生徒は、もう一年学校に残って翌年受験することもできます。

なお、今年オペラ座学校を卒業してディプロマを取得したのは次の人達です。

(男子)
Florian Astraudo
Alexander Bocarra
Samuel Bray
Leo De Busserolles
Girogio Fourès
Zino Merckx

(女子)
Bleuenn Battistoni
Manon Boulac
Philipinne Flahault
Charlotte Meier
Clara Spitz
Margherita Venturi


一方外部試験は、16歳から26歳のダンサーに受験資格があります。

(オペラ座学校、とあるのは、今年の内部試験を受験した人と、今年ディプロマを取得した人だけであり、残りの受験生の多くもオペラ座学校の出身者です)

(女子)
1 - Nine Seropian (オペラ座学校)
2 - Nais Duboscq
3 - Chelsea Adomaitis
4 - Seo Yun Hoo
5 - Adele Belem  (オペラ座学校)
6 - Eriko Nakajima 中島映理子
7 - Alizee Sicre
8 - Lou Spichtig
9 - Bleuenn Battistoni (オペラ座学校)
10 - Chloë Eve
11 - Clara Spitz (オペラ座学校)
12 - Melissa Patriarch
13 - Pearl Villette
14 - Kelly Riffaud-Laneurit
15 - Calista Ruat
16 - Manon Boulac (オペラ座学校)
17 - Philippine Flahault (オペラ座学校)
18 - Hortense Quentin Gromard
19 - Sara Garbowski
20 - Leah Fleytoux

(男子)
1 - Simon Le Borgne, 合格
2 - Leo De Busserolles, 合格 (オペラ座学校)
3 - Joseph Aumeer
4 - Gaëtan Vermeulen  (オペラ座学校)
5 - Florian Astraudo (オペラ座学校)
6 - Loïck Pireaux
7 - Haruo Niyama 二山治雄
8 - Link-Geslin Vinck
9 - Nikolaus Tudorin
10 - Alexander Boccara  (オペラ座学校)
11 - Jacopo Giardia
12 - Carl Van Godtsenhoven
13 - Mike Derrua
14 - Zino Merckx  (オペラ座学校)
15 - Emmanuel Vazquez
16 - Mathéo Bourreau
17 - Samuel Bray  (オペラ座学校)

外部試験の合格者は男子2名で、うち1名は今年の入団試験では合格しなかったものの、外部試験で再挑戦して見事勝ち取ったLeo De Busserollesです。Simon Le Borgneは、オペラ座の期間契約団員として踊っています。

外部試験は、受験年齢も広いので幅広いバックグラウンドのダンサーが集まります。エトワールのリュドミラ・パリエロ、プルミエのオニール八菜さん、スジェのパク・セウンなどは皆、この外部試験から入団しました。また、現在期間契約団員として踊っているダンサーも、この試験を受験しています。

今年は、2015年のローザンヌコンクールのセミファイナリストで、パリのコンセルヴァトワールでイザベル・シアラヴォラに師事している中島映理子さんが6位、そして2014年のローザンヌコンクールで1位の二山治雄さんが7位に入りました。これくらいの順位に入ると、期間限定での契約でオペラ座で踊るオファーが来る可能性があります。

あと、女子で7位のLou Spichtigは、2015年のローザンヌコンクールに出場して観客賞とベスト・スイス賞を受賞しており、現在チューリッヒ・バレエのコール・ド・バレエ。Nikolaus Tudorin(ライプチヒ・バレエ)、Carl Van Godtsenhoven(ミュンヘン・バレエのジュニアカンパニー)もローザンヌコンクールのファイナリストです。女子3位Chelsea Adomaitisは、パシフィック・ノースウェスト・バレエのコール・ド・バレエ。女子4位の韓国出身のSeo Yun Hooは、2014年のヴァルナ国際コンクールのジュニア部門1位で、期間契約団員。男子3位のJoseph Aumeerは、ロイヤル・バレエスクールを卒業し、来シーズンはロイヤル・バレエの研修生となることが発表されるため、ロイヤルに行くか、オペラ座の期間限定契約団員となるか、その行方が気になります。

なお、二山治雄さんは、今年のヴァルナ国際コンクールにも挑戦するそうです。
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160703/KT160702ATI090027000.php

ロイヤル・バレエスクール2016年卒業生の行き先

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ロイヤル・バレエスクール2016年卒業生の行き先が発表になっています。卒業生全員が、どこかのバレエ団に入団することができました。

http://www.royalballetschool.org.uk/2016/07/the-royal-ballet-school-graduating-class-2016/


Joseph Sissens  The Royal Ballet
Gabriel Anderson   Birmingham Royal Ballet
Aitor Galende Brizuela Birmingham Royal Ballet
Estelle Bovay    The Royal Ballet -
Aud Jebsen Young Dancers Programme
Arianna Maldini   The Royal Ballet -
Aud Jebsen Young Dancers Programme
Charlotte Tonkinson The Royal Ballet -
Aud Jebsen Young Dancers Programme
Maria Luisa Castillo Yoshida The Royal Ballet -
Aud Jebsen Young Dancers Programme
Joseph Aumeer    The Royal Ballet -
Aud Jebsen Young Dancers Programme
Giacomo Rovero    The Royal Ballet -
Aud Jebsen Young Dancers Programme
Francisco Serrano  The Royal Ballet -
Aud Jebsen Young Dancers Programme
Johanne Monfret    Birmingham Royal Ballet (Apprentice)
Kiely Groenewegen  American Ballet Theatre Studio Company
Gabrielle Beach   Boston Ballet II
Lorenzo Silingardi   Ekaterinburg State Academic Opera and Ballet Theatre
Connie Vowles   English National Ballet
Nana Sakai   Hong Kong Ballet
Lorenzo Trossello Northern Ballet Theatre
Kaho Yanagisawa   Royal Swedish Ballet
Karl-Erik Wigle Andersson   Royal Swedish Ballet
Thomas Bradshaw   Sarasota Ballet (Apprentice)
Grace Paulley   Scottish Ballet
Maya Negishi   Teatrul de Balet Sibiu
Rio Sato   Teatrul de Balet Sibiu
Simone Acri   Tulsa Ballet II
Scott McKenzie   Vienna State Opera Ballet


日本人の卒業生ですが、柳澤郁帆さんはスウェーデン王立バレエ、酒井那奈さんは香港バレエ、根岸茉矢さんと佐藤理央さんはルーマニアのシビウ劇場、アクリ士門さんはアメリカのタルサ・バレエIIに入団します。

そしてロイヤル・バレエの研修生となるJoseph Aumeerは、パリ・オペラ座バレエの外部試験で3位となったので、オペラ座の期間契約団員になる可能性もあります。


そして卒業生たちの表彰ですが、

Thomas Bradshawは、在学中にリーダーシップを発揮した卒業生に与えられるDavid Norman Prizeを受賞

柳澤郁帆さんと Aitor Galendeは、在学中にクラシック・バレエの訓練で最も進歩したダンサーに与えられるThe Worshipful Company of Gold and Silver Wyre Drawers Awardsを受賞

Connie Vowlesは、アシュトン作品のスタイル、個性と技術を最も備えた卒業生に与えられる Ashton Awardを受賞

そして柳澤郁帆さんは、Giacomo Roveroと共に、ロイヤル・バレエの卒業生の中で最も優れた生徒に対して London Ballet Circle より与えられるDame Ninette Awardも受賞しています。

柳澤郁帆さんは卒業公演の踊りでも際立った素晴らしさで、ロイヤル・バレエに入団しなくて残念と思っている人が多いとのことですが、木田真理子さんがプリンシパルとして活躍しているスウェーデン王立バレエでの飛躍も楽しみですね。アクリ・堀本バレエアカデミー出身の柳澤さんは、2013年にローザンヌ国際コンクールに出場して、入賞は逃したもののファイナリストとなりました。ロイヤル・バレエスクールでは、ダリア・クリメントヴァに師事していたようです。

ローザンヌ国際コンクールに2013年に出場した時の柳澤さんの踊り

NYCBのパリ公演、arteでネット中継

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ニューヨークシティバレエ(NYCB)は、現在パリのシャトレ座にて公演を行っています。

http://chatelet-theatre.com/fr/event/new-york-city-ballet

Les Étés de la Danseというシャトレ座でのゲストカンパニーを迎えての恒例の公演で、6月28日から7月16日まで公演が行われています。バランシン・プロと、ウィールドン、ラトマンスキー、ペックという現代の振付家の作品のプログラムが上演されています。バランシン本家ならではの上演ということで、パリの批評家やバレエファンも大絶賛しています。

そのNYCBのバランシンプロ、最終日の公演がarteでネット中継されます。

http://concert.arte.tv/fr/balanchine-new-york-paris-au-theatre-du-chatelet

中継日は、7月16日(土)、パリ時間夜20時からなので、日本では日曜早朝、午前3時という辛い時間です。ただし、通常arteでの中継は3か月くらいアーカイヴを残してくれるので、後日でも視聴できるかもしれません。あと、ジオブロックがかかる可能性もありますが、これは回避する方法もあります。

プログラムは以下の通りです。

Walpurgisnacht Ballet - George Balanchine 「ワルプルギスの夜」
Sonatine - George Balanchine 「ソナチネ」
La Valse - George Balanchine 「ラ・ヴァルス」
Symphony in C - George Balanchine 「シンフォニー・イン・C」

キャスト
WALPURGISNACHT BALLET: Mearns, Danchig-Waring, Lovette, Segin, Villwock
pause
SONATINE: M. Fairchild, De Luz [Solo Piano: Chelton]
pause
LA VALSE: Hyltin, J. Angle, Ramasar, Ippolito, King, Carmena, Isaacs, Suozzi, Laracey, Catazaro, Smith, Muller,
Anderson
SYMPHONY IN C: T. Peck, Veyette, Reichlen, T. Angle, Pereira, Huxley, Pollack, Stanley

イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)の昇進/入団発表

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パリ公演「海賊」も好評だった、イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)の昇進/入団発表がありました。

http://blog.ballet.org.uk/promotions-and-new-joiners-2016-2017/

加瀬栞さんがプリンシパルに昇進したことはすでに発表されています。また、同じくシーズン途中の昇進としては、ローレッタ・サマースケールズもプリンシパルに昇進しています。

パリ公演で大絶賛を浴び、またバレエ団内のコンクール、エマージングダンサーで優勝し観客賞も獲得したセザール・コラレスがファースト・アーティストからファースト・ソリストに2段階昇進しました。コラレスは2014年に入団したばかりですが、YAGPのグランプリ受賞者でもあり、世界的なスターになる才能があると言われています。

また、猿橋賢さんがジュニア・ソリストに、Barry Drummond、Stina Quagebeur、Jinhao Zhangの3人がファーストアーティストに、そして金原里奈さんが研修生から正式入団となりました。やはりエマージングダンサーに出場して大健闘した金原さんは、今年のヴァルナ国際コンクールに出場する予定です。

入団者としては、スペイン国立ダンスカンパニーからAitor Arrieta がジュニア・ソリストとして移籍、既にシーズン途中から出演していたGeorgia Bould、イングリッシュ・ナショナル・バレエスクールを卒業したばかりの鈴木絵美里さん、 Giorgio Garrett(ナショナル・バレエ・オブ・カナダの研修生)、ルーマニア国立バレエよりFrancesca Velicu、そしてシーズン途中からやはり出演していた、ロイヤル・バレエスクール出身のConnie Vowlesの6人です。

退団者としては、赤星慶さん、Désirée Ballantyne, Naomi Bottomer, Josephine Frick そしてベルリン国立バレエにプリンシパルとして移籍するクセニア・オフシャニクがいます。赤星さんは13年間ENBで活躍し、昨年12月にすでに退団していたようです。クセニア・オフシャニクは、2013年にブノワ賞にノミネートされていました。

ソリストに昇進した猿橋賢さんは、昨年のオーチャード・バレエ・ガラに出演されていましたね。「海賊」ではランケデム役を踊っています。

鈴木絵美里さんは、アクリ・堀本バレエアカデミーで学び、2013年にローザンヌ国際コンクールに出場している日英ハーフの方です。ENBスクールからENBに入団したのは彼女一人でした。ロイヤル・バレエスクールもそうですが、英国のバレエ団に入団するのは最近では非常に狭き門のようです。

ENBはNBS招聘で来日公演が予定されており、このように日本人ダンサーも活躍しているので観られるのが楽しみです。

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