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ディズニーの実写版『くるみ割り人形』、ラッセ・ハルストレム監督、キーラ・ナイトレイ、ミスティ・コープランド、セルゲイ・ポルーニンら出演

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ディズニーが実写版映画『くるみ割り人形』を製作するというニュースは以前に発表されていましたが、キャスト、公開日程が明らかになっています。

http://www.insidethemagic.net/2017/07/d23-expo-2017-nutcracker-four-realms-release-date-announced-walt-disney-studios/

http://www.slashfilm.com/the-nutcracker-and-the-four-realms-details-revealed/

http://www.imdb.com/title/tt5523010/

監督はラッセ・ハルストレム(『ギルバート・グレイプ』『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』『砂漠でサーモン・フィッシング』)。
出演は、金平糖の精にキーラ・ナイトレイ、ドロッセルマイヤーにモーガン・フリーマン、ジンジャーおばさんにヘレン・ミレン、クララにマッケンジー・フォイと、とても豪華です。

そしてミスティ・コープランドがバレリーナ役、役名は書いていませんがセルゲイ・ポルーニンも出演者の中に名前があります(踊る役なので金平糖の王子ではないかと)。

CGをふんだんに使ったプロダクションで、ねずみの王様は1000匹以上のねずみで表現されるのだけど、とても驚異的でクールな動きをさせるために、リル・バックのダンスの動きを捉えて表現させたとのことです。

題名は‘The Nutcracker and the Four Realms’ で、2018年11月2日公開予定です。


ル・グラン・ガラ 2018 ~パリ・オペラ座バレエ団トップダンサーたちによる華麗なる宴~ 2018年1月シアターオーブにて

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フィレンツェ・バレエの元芸術監督で、現在イタリアを中心に活躍する振付家ジョルジオ・マンチーニが、絶対的人気と実力を誇るパリ・オペラ座のなかでも群を抜く人気エトワール、マチュー・ガニオドロテ・ジルベールのために創作した《トリスタンとイゾルデ》が、いよいよ日本に上陸します。


Tristan_and_isolde
(c) James Bort

http://theatre-orb.com/lineup/18_legrand/


《トリスタンとイゾルデ》は、ワーグナー愛好家のマンチーニが長い間あたためてきた作品で、2011年に遡ります。フィレンツェ市内のストロツィ宮の中庭で、公開創作というイヴェントを開催。その時に『トリスタンとイゾルデ』(リスト編曲)の音楽でデュオを創った。そこから発展して生まれたのが、同年12月28日に初演された『トリスタンとイゾルデ』です。たった二人のダンサーが支える舞台なので、技術的にも芸術的にも厚みのあるダンサーがマンチーニには必要だった。そうしたダンサーの候補としてイゾルデに必要な強さがドロテにあり、トリスタンに必要なセンシビリティがマチューにあるということで、この二人に声をかけたところ、共に創作することが決まったという。

パ・ド・ドゥには<プレリュード>、<第2幕の愛のシーン>、<3幕のプレリュードとイゾルデの愛のシーン>が使用されている。ベジャール・バレエ出身のマンチーニはコンテンポラリー振付家とはいえ、この作品では、ドロテにポワントを履かせ、トリスタンとイゾルデの愛の“物語バレエ”として、大きな感動を観客に与える。

舞台衣裳を担当するのは、パリで活躍する中国人クチュリエ・デザイナー、イーチン・イン。
映像は、ファッション写真、ラガーフェルドなどのプロモーション映像などで有名なカメラマン、ジェームス・ボールト。

日本公演では、これに加え《ヴェーゼンドンク歌曲(世界初演)》が上演されます。飛ぶ鳥を落とす勢いの若手ダンサー、オニール八菜、ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャンというバレエファン垂涎の豪華キャストが決定。新しい感動を日本の皆様に贈りたい。

マンチーニの美しいデュオ『トリスタンとイゾルデ』は、ドロテ・ジルベールとマチュー・ガニオにより、2016年1月の「月夜に煌めくエトワール」でパ・ド・ドゥが上演され、全体を観たいという声が多く出ていました。なので今回の公演は本当に楽しみです。

「バレエ・スプリーム」でその輝きを見せてくれた>オニール八菜、ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャンを観ることができるのも嬉しいですね。


<公演日程>

2018/1/11(木)~1/13(土)

<曲目・演目>

「トリスタンとイゾルデ」(日本初演)
振付:ジョルジオ・マンチーニ 音楽:リヒャルト・ワーグナー
出演:ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ

「ヴェーゼンドンク歌曲集」(世界初演)
振付:ジョルジオ・マンチーニ 音楽:リヒャルト・ワーグナー
出演:ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャン、オニール八菜
スタッフ

振付:ジョルジオ・マンチーニ 音楽:リヒャルト・ワーグナー

<出演>

マチュー・ガニオ(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
ドロテ・ジルベール(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
ジェルマン・ルーヴェ(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
ユーゴ・マルシャン(パリ・オペラ座バレエ団エトワール)
オニール八菜(パリ・オペラ座バレエ団プルミエール・ダンスーズ)

※出演者は2017年8月1日現在の予定です。

<会場>

東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11階)

[主催]
TBS
[企画協力]
ベルチェ・アソシエイツ

<チケット情報>
料金

S席 14,000円 A席 10,000円 B席 7,000円(全席指定・税込)

一般発売

2017/9/24(日)

※一般発売初日<9/24>は、Bunkamuraチケットセンター03-3477-9999及びオンライン販売のみでの受付。
 店頭販売はございません。

チケット取扱い

チケット購入ガイド
<Bunkamura チケットセンターでのお申込み>

お電話でのお申込み

Bunkamuraチケットセンター<10:00~17:30>
03-3477-9999

カウンターでのお申込み

東急シアターオーブチケットカウンター<11:00~19:00>(渋谷ヒカリエ2F)
Bunkamuraチケットカウンター<10:00~19:00>(Bunkamura1F)

お問合せ

チケットスペース 03-3234-9999(月~土 10:00~12:00/13:00~18:00)


【勅使川原三郎が萩原朔太郎に吠える!】新作ダンス公演「月に吠える」プレイベント:ダンス&トーク8月11日開催

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KARASではこの度、8月の東京芸術劇場での新作ダンス公演「月に吠える」に先駆け、プレイベント:ダンス&トーク「勅使川原三郎が萩原朔太郎に吠える!」を緊急開催することとなりました。

このプレイベントでは、勅使川原さんが新作「月に吠える」について語り、
朔太郎の孫であり、萩原朔太郎記念・前橋文学館の館長である萩原朔美さんが朔太郎の詩について語り、
「月に吠える」公演のチラシやポスターのアートディレクター・榎本了壱さんも司会に加わって、
勅使川原、萩原さん、榎本さんの3人で朔太郎について語ります。
また佐東利穂子さんによるダンスも必見です。

Tukinihoeru2

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新作ダンス公演「月に吠える」プレイベント:ダンス&トーク
「勅使川原三郎が萩原朔太郎に吠える!」

出演:勅使川原三郎(トーク)
   萩原朔美(トーク・朗読)
   榎本了壱(司会)
   佐東利穂子(ダンス)

開催日時:2017年8月11日{金・祝日} 18:00開演(17:45開場・受付開始)
会場:カラス・アパラタスB2ホール
   東京都杉並区荻窪5-11-15 F1/B1/B2
   JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線「荻窪」駅下車 西口改札 徒歩3分
料金:4,500円

予約:
・メール予約 apparatus@st-karas.com
件名を「トーク予約」とし、氏名・枚数・携帯電話等当日連絡のつく電話番号・郵便番号・住所を
  ご記入の上、上記メールアドレスまでメールでお申し込みください。
・電話予約 03-6276-9136(カラス・アパラタス)まで電話でお申し込みください。
*予約は当日の正午まで受け付けております。
*イベント当日に会場で公演チケットをご購入の場合、S席が500円割引になります。(1人につき1枚まで)
*すでに公演チケットをお持ちの方は受付にご提示ください。料金が500円引きになります。(本人のみ)

問合せ:カラス・アパラタス TEL:03-6276-9136


勅使川原三郎さんの新作「月に吠える」については、タワーレコードのフリーマガジン「Intoxicate」に、私が勅使川原さんにインタビューした記事が掲載されています。(WebサイトMikikiでも読むこがとできます)
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/14457

また、東京芸術劇場のフリーペーパー芸劇BUZZでも、紹介文を書かせていただいています。
https://geigeki.jp/ch/images/buzz/2017_20/04.pdf

「月に吠える」


振付・照明・衣装・選曲・出演:勅使川原三郎

出演:佐東利穂子 鰐川枝里 マリア・キアラ・メツァトリ 
   パスカル・マーティ(イエテボリ・オペラ・ダンス・カンパニー)

日時:2017年
8月24日(木)19:30、25日(金)19:30、26日(土)16:00、27日(日)16:00

場所:東京芸術劇場プレイハウス

料金 *全席指定席【前売り開始 6月10日(土)】
S席 5,000円 A席 3,500円 
*25歳以下(A席)2,500円 65歳以上(S席)4,000円 高校生割引1,000円
(前売のみ・枚数限定)

チケット取扱:

・東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296(休館日を除く10-19時)
http://www.geigeki.jp/t/(PC) http://www.geigeki.jp/i/t/(携帯)
・チケットぴあ 0570-02-9999[Pコード:459-758] http://pia.jp/t/(PC・携帯)
・イープラス http://eplus.jp/(PC・携帯)
・ローソンチケット 0570-000-407(オペレーター対応10-20時)


読売新聞に8月3日に掲載された勅使川原三郎さんのインタビュー記事も興味深いものでした。「月に吠える」についての話と併せ、ニューヨーク、リンカーンセンターでの「Sleeping Water」上演、また今年の10月末よりパリ・オペラ座で上演される新作についても語っています。オペラ座での新作(エサ・ペッカ・サロネンのヴァイオリンコンチェルトを使用)はすでにリハーサルが始まっており、マチュー・ガニオも出演する予定で稽古をしているとのことです。


ハンブルク・バレエ団2018年日本公演 公演概要

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ハンブルク・バレエ団2018年日本公演の公演概要が発表されています。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/-2018.html

「椿姫」 プロローグ付全3幕
アレクサンドル・デュマ・フィスの小説に基づく

音楽:フレデリック・ショパン 振付・演出:ジョン・ノイマイヤー(1978年) 美術・装置:ユルゲン・ローゼ 


2月2日(金)18:30 
(マルグリット)アリーナ・コジョカル  (アルマン)アレクサンドル・トルーシュ 
(マノン)シルヴィア・アッツォーニ  (デ・グリュー)アレクサンドル・リアブコ
(デュヴァル氏)カーステン・ユング  (プリュダンス)菅井円加 
(ガストン)カレン・アザチャン  (オランピア)フロレンシア・チネラート


2月3日(土)14:00 
(マルグリット)アンナ・ラウデール   (アルマン)エドウィン・レヴァツォフ
(マノン)カロリーナ・アグエロ    (デ・グリュー)クリストファー・エヴァンズ
(デュヴァル氏)イヴァン・ウルバン  (プリュダンス)パトリシア・フリッツァ
(ガストン)マティアス・オベリン (オランピア)シュー・リン


2月4日(日)14:00 
(マルグリット)エレーヌ・ブシェ   (アルマン)クリストファー・エヴァンズ
(マノン)有井舞耀    (デ・グリュー)カレン・アザチャン
(デュヴァル氏)ダリオ・フランコーニ (プリュダンス)レスリー・ヘイルマン 
(ガストン)ヤコポ・ベルーシ  (オランピア)エミリー・マゾン


ガラ公演 〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉 2部構成 

「キャンディード序曲」「アイ・ガット・リズム」「くるみ割り人形」「ヴェニスに死す」「ペール・ギュント」「マタイ受難曲」「クリスマス・オラトリオ」「ニジンスキー」「ハムレット」「椿姫」「作品100─モーリスのために」「マーラー交響曲第3番」より

音楽:バーンスタイン、ガーシュウィン、チャイコフスキー、バッハ、ワーグナー、シュニトケ、ショスタコーヴィチ、ティペット、ショパン、サイモンとガーファンクル、マーラー
振付・演出・語り:ジョン・ノイマイヤー 

2月7日(水)19:00  カンパニー総出演


「ニジンスキー」 全2幕 
音楽:フレデリック・ショパン、ロベルト・シューマン、ニコライ・リムスキー・コルサコフ、ドミトリー・ショスタコーヴィッチ
振付・舞台装置・衣裳:ジョン・ノイマイヤー 


2月10日(土)14:00 
(ニジンスキー)アレクサンドル・リアブコ   (ディアギレフ)イヴァン・ウルバン   (ロモラ)エレーヌ・ブシェ
(ブロニスラヴァ・ニジンスカ)パトリシア・フリッツァ (スタニスラフ・ニジンスキー)アレイズ・マルティネス 
(タマラ・カルサーヴィナ)シルヴィア・アッツォーニ (レオニード・マシーン)ヤコポ・ベルーシ 

【ダンサーとして役を演じるニジンスキー】
(『謝肉祭』のアルルカン)アレクサンドル・トルーシュ   (『ばらの精』)アレクサンドル・トルーシュ (『シェエラザード』の黄金の奴隷)カレン・アザチャン (『遊戯』の青年)ヤコポ・ベルーシ (『牧神の午後』の牧神)カレン・アザチャン 
(ペトルーシュカ)ロイド・リギンズ

2月11日(日)14:00  
(ニジンスキー)アレクサンドル・トルーシュ   (ディアギレフ)カーステン・ユング   (ロモラ)カロリーナ・アグエロ
(ブロニスラヴァ・ニジンスカ)レスリー・ヘイルマン (スタニスラフ・ニジンスキー)コンスタンティン・ツェリコフ 
(タマラ・カルサーヴィナ)シュー・リン (レオニード・マシーン)リロイ・ブーン 

【ダンサーとして役を演じるニジンスキー】
(『謝肉祭』のアルルカン)クリストファー・エヴァンズ   (『ばらの精』)クリストファー・エヴァンズ (『シェエラザード』の黄金の奴隷)マルク・フベーテ (『遊戯』の青年)リロイ・ブーン (『牧神の午後』の牧神)マルク・フベーテ 
(ペトルーシュカ)ロイド・リギンズ

2月12日(月・祝)14:00
  
(ニジンスキー)アレクサンドル・リアブコ   (ディアギレフ)イヴァン・ウルバン   (ロモラ)エレーヌ・ブシェ
(ブロニスラヴァ・ニジンスカ)パトリシア・フリッツァ (スタニスラフ・ニジンスキー)アレイズ・マルティネス 
(タマラ・カルサーヴィナ)シルヴィア・アッツォーニ (レオニード・マシーン)ヤコポ・ベルーシ 

【ダンサーとして役を演じるニジンスキー】
(『謝肉祭』のアルルカン)アレクサンドル・トルーシュ   (『ばらの精』)アレクサンドル・トルーシュ (『シェエラザード』の黄金の奴隷)カレン・アザチャン (『遊戯』の青年)ヤコポ・ベルーシ (『牧神の午後』の牧神)カレン・アザチャン 
(ペトルーシュカ)ロイド・リギンズ

※記載の配役は2017年8月1日現在の予定です。

■ 会場:東京文化会館(上野)

■ 演奏:「椿姫」は東京フィルハーモニー交響楽団、〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉と「ニジンスキー」は特別録音による音源を使用します。

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■ 入場料(税込み) 
S=\23,000 A=\20,000 B=\17,000 C=\14,000 D=\11,000 E=\8,000 
未就学児童のご入場はお断りします。


特別割引のご案内

●セット券特別割引[S、A、B席]  先行発売期間にセットでお買い上げいただくと、最大で9,000円お得!

・「椿姫」「ニジンスキー」〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉のうち、2演目または3演目を同時に、同一枚数お買い上げいただくと、販売期間別に下記の金額を割引します。
・セット券はS、A、B席を対象とし、公演日およびS、A、B席の別は自由にお選びいただけます。

■ NBS WEBチケット先行発売期間(9/15~9/27)
S:1枚につき3,000円、A:1枚につき2,500円、B:1枚につき2,000円を割引

■ 一斉発売後(10/7以降~) S、A、Bとも1枚につき1,000円を割引 ※NBSのみ

●NBS WEBチケット特別先行割引[S、A、B席単独券]

S:1枚につき2,000円、A:1枚につき1,500円、B:1枚につき1,000円を割引


■ NBS WEBチケット 座席選択先行発売(S~D) 
 セット券 9/15(金)21:00~9/27(水)18:00  単独券 9/20(水)21:00~9/27(水)18:00
 *ご利用いただく際には、事前に会員登録(登録料・年会費は無料)が必要となります。

■ 一斉発売 10月7日(土) 10:00より

■ お問い合わせ お申し込み
NBS WEBチケット  
NBSチケットセンターTEL 03-3791-8888(平日10:00~18:00、土曜10:00~13:00)


■主催:公益財団法人日本舞台芸術振興会/日本経済新聞社 

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※なお、京都公演もあります。
http://rohmtheatrekyoto.jp/program/6776/

「京都賞」受賞 ジョン・ノイマイヤー振付・演出
ハンブルク・バレエ団
ガラ公演<ジョン・ノイマイヤーの世界>


2018年2月17日(土)

開演時間 14:00
ロームシアター京都

出演
振付・演出・ナレーション:ジョン・ノイマイヤー
ハンブルク・バレエ団

予定演目
『キャンディード序曲』、『アイ・ガット・リズム』、『くるみ割り人形』、『ヴェニスに死す』、
『ペール・ギュント』、『マタイ受難曲』、『クリスマス・オラトリオⅠ-Ⅵ』、『ニジンスキー』、
『ハムレット』、『椿姫』、『作品100―モーリスのために』、『マーラー交響曲第3番』

上演時間
約3時間(予定)

お問合せ先
ロームシアター京都チケットカウンター
TEL.075-746-3201(10:00~19:00、年中無休)

また、本公演に関連して、 バレエを学ぶ子どもたち対象とした特別レッスンを予定しているそうです 。
(詳細はあらためて発表)

発売日
2017年9月24日(日)
※先行発売:2017年9月17日(土)10:00~ フレンズ会員(オンライン会員)、Club会員(京都コンサートホール・ロームシアター京都共通の会員制度)・京響友の会会員

チケット取扱窓口
ロームシアター京都オンラインチケット ほか


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「椿姫」「ニジンスキー」という代表作、そして昨年の来日公演でも素晴らしかった「ジョン・ノイマイヤーの世界」の上演もあり、とても嬉しい来日公演です。出演者も、ニジンスキーといえばこの人のアレクサンドル・リアブコ、そして、素晴らしいシルヴィア・アッツオーニ。さらにアリーナ・コジョカルは「椿姫」でゲスト出演します。楽しみですね。

8月12日放送「世界ふしぎ発見!」でパリ・オペラ座、オニール八菜さん出演

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8/12(土)夜9時からの「世界ふしぎ発見」(TBS)では、”劇的空間 パリ誕生の秘密”を放送します。

http://www.tbs.co.jp/f-hakken/next/p_2.html

パリ・オペラ座バレエ団のクラス風景や、本公演に出演するオニール八菜さんへのインタビューなど、見どころ満載です。マチュー・ガニオのインタビューもあるとのことです。

オニール八菜さん、そしてマチュー・ガニオを次に日本で観られるのは、来年1月の「ル・グラン・ガラ」、楽しみですね。

http://www.tbs.co.jp/event/parisopera-gala/

ロイヤル・オペラハウスシネマシーズン 『真夏の夜の夢/シンフォニック・ヴァリエーションズ/マルグリットとアルマン』

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ロイヤル・オペラハウスシネマシーズン2016/17、バレエの最後を飾る 『真夏の夜の夢/シンフォニック・ヴァリエーションズ/マルグリットとアルマン』 (9月1日より公開)の試写を拝見してきました。

http://tohotowa.co.jp/roh/movie/the_dream.html

The_dream_the_royal_ballet_2012_ste

フレデリック・アシュトン振付の3作品によるトリプルビルです。本編前に流れた映像では、出演者たちがアシュトン作品の魅力を語りました。


真夏の夜の夢 The Dream

【振付】フレデリック・アシュトン
【音楽】フェリックス・メンデルスゾーン
【指揮】エマニュエル・プラッソン
【出演】高田茜(ティターニア)/スティーヴン・マックレー(オベロン)/ヴァレンティノ・ズケッティ(パック)/ベネット・ガートサイド(ボトム)/クレア・カルヴァート(ハーミア)/マシュー・ボール(ライサンダー)/イツィアール・メンディザバル(ヘレナ)/トーマス・モック(デミトリアス)

当初サラ・ラムがタイターニア役を予定されていたのが怪我降板で、高田茜が演じることに。先日も「バレエ・スプリーム」で最後のパ・ド・ドゥを高田さんは踊られたけれど、やはりオベロン役がスティーヴン・マックレーだとずっと映える。アシュトン特有の非常に素早い足の動き、上半身の捻じ曲げ、ピタッと音に合わせて止まるなどの難しい技術を楽々とこなしていた。ボリショイで学んだ高田さんは、とてもやわらかく雄弁な手足の動きをしていて、アシュトンとは相性が合わないのかな、と思っていたけど、確かに柔らかすぎるところはあったものの、これだけ音楽性もしっかりとしていて技術も見事だと気にならない。タイターニアは最初はインドの小姓さんにご執心で、それから薬草の作用でボトムに惚れこみ、最後はオベロンと愛を確かめ合うといった風にロマンティックさと少しの色っぽさが必要なのだけど、演技の面でも、高田さんはチャーミングで、ロバのボトムとのコミカルな絡み、ラストのとろけそうになっている愛の交歓と表現力豊かだった。そして高田さんも、マックレーも、とにかく軽やかなので、とても妖精っぽく見えるのが良かった。

スティーヴン・マックレーが素晴らしいのは、改めて言うまでもない。2007年に東京バレエ団へのゲスト出演で、ヨハン・コボーの代役としてアリーナ・コジョカルを相手にこの役を踊っているけど、あれから10年、大プリンシパルとなった。オベロンのメイクや衣装も良く似合うし、妖精王としての威厳もたっぷり。人間離れしたような高速シェネや軽やかな跳躍、見事な音楽性と素早い動きでも美しさを保ち続けられている。

ヴァレンティノ・ズケッティのパックは、いたずらっぽいキャラクター造形がしっかりできていて、やはり軽やかな跳躍を見せてくれた。オベロンと一緒に踊るところも、マックレーと息がとても合っている。ボトム役のベネット・ガートサイドは、ポワント使いも巧みで、ユーモラスなところに少しの悲哀も感じさせて良かった。また、恋人たち2組のコミカルな演技も楽しい。妖精たちのアンサンブルも、素早いアシュトン独特の動きをしっかりととらえていた。

ポワントをリハーサルするベネット・ガートサイドの映像


シンフォニック・ヴァリエーションズ Symphonic Variations

【振付】フレデリック・アシュトン
【音楽】セザール・フランク
【指揮】エマニュエル・プラッソン
【出演】マリアネラ・ヌニェス/ワディム・ムンタギロフ/崔由姫/ヤスミン・ナグディ/ジェームズ・ヘイ/トリスタン・ダイヤー

『シンフォニック・ヴァリエーションズ』はフレデリック・アシュトンの戦後まもなく振付けられ、今年で初演70周年を迎えるプロットレスの作品。幕間の映像で、初演キャストを務めたヘンリー・ダントンが登場した。御年98歳とのことだけど、驚くほどの美貌(今も現役で教えているそうだ)。当時は戦後間もないため、食料も不足しており、ダンサーたちはやせ衰えた状態で必死に踊ったとのこと。同じく初演キャストを務めたダンサーはマーゴ・フォンテーン、モイラ・シアラー、マイケル・サムズほか。

初演後70年経った『シンフォニック・ヴァリエーションズ』は、少々古さは否めないが、セザール・フランクの美しい音楽にぴたりと合った振付には、派手さはないけれども高度な技術と音楽性が要求される。男女3人ずつのペア。アシュトンならではの細かい音の合わせ方や上半身の使い方、観る音楽という趣の作品で、メーンのマリアネラ・ヌニェスとワディム・ムンタギロフを始め、6人は完璧に踊りきった。


マルグリットとアルマン Marguerite and Armand
【振付】フレデリック・アシュトン
【音楽】フランツ・リスト
【指揮】クン・ケセルス
【出演】ゼナイダ・ヤノウスキー(マルグリット)/ロベルト・ボッレ(アルマン)/クリストファー・サウンダーズ(アルマンの父)/ギャリー・エイヴィス(公爵)

『マルグリットとアルマン』のこの公演で、ゼナイダ・ヤノウスキーが23年間のロイヤル・バレエでの現役ダンサーとしての活動に別れを告げた。幕間映像では、『白鳥の湖』、『エリザベス』、『不思議の国のアリス』、『冬物語』といった代表的な役柄の映像を見ながら、彼女はダンサー生活について振り返った。ヤノウスキーはマルグリットを演じるには知的過ぎるイメージがあるものの、深みのある演技で、死にゆくマルグリットの心情を演じて説得力があった。個人的にも、今まで観た『マルグリットとアルマン』の中では最も感動的なパフォーマンスに感じられた。美しく、賢く、そして儚く慎ましい女性像が伝わってきた。アルマンの父に対して切々と心境を訴える様子も切ない。パートナーのロベルト・ボッレは、サポートが実に素晴らしく、大柄なヤノウスキーを見事にサポートして彼女の大きさを感じさせなかった。ソロの技術にも全く衰えはなく、若い恋人役を情熱的に演じていた。40歳を過ぎているのに、奇跡の若々しさだ。

引退公演なので、カーテンコールも感動的だった。ロイヤル・バレエの男性プリンシパルダンサーたちが一人一人花束を持って感謝を表し、カルロス・アコスタも登場。そしてジョナサン・コープ、アンソニー・ダウエル、クリストファー・カーといった教師陣、リアム・スカーレット、ウィル・タケット、そして夫君のサイモン・キーンリーサイドらも次々に花束を持って現れた。また、舞台上にはモニカ・メイソン、そして私服で現れた現役ダンサーたちも。芸術監督のケヴィン・オヘアは、ヤノウスキーへの謝辞を述べるとともに、ロイヤル・バレエのプリンシパルとしては今日が最後だけど、今後もアーティストとしてロイヤル・バレエに貢献してほしいと語った。客席からも花が降り注ぎ、同僚やファンにどれほど彼女が愛されているのかが実感できて、じーんと感動が伝わってきた。

素晴らしいパフォーマンスだったけど、この映像はDVD化されないとのことなので、ぜひ映画館でこの感動を味わってほしいと思う。

公開予定
東京 TOHOシネマズ日本橋 2017/9/1(金) ~2017/9/7(木)
東京 TOHOシネマズ六本木ヒルズ 2017/9/1(金) ~2017/9/7(木)
千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森 2017/9/1(金) ~2017/9/7(木)
神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜 2017/9/1(金) ~2017/9/7(木)
ほか
http://tohotowa.co.jp/roh/movie/the_dream.html

なお、既報の通り、ロイヤル・オペラハウスシネマシーズンは2017-18シーズンも継続します。バレエも全6作品公開してくれるので楽しみですね。

ノンフィクションW ワガノワ 名門バレエ学校から世界へ 〜二人の少女の物語〜

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WOWOWで8月20日に「ノンフィクションW ワガノワ 名門バレエ学校から世界へ 〜二人の少女の物語〜」というドキュメンタリーが放映されます。

http://www.wowow.co.jp/detail/110023/-/01

8/20(日)よる8:30 WOWOWプライム
8/31(木)深夜1:00 WOWOWプライム

これは、やはりWOWOWで2016年に放送した「ノンフィクションW ワガノワ 名門バレエ学校の秘密 〜くるみ割り人形への110日〜」に登場した、ワガノワ・アカデミーの二人の生徒、ヴェーラ・セゴーワエレオノラ・セヴェナルドのその後を追ったものです。

「ノンフィクションW ワガノワ 名門バレエ学校の秘密 〜くるみ割り人形への110日〜」は、ワガノワでの熾烈な主役争いをシビアに追った、大変興味深いドキュメンタリーでした。その後の二人の様子が見られるのは、とても楽しみです。

2016年に放送した「ノンフィクションW ワガノワ 名門バレエ学校の秘密 〜くるみ割り人形への110日〜」では、ロシア・サンクトペテルブルクにあるバレエ学校ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーに通う子どもたちの熾烈な主役争いに迫った。今回は登場した2人の少女にスポットを当て、彼女らのシーンを再編集、さらにその後を追う。

1738年に設立されたワガノワはロシア最古のバレエ学校で、バレエ史に残るダンサーを多数輩出してきた。8年制の学校だが、難関を突破し入学しても、才能を見限られた者は容赦なく退学させられる。ワガノワでは毎年クリスマス公演が開催される。会場はマリインスキー劇場。ヴェーラ・セゴーワは8年生当時、主役の最有力候補だったが本番直前のミニコンサートで失敗し降板。1学年下のエレオノーラ・セヴェナルドに役を譲った苦い経験がある。

そんなヴェーラも2016年夏に卒業。結局憧れのマリインスキーバレエ団ではなくドイツのバイエルン国立バレエ団への入団を選択。ワガノワ出身の芸術監督に誘われての入団だったが、最初から最前列で踊れるほど甘くはなく、群舞の一員として厳しい練習を重ねている。一方、順調に学生生活を送っていたエレオノーラも卒業を控え進路決断の時を迎えた。6月、マリインスキー劇場での卒業公演の舞台に立つエレオノーラ。果たして彼女はどんな未来を選択したのか。(2017年)

ここでは言及されていませんが、エレオノラ・セヴェナルドはロマノフ王朝末期にマリインスキーに君臨したプリマ・バレリーナ・アッソールタ、マチルダ・クシェシンスカヤと血縁関係にあり、またワガノワでも最も優秀な生徒として注目を浴びてきました。そして最近のワガノワ最優秀生徒の例にもれず、マリインスキー・バレエではなく、ボリショイ・バレエに入団を決めたそうです。


この番組のプロデューサーを務めた方のインタビューが毎日新聞のWebに載っていましたが、大変興味深い話が書いてあります。
https://mainichi.jp/articles/20170815/dyo/00m/200/003000c

――番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?

 番組で追った少女のうち1人が卒業後、独バイエルン国立バレエ団に進んだのですが、新芸術監督を迎えたばかりでさまざまな論議が巻き起こっている最中だったため、なかなかバレエ団の取材ができなかったのが大変でした。一般的にも、多くの少年少女たちがしのぎを削って役獲得を目指しているところ、特定の人に取材カメラが入ること自体、不穏な空気を巻き起こすようでした。

 もともと役を巡っての熾烈(しれつ)な争いを中心に「スポ根」的なストーリーを想定していたのですが、ライバルや誰かとの比較で……というよりは「自己」を確立し「少女」から大人のプロバレリーナとして羽ばたいていく過程を描けたと思います。


エレオノラ・セヴェナルドを取り上げたロシアの番組(ワガノワ・アカデミーの公式YTチャンネルより)

ペテルブルグのバレリーナ―クシェシンスカヤの回想録ペテルブルグのバレリーナ―クシェシンスカヤの回想録
マチルダ・F・クシェシンスカヤ 関口 紘一

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勅使川原三郎さんがフランスの芸術文化勲章を受章/「月に吠える」プロモ映像

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ダンサーで振付家の勅使川原三郎さんが、フランスの芸術文化勲章オフィシエを受章することとなりました。

http://www.st-karas.com/news_jp/

http://www.asahi.com/articles/ASK8J5DNVK8JUCVL01G.html

叙勲の伝達式は「月に吠える」公演初日の8月24日(木)の公演後に舞台上で行います。
(初日の公演に来場されたお客様は公演後、伝達の式典に参列できます)

日本におけるフランス文化の紹介者、普及の実務者、あるいは支援した人が叙勲の対象になります。
駐日フランス大使と協議し、在日フランス大使館文化部、もしくはフランス本国で直接、文化通信省が推薦します。
決定権はフランス文化通信大臣にあります。

国際的に活躍する勅使川原さんは、自身のカンパニーKARASと共に、今年もフランスはパリのシャイヨ―宮で「Flexible Silence」、そしてフランス・マルティーグにて、「Sleeping Water」を上演しました。また今年の10月には、パリ・オペラ座バレエに新作を振付けることになっています。

芸術文化勲章オフィシエは過去、映画監督の高畑勲さん、音楽家の坂本龍一さん、前衛芸術家の草間彌生さんらに授与されていますが、ダンス界ではあまり例はないと思います。(牧阿佐美さん、田中泯さん、山海塾の天児牛大さんがシュヴァリエ、彩の国さいたま芸術劇場のプロデューサー佐藤まいみさんがオフィシエを受章しています)
ここ10年間に約120人の日本人が芸術文化勲章を受勲しています。

おめでとうございます。

<伝達式について>
2017 年 8 月 24 日(木)
19:30 公演「月に吠える」 / 20:30 頃より 叙勲伝達式

場所 東京芸術劇場プレイハウス
(東京都豊島区西池袋1-8-1)
★公演は 8 月 25 日〜27 日も同会場で開催しております

*******
さて、8月24日から東京芸術劇場で上演される「月に吠える」プロモーションビデオがアップされています。今回日本では初出演となる、キアラ・マリア・メツァトリとパスカル・マーティも登場します。

https://vimeo.com/229374567


月に吠える プロモーションビデオ from Saburo Teshigawara/KARAS on Vimeo.

なお、8月11日には、「勅使川原三郎が萩原朔太郎に吠える!」と題したトーク&イベントが開催されました。
原作の作者である萩原朔太郎の孫の萩原朔美氏と、今回の作品のチラシやポスターなどのアートディレクションを手がけた榎本了壱氏が勅使川原三郎さんと対談しました。また、初演に先駆けて佐東利穂子さんが特別に30分のソロを踊りました。

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©︎KARAS

対談では、勅使川原さんのダンスに対する考え、今回の「月に吠える」についての考えが聞けてとても興味深かったです。

萩原朔太郎の詩集「月に吠える」は、勅使川原さんが高校生のころから、そのユニークな言葉遣いや視点、現れる特異な動きなどに魅せられてきました。いつかは作品にしようと思っていたのですが、ダンスフォーラムで3度目の受賞をした時に、今回の対談にも出席しているアートディレクターの榎本了壱さんに「次は何の作品にするの?」と聞かれ、目にした本が「月に吠える」であり、ちょうど今年が刊行100周年であると榎本さんに聞いたとのことです。

ダンスにするにあたり、動きとして記憶すること、匂い、体験するような気持ち、ダンスという形でこの作品に近づいているというものにしようと考えられているそうです。抽象的というにはあまりに具体的で、もっと深いもの、奈落に落とされるようなもの、とがったものを突きつけられるような痛みのあるもの、気持ちよく蠱惑させられるものという朔太郎の詩の世界は、身体的、身体で感じるものであり、身体に響かせるものであると感じているそうです。

「身体を文学から翻訳しているわけではなく、全く別のものとして引き出しています。文字に書かれている作品と同じ時にいられるようにしています」

「詩を読むと、ダンスとは形が動いているものであり、詩も静止しているようで決して止まっていない、生きているものとして動いていると感じます」

また、萩原朔太郎の詩には色彩を感じさせるものが多いのですが、萩原朔美さんによれば「白」が一番多く登場するのだそうです。白は光の乱反射の極限化されたものであり、光の象徴である、という話から、勅使川原さんがガラスを割ったり砕いたガラスを使った作品を多く振付けているという話につながりました。ガラスは透明だけど、砕いていくと白になります。その中に沈殿する感覚や距離感覚、何層も蓄積されて見える色、痛みを感じる色となるのです。

佐東利穂子さんのソロは、習作であり、実際に今回の作品でこれが使われるかどうかはまだ未定とのことでした。いつもながらの強靭でしなやか、ダイナミックな動きがある中でも、今まで観たことがないようなボキャブラリー、動きが含まれており、「月に吠える」がどのような作品となるか、期待が膨らみました。


ウィーン国立バレエ団 マニュエル・ルグリ版『海賊』2018年5月開催決定

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いよいよ明日から「ルグリ・ガラ」が始まりますが、マニュエル・ルグリ率いるウィーン国立バレエ団がルグリ版『海賊』を引っ提げて2018年5月に来日公演を行います。

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http://www.bunkamura.co.jp/topics/orchard/482.html

近年、一層注目を浴びたのが2016年3月に上演されたマニュエル・ルグリが初の全幕演出を手掛けた新版『海賊』の世界初演。

生前、ルドルフ・ヌレエフが自身の版で上演を夢見て練っていた構想をベースにしているというから興味深いところ。見どころはなんといっても、名匠ルイザ・スピナテッリによるゴージャスな衣裳と舞台美術、ルグリに鍛え抜かれたダンサーだからこそ実現できる超絶技巧が満載の、めくるめく踊りのシーン。

初演には、世界中からバレエ関係者が集まり、バレエ芸術の真髄が集結された圧倒的大作へ絶賛が贈られました。待望の日本初披露となる今回は、ウィーン国立バレエ団の生え抜きダンサーはもとより、ゲストプリンシパルも交え、バレエ界一の完璧主義者マニュエル・ルグリが生んだ『海賊』を上演します。


ウィーン国立バレエ団 マニュエル・ルグリ版『海賊』日本初演

【公演日程】 2018年5月10日(木)~13日(日)

【会場】 Bunkamuraオーチャードホール

【主催】 Bunkamura

【企画協力】 ベルチェアソシエイツ

【お問合せ】 03-3477-3244(10:00~19:00)

[大阪公演] 2018年5月中旬 フェスティバルホール


※キャスト、チケット情報などの詳細は今秋以降、決定次第Bunkamuraホームページなどで発表いたします。
※2017年8月18日現在の情報です。変更になる場合がございます。

なお、マニュエル・ルグリ振付 ウィーン国立バレエ「海賊」(Blu-ray)は8月下旬に新書館から発売される予定です。
http://www.fairynet.co.jp/SHOP/4560219324381.html

【出 演】
コンラッド(海賊の首領):ロバート・ガブドゥーリン
メドーラ(ギリシャの娘):マリア・ヤコヴレワ
ギュルナーレ(メドーラの友人):リュドミラ・コノワロワ
ランケデム(バザールの主/奴隷商人):キリル・クルラーエフ
ビルバンド(コンラッドの友人):ダヴィデ・ダト
オダリスク:ナターシャ・マイヤー/ニーナ・トノリ/プリスカ・ツァイゼル
ウィーン国立バレエ
ウィーン国立歌劇場バレエ学校

振付・演出:マニュエル・ルグリ
音楽:アドルフ・アダン ほか
美術・衣裳:ルイザ・スピナテッリ
指揮:ワレリー・オフジャニコフ
演奏:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

【特典映像】
インタビュー マニュエル・ルグリ
リハーサル映像

VOGUE JAPANでルグリ・ガラのクラスレッスン&リハーサル取材記事

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ルグリ・ガラの東京公演が始まりました。

早速Aプロを観たのですが、マリアネラ・ヌニェス、オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン、ワディム・ムンタギロフといったトップスターの輝きはまぶしく、ウィーン国立バレエの若手ダンサーたちのみずみずしさも素敵だったのですが、圧巻はマニュエル・ルグリとイザベル・ゲランが共演した「フェアウェル・ワルツ」と「アルルの女」、そして今回世界初演のホレチナ振付「moment」。オペラ座で初演した「アルル」、ゲラン復帰後の夢の共演「フェアウェル~」そしてルグリの今を象徴する「moment」と、どれも感涙ものでした。美しく成熟することの意味を教えてくれた気がします。

そのルグリ・ガラのクラスレッスンと、ゲランとルグリが踊った「ランデヴー」の舞台リハーサルを取材しました。その様子が、美しい写真と共に、VOGUE JAPANに掲載されています。こちらの記事を書かせていただいています。

https://www.vogue.co.jp/celebrity/news/2017-08/22/legris-gala/

とにかく、ゲランとルグリが共演した『ランデヴー』がドラマティックでスリリングで素晴らしかったです。ゲランのファムファタル的な美しさ、ゴージャスな美脚、ルグリのどうにもならないような情熱。こちらはBプロでの上演ですが、ぜひご覧いただければと思います。

また、ウィーン国立バレエの若手は、皆本当につま先が美しく、才能にあふれたダンサーたちです。これからルグリの教えを吸収して、彼らがどのように育っていくのかが楽しみです。

なお、イザベル・ゲランへのインタビューも行いました。多くの女性にとって生き方の手本となるような素敵なお話を聞けました。こちらはまた後日掲載予定ですので、お知らせしますね。

ルグリ・ガラ〜運命のバレエダンサー〜
開催日/2017年8月22日(水)〜25日(金)
開催場所/東京文化会館 大ホール
料金/S席 18,000 A席 16,000 B席14,000円 C席 9,000円 D席 7,000円 E席 5,000円 
http://www.legris-gala.jp/

K-Ballet School Boys Ballet Summer School 2017

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8月15日 (火) - 19日 (土)まで、横浜市鶴見区民文化センター(サルビアホール)にて、Boys Ballet Summer School 2017が開催されました。

これは、K-Ballet Schoolの全面協力により、開催された男子限定のバレエ講習会です。今年で3回目とのことです。

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最初の3日間は年齢別のクラス編成で、K-Ballet Schoolの教師陣より指導を受けます。

各クラスの担当はK-Ballet Schoolの
Elementary Class
小林由明先生(小石川校主任)
Intermediate Class
奥山真之介先生(福岡校主任)
Advanced Class
伊坂文月先生(恵比寿校副主任) です。

初日に、各クラスごとに課題のヴァリエーションを与えられます。エレメンタリー(9歳から12歳=小学生)はアッサンブレ、トゥール、シャンジュマン、ピルエットの入っているアンシェヌマン、Intermediate(12歳から15歳=中学生)は『くるみ割り人形』のヴァリエーション、Advanced(15歳から18歳=高校生)は『ラ・バヤデール』のソロルのヴァリエーションです。

特に経験年数は不問とのことで、ElementaryとIntermediateは定員いっぱいの19人、Advancedは11人が受講。全国から集まっているそうです。なのでレベルは様々ですが、Advancedでは英国ロイヤル・バレエスクールなど海外に留学している人が数人や、コンクールで上位入賞しているプロの卵レベルもいましたし、Intermediateでもコンクール入賞者はいました。ボーイズクラスを設けているバレエ教室は少なく、教室で男の子は1人だけ、という人も多いようで、このような講習会で、友達ができたり情報交換ができるという貴重な機会になっているようです。昨年に続けての参加だったり、今回は友達を誘っての参加といった人もいるとのこと。

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全員が同じヴァリエーションを習い、そしてこれはコンクールではないということなので雰囲気はとても和気あいあいとしています。お互いに教え合ったりといった風景も見られたし、ひとりの子が教師に教えてもらっている間も、他の子たち熱心にその様子を見て学び取っているところも。

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私は、3日目のAdvancedクラスを少しと、4日目の公開レッスン、そして最終日の成果発表会とエキシビションを見させていただきました。なお、公開レッスン、成果発表会とエキシビションは一般公開されており、チケットを購入すれば誰でもご覧になれます。

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公開レッスンは、クラスレッスンの後、一人ずつ生徒にヴァリエーションを踊ってもらった後教師が一人一人に細かく指導するというものです。一般の観客の前での指導なのでなかなか緊張するところもあったかと思います。ElementaryとIntermediateのクラスレッスンの指導は小林由明さん、Advancedのクラスそして全レベルのヴァリエーション指導は遅沢佑介さんでした。すべてピアノの演奏付きです。

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クラスレッスンの指導も丁寧なのですが、このヴァリエーション指導がとにかく素晴らしいのです。一つ一つの振付について懇切丁寧に教えていて、どうすれば回れる、跳べる、腕、顔の付け方やエポールマンなども細かく指導しています。そしてみるみる上手になっていくところを見ることができました。遅沢さんはK-Balletの現役のプリンシパル兼バレエマスターなので、お手本も実際に踊って見せてくれます。

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今回の課題のヴァリエーションは、『くるみ割り人形』にしてもソロルにしてもかなり難易度の高いものです。特に『くるみ割り人形』はマネージュ、アッサンブレ(上手な子はドゥーブルアッサンブレにしていました)、トゥールアンレールと中学生にしては高度な技術でチャレンジングなのですが、公開レッスンでは全然できなかった子が、成果発表会ではしっかりとそれができるようになっているのを見ることができたのはすごい、と思いました。『くるみ割り人形』もソロルも、体力的にも非常にハードなヴァリエーションです。

言うまでもなく、これは観る側にとっても非常に勉強になるものです。男子の踊りは実際には踊らない私にとっても、このテクニックはこうすることで踊ることができるんだ、というのが理解できますので、バレエ教師の方や、もちろん習っている人にとっては大きな学びが得られたのではないでしょうか。実際、客席には、まだこの受講生の年齢には達していない男の子の姿もちらほらありました。

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成果発表会では、小林由明さん、溝下史朗さん、髙橋佳子さん、荒井祐子さんというK-Balletスクールの講師陣が、クラスごとに講評を述べられました。

Elementaryでは、自分がどこでそのポジションを作っているのがわかっていないといけないという言葉がありました。また、ダンサーでもある指導者からのアドバイスとして、空間の使い方をもっとシミュレーションすると、素敵なところで踊れると。レベランスで緊張が見えるので、そこでもありがとうという気持ちを込めてほしいと。

Intermediateは、大きくなっていく段階で個人差も大きいのですが、変わっていくからこそ大事な時期で、この時期にテクニックを磨いていくことになります。フォンデュやシソンヌを練習すると脚が強くなるそうです。また、技術だけでなくて、アダージオも練習して、ポジションのキープができるようになる必要があるそうです。一見意味がなさそうな練習にも意味があるので、踊りに使えるように頑張って練習してほしい、と。クラシック・バレエのヴァリエーションの場合には役柄を創造することが大事で、「くるみ割り人形」では王子らしさを出していかなければなりません。また音楽と共に踊ることが大切になります。

Advancedでは、ヴァリエーションでの役柄の表現がより大切になってきます。白鳥とソロルでは歩き方一つ取っても違います。ポジションを一つ一つ綺麗に踊らなければなりません。カブリオールを美しく打てれば脳裏に焼き付きます。どのようなヴァリエーションにして表現していくか、強弱のアクセント、音楽のひっぱり方。構成力芸術性を高めて磨いていかなければなりません。バレエは動きだけでなく美しさを磨くことが大切です。また床に対する立ち方を意識することが必要です。

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成果発表会の後は、講師へのQ&Aということで小林由明さんが答えてくれました。バレエを始める年齢が遅くて心配、コンクールに出る意義や海外留学の必要性について、男の子の少ない教室にいるけどボーイズクラスに通ったほうが良いか、筋力をつけすぎると背が伸びないのでは?といった質問です。

コンクールについては、出れば舞台度胸はつくし、テクニックを勉強する場ではあるけど、これがすべてではないとのことです。コンクールに限らず、発表会など人に観てもらう機会があるのは良いことで、張り合いもあるし、身近な人に観てもらったりするのは大切なこととのことです。
バレエの基礎には男も女もないので、女性の教師でも男子は教えられます。ただ、男性特有のテクニックを学ぶには男性の教師に習ったほうが良いそうです。
海外留学については、人によって違うとのことです。今は海外情報がインターネットで手に入れられる時代です。国内のコンクールでも、海外の教師がやってきて見てもらえるので、必ずしも留学は必須という神話にとらわれる必要はないと。自分の目的によって道筋は違うので、選択をするのは自分の責任であり、自分が考えて選ぶことが必要とのことです。

最後には、エキシビションとしてK-Ballet Companyの現役ダンサーによるパフォーマンスがありました。西口直弥さん、奥田祥智さん、佐野朋太郎さん、三浦響基さん、そして篠宮佑一さんが、それぞれ衣装を着けてクラシックのヴァリエーションを踊りました。ソリストの篠宮さん以外はアーティスト、という若手ダンサーですが、さすがにプロの踊りは違います。踊った後のダンサーに対して、講習会の参加者からの質問もあり、こちらも大変面白かったです。学校でからかわれたらどうする、怪我の後の回復にはどうするかといった質問です。

短期間に驚くほどの成長を見ることができたこちらの講習会。単なる見る側としても非常に面白かったですし、参加したボーイズにとっては、一流講師に丁寧な指導を受けるという学びの面でも、同じような仲間と出会えたことでも、素晴らしい経験になったのではないかと思います。いつかこちらの参加者の皆さんが、プロとして舞台に立っている姿を観たいと思います。Advancedクラスの子の何人かは、近いうちに観られそうですが。この講習会が、これからも続いて行って、バレエ男子の人口が増えればいいなと思います。

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なお、このエキシビションに出演した篠宮佑一さんも参加するBallet Gentsの公演が、このサルビアホールで行われます。サルビアホールは京浜東北線の鶴見駅からすぐで場所も便利、小さ目ですが見やすく綺麗なホールです。

Ballet Gents
Ballet Performance in YOKOHAMA

-クラシックバレエの貴公子たちに魅了される-
http://www.salvia-hall.jp/event/?id=1490235103-243202

【昼の部】
開場12:30 開演13:00

【夜の部】
開場18:00 開演18:30


<入場料> 
全席指定
一般:¥7,400
サルビア券:¥6,900 (横浜市鶴見区民、18歳以下、65歳以上、障がい者)

<主催・お問い合わせ>
鶴見区民文化センター サルビアホール
045-511-5711

世界的バレエダンサー熊川哲也が芸術監督を務める Kバレエ カンパニーが輩出した「Ballet Gents」がいよいよ関東初となるホール公演を開催。座長を務めるプリンシパル・宮尾俊太郎を筆頭に、実力派若手ダンサーたちがジャンルを超えた圧倒的ダンスパフォーマンスを展開する。

<出演者>
Ballet Gents
 宮尾俊太郎 杉野慧 栗山廉 益子倭 篠宮佑一

Urbane Saxophone Quartet(サルビア・アーティストバンク)
 千葉一喜(S.Sax) 小林浩子(A.Sax) 
 中村優香(T.Sax) 中村賢太郎(B.Sax)

<チケット取扱>
■チケットぴあ
 TEL:0570-02-9999
 Pコード:457-826

■サルビアホールの窓口でご購入(受付時間9:00~21:00)
 ※お支払いは現金のみ

■お電話でのご予約(受付時間9:00~22:00)
TEL:045-511-5711
ご予約後、1週間以内にいずれかの方法でお支払いをお願いいたします。
  ・当館窓口にてお支払い(現金のみ)
  ・指定の銀行口座へお振り込み(チケットはご郵送)

・未就学児のご入場はご遠慮ください

NHK-BS プレミアムシアターで9月シュツットガルト・バレエ「ロミオとジュリエット」、10月「ルグリ・ガラ」放映

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NHK-BSプレミアム プレミアムシアターの10月23日までの放映予定が更新されています。


http://www4.nhk.or.jp/premium/

9月18日には、シュツットガルト・バレエ「ロミオとジュリエット」、と、渡辺レイさん、小尻健太さん、湯浅永麻さんのユニットOptoに参加しているヴァツラフ・クネシュ他による「CLOSED」

10月16日には、マニュエル・ルグリとイザベル・ゲランらによる感動的な舞台も記憶に新しい「ルグリ・ガラ」が放映されます。

9月18日(月)【9月17日(日)深夜】午前0時20分~

◇シュツットガルト・バレエ「ロメオとジュリエット」

<演 目>
バレエ「ロメオとジュリエット」(全3幕)
<原 作>ウィリアム・シェークスピア
<振 付>ジョン・クランコ
<音 楽>セルゲイ・プロコフィエフ

<出 演>
ジュリエット:エリサ・バデネス
ロメオ:デーヴィッド・ムーア
ジュリエットの乳母:マリシア・ハイデ
キャピュレット公:リード・アンダーソン
パリス公:ロマン・ノヴィツキー
シュツットガルト・バレエ団

<管弦楽>シュツットガルト国立歌劇場管弦楽団
<指 揮>ジェームズ・タグル

収録:2017年4月29・30日、5月2日 シュツットガルト国立歌劇場(ドイツ)

番組の出演予定者には名前がありませんが、収録日の公演でのティボルト役は、ジェイソン・レイリーが演じていました。クランコ作品はめったに放映されることがありませんので、貴重な機会です。マリシア・ハイデが乳母役で出演していることにも注目。


◇バレエ「CLOSED」(2016年制作)
<音 楽>無伴奏チェロ・ソナタ ロ短調 作品8 コダーイ 作曲

<振付・出演>
ナターシャ・ノボトナ
ヴァツラフ・クネシュ
ジェラルド・ヴァン・ダイク
ヨー・ストルムグレン

<チェロ独奏>トルルス・モルク

プラハのダンスカンパニー420PEOPLE(ヴァツラフ・クネシュが芸術監督)と、メルボルンのダンスカンパニーKAGEの共同制作によるもので、公演ではなくダンスフィルムです。チェロ演奏のトルルス・モルクは、著名なチェリストで、ただ演奏するだけでなく、作品の登場人物として出演しているとのことです。

10月16日(月)【10月15日(日)深夜】午前0時00分~


◇ルグリ・ガラ ~運命のバレエダンサー~

<演 目>
「ジゼル」から パ・ド・ドゥ
音楽:アドルフ・アダン
振付:ジュール・ペロー、ジャン・コラリ
「ランデヴー」
音楽:ジョセフ・コスマ
振付:ローラン・プティ
「フェアウェル・ワルツ」
音楽:フレデリック・ショパン/ウラジーミル・マルティノフ
振付:パトリック・ド・バナ
「白鳥の湖」から 黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付:ルドルフ・ヌレエフ(1964年ウィーン版)
「ドン・キホーテ」から パ・ド・ドゥ
音楽:レオン・ミンクス
「Moment」(世界初演)
音楽:バッハ/ブゾーニ
振付:ナタリア・ホレツナ ほか

<出 演>
マニュエル・ルグリ(ウィーン国立バレエ団芸術監督・元パリ・オペラ座バレエ団/エトワール)
イザベル・ゲラン(元パリ・オペラ座バレエ団/エトワール)
マリアネラ・ヌニェス(英国ロイヤル・バレエ団/プリンシパル)
オルガ・スミルノワ(ボリショイ・バレエ団/プリンシパル)
ニーナ・ポラコワ(ウィーン国立バレエ団/プリンシパル) ほか

収録:2017年8月23・24日 東京文化会館 大ホール


あの素晴らしい感動の舞台を再び、テレビの画面とはいえ観ることができるのは本当に幸せなことです。

勅使川原三郎「月に吠える」

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フランスの芸術文化勲章オフィシエを受章した勅使川原三郎「月に吠える」、3日目に行って来ました。

勅使川原さん、毎回なぜこんなアイディアが思いつくのかと驚かされるのが楽しみだが、今回も裏切られなかった。萩原朔太郎の詩に現れた様々な、不気味なのに美しいモチーフがダンサーたちによって体現され、勅使川原さんが病んだ心を持つ朔太郎その人なのか。

鮮やかな色彩の衣装、シンプルながら効果的な装置。奥行きのある東京芸術劇場の舞台機構を生かし、定評あるドラマティックな空間演出、舞台照明も鮮烈。光のチューブがうねうねと曲げられていて、強烈な印象を残す。

「月に吠える」の一節「天上縊死」を思わせる吊り下げられて横移動するダンサーたち。3人が虫けらのように横たわって地を這っているオープニングでの姿、そんな一瞬一瞬すべて、どこを切り取っても美しい。3人のダンサーの絡み合うカオス的な踊りも、言葉を失うほどの造形美。

勅使川原さん独特のボキャブラリーを見事に咀嚼しかつ個性もあるゲストダンサー、マリア・キアラ・メツァトリとパスカル・マーティと姿も美しい二人、作品そのものを動かし進ませる力のある鰐川枝里さん、気高く孤独な月を思わせる圧倒的な佐東さん、「青白いふしあはせの犬」を思わせる勅使川原さんの踊りも切れ味鋭い中でもしなやかで力みがなく、ダークな世界観の中でもふと心を癒す力がある。

朔太郎自身が「詩は文字では書ききれない」と言っていたが、ダンスも具体的な物語を描いていなくとも、今の時代においても新しく、人の心を捉えて離さない「月に吠える」の歪んでいて醜悪ながらもとてつもなく美しい世界を体ていた。4日間の公演期間の間にも確実に作品は進化しているんだろう、この先の進化も見届けたいと感じた。

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©︎Akihito Abe

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「月に吠える」

振付・照明・衣装・選曲・出演:勅使川原三郎

出演:佐東利穂子 鰐川枝里 マリア・キアラ・メツァトリ 
   パスカル・マーティ(イエテボリ・オペラ・ダンス・カンパニー)

【公演日時】2017年
8月27日(日)16:00

【劇場】
東京芸術劇場 プレイハウス

料金 *全席指定席
当日券は15時00分から劇場入口で販売
当日券はS席5,500円、A席3,500円のみ

http://www.st-karas.com/camp2017/

9/8開催 田北志のぶ「BALLET TRADITION」リハーサルレポート

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9月8日(金)に、大井町のきゅりあんホールにて「The 4th BALLET TRADITION」が開催されます。

http://www.shinobutakita.com/ballettradition/bt4.html

〜継承と育成〜というテーマで2015年9月からスタートした、田北志のぶさんのプロデュースによる公演シリーズです。

長年キエフ・バレエでリーディング・ソリストを務め、ウクライナの国家功労芸術家にも叙せられてきた田北さんですが、昨年日本に帰国。ロシア・バレエの「継承」と共に、活動継続への祈りを込めた公演で、今年3月の公演では、イーゴリ・コールプをゲストに『シェヘラザード』等を上演しました。

今年2回目となる今回の公演では、ニキータ・スホルーコフ(キエフ・バレエ プリンシパル)、菅野 英男(新国立劇場バレエ団プリンシパル)、待山 貴俊(ベラルーシ国立ボリショイ劇場プリンシパル)の3人のゲストダンサーを迎えます。

【日時】2017年9月8日(金)18:30開演
【会場】 きゅりあん(品川区立総合区民会館)大ホール
【演目】
《眠れる森の美女》第2幕より「幻影の場面」
《薔薇の死》 (ローラン・プティ振付)
《パキータ》グラン・パ
《ジゼル》より第2幕

こちらのリハーサルを見学させていただきました。
ゲストも揃ってのリハーサルは初めてとのことで、『薔薇の死』を除いた3演目の通しリハーサルです。キエフ・バレエのバレエミストレスである、田北さんの師アラ・ラーゴダも芸術監督として振付指導に立ち会い、田北さんと共に身振りを交えて熱心に指導していました。

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『眠れる森の美女』2幕「幻影の場面」より。オーロラは澤田夏さん、リラの精は谷桃子バレエ団の山本知佳さん。

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『パキータ』では、リュシアンに菅野英男さん(この日は不在)。パ・ド・トロワは、待山貴俊さん、大城美汐さん、清水若菜さん。先日テレビ出演もしていた、モスクワ国際バレエコンクールなど数々の受賞経験がある待山さんは、目を瞠るようなダイナミックな跳躍で魅せます。そして大城美汐さんは、先日のモスクワ国際バレエコンクールで、ディプロマを受賞するという栄誉に輝いたばかり。(毎日新聞の紹介記事)端正でエポールマンが美しい踊り手で、これからの活躍が楽しみです。

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田北さんは、自らも出演するのですが、熱心に、こまかく指導や注意をしていきます。様々な所属先のダンサーが集まっており、全員が集まってのリハーサルはそれほど回数はできないようでしたが、『ジゼル』のウィリも『パキータ』もコール・ド・バレエがよく揃っていましたし、最後の追い込みでさらに精度は上がることでしょう。

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『ジゼル』2幕のリハーサルでは、この日来日したばかりのニキータ・スホルーコフも参加。とにかく田北さんのジゼルが美しく、そして演技も気持ちが入っているもので、リハーサルであることを忘れて引き込まれました。長くてほっそりとした腕でのポール・ド・ブラが美しく繊細で指先まで行き届いており、長身であるにもかかわらず軽やか。スホールコフはサポートが上手く、パ・ド・ドゥの浮遊感も特筆ものでした。確認しながらのところもありましたが、この日が初めてのリハーサルとはとても思えません。また待山貴俊さんが熱くヒラリオンを演じているのも贅沢なキャスティングです。

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スホールコフは、2013年のモスクワ国際バレエコンクールで銅賞を受賞している実力派。キエフ・クラシック・バレエの公演で来日したことがあり、また今年年末~年明けのキエフ・バレエ来日公演でも主演します。美しいダンサーです。


モスクワ国際バレエコンクールでのスホールコフの『ジゼル』

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クラシック・バレエの精髄である3演目をコール・ド・バレエつきで、そしてマイヤ・プリセツカヤのために振付けられ、近年はウリヤーナ・ロパートキナが踊っていたプティ振付の濃密でドラマティックな『薔薇の死』が観られる、とても贅沢な公演です。前途有望な若いダンサーたちの成長する姿も観られて、バレエの美しさをたっぷり味わえることでしょう。特に『ジゼル』では、圧倒的に美しい田北さんの心を打つジゼルが観られる、貴重な機会です。バレエの伝統が手渡されていく様子を観ることができます。

【日時】2017年9月8日(金)18:30開演
【会場】 きゅりあん(品川区立総合区民会館)大ホール

【チケット】好評発売中(全席指定)
 ・S席:7,500円
 ・A席:6,500円
 ・親子席:8,500円

チケット申し込みページ
http://www.shinobutakita.com/ballettradition/bt4ticket.html

World Ballet Day Liveに新国立劇場バレエ団が参加

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2014年に始まったWorld Ballet Day(ワールド・バレエ・デー)、今年は10月5日(木)に開催されます。

http://worldballetday.com/

オーストラリア・バレエ、ボリショイ・バレエ、英国ロイヤル・バレエ、ナショナル・バレエ・オブ・カナダ、サンフランシスコ・バレエの5つのバレエ団がリレー形式で合計20時間、クラスレッスンやリハーサル、インタビューなどをネットで生中継するイベントです。

上記5カンパニーが軸となるというのは変わりないのですが、各バレエ団のセクションにおいて、それぞれ縁のあるバレエ団も少しずつ参加するという形式となり、年々参加バレエ団も増えています。

そして、今年は新国立劇場バレエ団が、オーストラリア・バレエの中継に参加するようです。

新国立劇場バレエ団専属ピアニスト、蛭崎あゆみさんのブログでお知らせがありました。
http://ayumihirusaki.com/2017/09/03/changement-de-pied%E3%81%A8world-ballet-day/

オーストラリア・バレエのお友達カンパニーとしての参加なので、長時間ではないと思いますが、新国立劇場バレエ団を世界のバレエファンに知ってもらえる貴重な機会であり、素晴らしいことです。

オーストラリアと日本では時差は少ないのですが、平日昼間の登場となるため、仕事中の方はもしかしたら生では見づらいのかもしれませんが。

いずれにしても、今年のWorld Ballet Day、楽しみが増えましたね。10月5日は、ナショナル・バレエ・オブ・カナダはノイマイヤーの『ニジンスキー』でパリ公演中なので、パリからの中継になる可能性もあります。

また近くなったら、参加カンパニーなど詳しい内容が発表されると思いますので、続報を待ちましょう。


ボリショイ・バレエ関連のニュースいろいろ/ 千野円句さんのボリショイ・デビュー

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ボリショイ・バレエは9月15日から新しいシーズンが始まりますが、まずはダンサー一覧が更新されています。

http://www.bolshoi.ru/en/persons/ballet/all/

プリンシパルのところから、マリア・アラーシュの名前が消えていて、Working Under Contract(契約ダンサー)のところに移っています。(少し前に、ニーナ・カプツォーワとマリーヤ・アレクサンドロワもこの契約ダンサーに移行しています) ただし、アラーシュもカプツォーワも、新しいシーズンにおいて主要な役にはキャスティングはされています。

現在女性プリンシパルは8人ですが、うち4人はワガノワ・アカデミーの出身となりました。

また、男性プリンシパルからは、デヴィッド・ホールバーグの名前が消えています。
大けがから見事に復帰したホールバーグですが、2年以上ボリショイの舞台には立っていませんでした。ABTのほか、オーストラリア・バレエでもゲスト・プリンシパルとなり、つい先日は「シンフォニー・インC」に出演しました。

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さて、いくつかのキャスティングが発表されています。

9月16日の『白鳥の湖』昼公演は、アリョーナ・コヴァリョーワがオデット/オディールを初めて踊ります。王子は、ミラノ・スカラ座から移籍したジャコポ・ティッシ。そして悪の天才(ロットバルト)役には、ブラジル出身のデヴィッド・モッタ=ソアレスとフレッシュなトリオとなります。パ・ド・トロワにはクセニア・ジガンシナ。
http://www.bolshoi.ru/en/performances/36/roles/#20170916120000

9月19日の『ドン・キホーテ』では、ワガノワ・アカデミーを卒業して入団したばかりのエレオノラ・セヴェナルドが3幕の第一ヴァリエーションを踊ります。
http://www.bolshoi.ru/en/performances/912/roles/#20170920190000

また、9月30日の『エチュード』では、やはりボリショイに入団したばかりの千野円句さん(モスクワ国際コンクール、ジュニア部門1位)が主演デビューを飾ります。共演はエフゲーニャ・オブラスツォーワとヴャチェスラフ・ロパーチン。注目のほどがうかがえますね。
http://www.bolshoi.ru/en/performances/1023/roles/#20170930120000

ダニール・シムキンが2018-19シーズンにベルリン国立バレエに移籍

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日本でも大変人気のあるダニール・シムキン(現ABTプリンシパル)が、2018―19シーズン(2018年9月)にベルリン国立バレエに移籍すると報道されています。

Daniil Simkin Joins Staatsballett Berlin
https://www.nytimes.com/2017/09/08/arts/dance/daniil-simkin-joins-staatsballett-berlin.html?_r=0

ベルリン国立バレエは、2018年の6月に現芸術監督のナチョ・ドゥアトが退任し、振付家のサシャ・ヴァルツと、スウェーデン王立バレエの芸術監督だったヨハネス・オーマンが芸術監督に就任する予定です。(オーマンは2018年に、ヴァルツは2019年に就任)

現在ニューヨークのグッケンハイム美術館で自らがプロデュースする “Falls the Shadow” 公演を行っている最中のシムキンは、ニューヨークタイムズのインタビューに答えて、「自分はそもそもはクラシック・バレエのダンサーです。ベルリン国立バレエでは、アレクセイ・ラトマンスキーが振付ける新しい『ラ・バヤデール』が2018―19シーズンに初演される予定であり、楽しみにしています」

その一方で、北米では上演される頻度が少ないマッツ・エック、クリスタル・パイト、オハッド・ナハリン、ウィリアム・フォーサイスの作品を踊ることができるのを期待しているとも語っています。

なお、ABTでも引き続き、ゲスト・プリンシパルとしてシムキンは踊る予定とのことです。

ベルリン国立バレエのプレスリリース
http://www.staatsballett-berlin.de/en/presse/mitteilungen/08-09-2017/85

サシャ・ヴァルツとヨハネス・オーマンは、シムキンが入団するのを楽しみにしているとコメントしています。「わたしたちにとってシムキンは世界の男性クラシックダンサーの中で5本の指に入る一人です。素晴らしい芸術性と高度の技術を持っています。ベルリン国立バレエの常任メンバーとして彼を迎えることを嬉しく思います」

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ダニール・シムキンはもともとはロシア人ではあるものの、ヴィスバーデン州立バレエのダンサーであった父親ドミトリーのもとでドイツで育ち、ドイツ国籍を所有していてABTに入団する前にはウィーン国立バレエのダンサーでした。したがってベルリンへの移籍は、故国に戻るようなものだと思われます。また、ベルリン国立バレエのヤーナ・サレンコとは多くのガラで共演してきました。北米のカンパニーではなかなか先進的な振付家と仕事をすることが難しく、また芸術環境としても、観客の成熟度においても、ヨーロッパの方が恵まれているのは言うまでもありません。ガラ公演などに出演することが多いシムキンにとっても、ヨーロッパを拠点とする方が、移動もしやすいしたくさんゲスト出演できるという利点があります。

ベルリン国立バレエは、マラーホフ退任後、いろいろとゴタゴタしていて退団するダンサーも多かったのですが、新しいカンパニーに生まれ変わる途上であるとともに、古典のレパートリーも保持し続けるということで、刺激的な時期に来ていると思われます。この移籍は英断だと思われます。シムキン、いつの間にか29歳になっていたんですね。

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9/1 NBAバレエ団「HIBARI」/The River

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2015年6月に初演して大好評を博した、NBAバレエ団の「HIBARI」が再演となった。日本では、バレエの新作の再演というのはなかなか難しいようで行われることがあまりないのだけに、快挙と言える。今年はひばりさんの生誕80周年という年でもある。

http://nbaballet.org/performance/2017/hibari/

初演の時にも観ており、その時の感想をかなり詳しく書いているので、こちらも併せて読んでいただければ。
http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2015/06/nbahibari-f758.html

大筋においては前回と演出は変わっていないのだけど、今回ナビゲーターは和央ようかさんに代わり、ミュージカルで活躍する綿引さやかさん。持ち前の清潔感と共に、歌唱力、華やかな存在感ともあって、しっかりと作品の世界の中に導いてくれる役割を果たしてくれた。

そして何より、NBAバレエ団によるパフォーマンスがパワーアップ。出演者の多くは前回も出演しているメンバーだけど、よりひばりさんの歌への理解が深まったような感じで、歌詞だけでなく、ひばりさんの人生における様々な想いを体現していた。技術的にも向上していて、このバレエ団が上り調子であることがうかがえる。出演パートがとても多くて、バレエ団の主力ダンサーほとんどが出演する作品であり、バレエ団の魅力も存分に味わえたし良いショーケースとなっている。

NBAバレエ団を惜しまれながら退団した岡田亜弓さんが「リンゴ追分」と「おまえに惚れた」で特別出演。桜色の着物ドレスに身を包んだ群舞を従えてキラキラした光を放つ若かりし日のひばりさんに扮した。躍動感あふれる「お祭りマンボ」では、前回も大活躍した高橋真之さんに加えて、スターダンサーズバレエ団から移籍した安西健塁さんが軽やかな跳躍、鮮やかな回転テクニックを披露。そして次々と愛する家族を失い孤独に打ちひしがれるひばりさんの苦悩を表現した「悲しい酒」の関口祐美さん。黒い布を効果的に使った独創的な振付の中で、身を引き裂かれるばかりの悲しみと孤独を、現代的に表現した。振付を行ったリン=タイラー・コーベットの舞踊語彙の豊富さ、まるでブロードウェイミュージカルのような華やかさとエンターテインメント性は、バレエファン以外にも受け入れられるものだ。

こうやって改めて観て/聴いてみると、ひばりさんの歌というのはダンサブルでモダンな感覚があること、そしてその歌声の多彩さと歌のうまさを実感する。「リンゴ追分」の東京ドームヴァージョンの現代的なアレンジは、病に倒れた後の彼女の復活のステージだけど、とても迫力があった。別れなど孤独を味わい、病に倒れて52歳という若さで亡くなった彼女だけど、この作品の幕切れはそれでもファンを愛し、愛されて幸せだったひばりさんの人生への賛歌として明るく終わっているところがいい。

リン=タイラー・コーベットは、「ガチョーク賛歌」の振付指導で来日した時に偶然ひばりさんについてのドキュメンタリー番組を観て、彼女に魅せられたという。それまであまりひばりさんを知らなかくて、ファンや関係者に遠慮しないで自由に創ったのが功を奏している。今回、海外から日本を訪れた外国人の方たちと観たのだけど、日本語のナレーションも理解できなければひばりさんのことももちろん知らなかったものの、大体の流れは理解していたし、彼女がエディット・ピアフのようなカリスマ性の高く悲劇にも見舞われた人生だったことも良く伝わってきて楽しんだとのこと。ナレーションを英語にして、海外で上演しても受け入れられる作品だと思う。

今回の再演は、初演を観て作品を気に入ったひばりファンの方々が、もう一度観たい、できればDVDも発売してほしいという願いに応えたものだそう。実際、ひばりさんのファンと見受けられる方も多数客席におり、アップテンポの曲では手拍子を送るなどして、とても作品を楽しんでいたようでこちらも嬉しくなってしまうし、そのうちの何人かはバレエの魅力を知って別のバレエ作品を観に来てくれることだろう。「HIBARI」はレパートリーとして大切に踊り継いでほしい作品だ。


同時上演は、アルヴィン・エイリー振付の「The River」日本のバレエ団による初演とのこと。デューク・エリントンが曲を書き下ろし、アメリカン・バレエ・シアターのために振付けられた作品。

人生を川になぞらえ、命が生まれてから生まれ変わるまでを描いた作品。生命が生まれる泉(spring)、ロマンティックな湖(Lake)、パワフルな滝(Falls)、激しい回転のある渦(Vortex)、喜びを表現した急流(Giggling Rapids)、といったパートで構成されている。ABTに振付けられているため、エイリーの作品にしてはクラシック・テクニックをふんだんに盛り込んでいるけど、音楽はエリントンのジャズだし、モダンダンスの感覚も取り入れられている。峰岸千晶さん、三船元維さんによる美しい”湖”、高度な技術を使った竹田仁美さん、新井悠汰さんによる”急流”も印象的だったけど、回転が多くて風を切るようなスピード感あふれるソロVortexを踊った勅使河原綾乃さんの踊りが、シャープで自信にあふれてセンセーショナルだった。このVortexは映画「愛と喝采の日々」の中で、主演したレスリー・ブラウンが踊っている。

なかなかアルヴィン・エイリーの作品は日本では上演されないし、アルヴィン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアターも長いこと来日公演を行っていないので、貴重な上演だった。こちらもぜひカンパニーのレパートリーとして定着させてほしい。


ロイヤル・バレエの「不思議の国のアリス」9/12にリハーサルネット中継

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ロイヤル・バレエのクリストファー・ウィールドン振付「不思議の国のアリス」は、9月27日より再演されますが、それに先立ち9月12日現地時間19時(日本時間、9月13日午前3時より)リハーサルのネット中継が行われます。

日本での中継時間は深夜で見づらいのですが、今までのところ、こちらのアーカイブも後日視聴できるようにしてくれていますので、今回も観られると思います。

http://www.roh.org.uk/news/watch-live-rehearsals-for-the-royal-ballets-alices-adventures-in-wonderland-on-12-september-2017

この中継の司会を行うのは、プリンシパルのアレクサンダー・キャンベルです。

クリストファー・ウィールドン振付「不思議の国のアリス」は、ロイヤル・バレエで初演されて以来、ナショナル・バレエ・オブ・カナダ、ミュンヘン・バレエ等で上演され、9月12日よりオーストラリア・バレエでも上演されます。そして2018年秋には、新国立劇場バレエ団でも初演される予定となっています。

【速報】2018/2019シーズン開幕バレエ公演決定のお知らせ
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/26_010527.html

オーストラリア・バレエの「アリス」、アリス役のファーストキャストは、近藤亜香さんです。また、ロイヤル・バレエからローレン・カスバートソンがゲスト出演しています。
https://australianballet.com.au/the-ballets/alices-adventures-in-wonderland

10月23日
には、この作品の映画館中継も行われ、その模様は後日日本でも「ロイヤル・オペラハウス・シネマシーズン」で映画館上映されます。(主演はカスバートソン、ボネッリの予定)

ブロードウェイミュージカル「ファインディングネバーランド」

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ピーターパン誕生の実話に基づき、ジョニー・デップ主演で映画化した「ネバーランド」のミュージカル化「ファインディングネバーランド」のブロードウェイのプロダクションが現在、シアターオーブで来日公演を行っています。

http://findingneverland.jp/

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1904年。新作が書けなくて苦しむ劇作家バリが、公園で出会った4人の子どもたちとその母シルヴィアに出会う。父親を亡くして悲しみに心を閉ざした子どもたちの心の扉を開き、彼らと交流を深めるうちに、バリは次第に子どもの心を取り戻して触発され、彼はピーターパンの物語を書くことになる。

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(c)Jeremy Daniel

「ピーターパン」という作品の着想がどのように得られて、舞台として誕生していくかのプロセス、そして紆余曲折を経て初日を迎えるまでを目撃することができるこの作品は、劇場賛歌、演劇賛歌であり、特に舞台人にとってはぐっとくる描写、舞台への愛にあふれている。舞台の魔法がここにあるんだ、と改めて、劇場で舞台を観に行く理由を再認識することになる。

バリが書き上げた「ピーターパン」のあまりの奇抜さに驚くキャストやスタッフは、やけくそを起こしてパブに繰り出して大騒ぎをする。そこで子供の心に還って自由奔放に「PLAY」と遊びまわり歌が現れる時、「演劇」って「PLAY」なんだなと実感した。演劇って本来、楽しいことだし、出演者も楽しまなくては!

「ピーターパン」の初日が明けた後、シルヴィアの病気のために観に行けなかった子供たちのために、出演者たちは初日の後、シルヴィアの家で舞台を再現する。切ないんだけど最高にあたたかくて素敵だった。本当に演劇って、魔法なんだと実感させられる。ピーターパンとウェンディが空を飛ぶところは、共演者が扮する黒子にリフトさせることで表現。アナログなところがまたリアリティがあっていい。

そしてシルヴィア役のクリスティン・ドワイヤの豊かで美しい歌声が心を打つ。キラキラした光の渦に、歌うシルヴィアが包まれる場面は本当はとても悲しいシーンなのに、あまりの美しさで深く感動をしてしまう。シルヴィアはとても強い女性だ。

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(c)Jeremy Daniel

バリに触発されて、子供たちのひとり、父の死に一番傷つき心を閉ざしているピーターが自らも物語を書き始めるというエピソードは「フィクションの力」と希望を感じさせる。大人になりたくない「ピーターパン」の名前は、彼からとったものだった。スプーンに反射した光を見てティンカーベルという妖精を誕生させたというエピソードが素敵。その存在を疑われると妖精は弱って消えてしまうという設定は、ファンタジーの持つ力を象徴させている。バリを叱咤激励するフック船長や、ピーター・パンの世界のワクワクさせられるビジュアル化表現も秀逸。

子どもたちの無限の可能性と夢みる気持ち、何事にもとらわれない想像力でなんだってできるってこと、でも一方で人生では、一生懸命願っても叶えられないこともあるということも、様々なイマジネーションを駆使した演出や効果で描いてくれてる。想像力に翼が生えてどんどん広がっていく様子を舞台の魔力を使って魅せてくれる。

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(c)Jeremy Daniel

愛らしく芸達者な子役や犬なども登場するけれども、人生の苦さと悲しみもこの作品は描いている。妻とすれ違うバリと、4人の子どもを抱えた未亡人であるシルヴィアとの関係が噂になる。シルヴィアと母との確執、父を亡くした子どもたちの心の傷、そしてシルヴィアの病。

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(c)Jeremy Daniel

一方で、スランプに陥ったバリを温かく見守り信じて支えるプロデューサーのフローマン(彼を演じるジョン・デイビッドソンがフック船長としても登場するというキャスティングがいい)や、舞台の出演者たち、ステージマネージャーのエリオットなど、脇キャラクターもそれぞれ魅力的。

音楽は、テイク・ザットのメンバーであるゲイリー・バーロウで、楽曲も美しく親しみやすくて素晴らしいし、ブロードウェイでのオリジナルキャストによる出演者たちの歌も、それぞれ役を体現していて魅力的で聴きごたえがある。振付のミア・マイケルズは、テレビ番組「アメリカン・ダンス・アイドル」やセリーヌ・ディオン、プリンス、マドンナの舞台などで知られる。エグゼクティブ・プロデューサーは、「ネバーランド」始め数々のヒット映画を世に送り出したハーヴェイ・ワインスタイン。

トニー賞受賞式でのパフォーマンス (今回のキャストとは異なる)

シルヴィアの部屋での「ピーターパン」パフォーマンスのシーンから涙が止まらなくなり、「だから生の舞台は素晴らしいし、足を運ばなければ」と実感。大きな感動を味わった。終演後は観客が総立ちとなったのは言うまでもない。リピーターチケットを買い求めるお客さんの長い列もあった。

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(カーテンコールは撮影可)

J.Mバリ : ビリー・タイ
シルヴィア : クリスティン・ドワイヤー
チャールズ・フローマン/ジェームズ・フック船長 : ジョン・デイビッドソン
デュ・モーリエ夫人 : カレン・マーフィー

【演出】ダイアン・パウルス
【作曲・作詞】ゲイリー・バーロウ、エリオット・ケネディ
【脚本】ジェームズ・グラハム
【振付】ミア・マイケルズ


ブロードウェイミュージカル「ファインディング・ネバーランド」は9月24日(日)まで東急シアターオブにて上演。チケット発売中。強くお勧めします。

なお、石丸幹二主演にて、2019年日本版「ファインディング・ネバーランド」上演が決定しています。

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