公演自体は日曜日に行われていたのに、うっかりお知らせをするのを忘れていました。
(バレエ忘備録のurikoさんありがとうございます)
6月14日に、マリンスキー劇場でKnights of Danceという公演が行われ、これがネット中継されています。18日の夜に別の中継があるので、それまでの時間、視聴できます。
ダニーラ・コルスンツェエフ、イーゴリ・コールプ、エフゲニー・イワンチェンコとマリインスキー・バレエの誇る3大おやじベテラン・プリンシパルをフィーチャーした、ユニークな公演です。
公演サイト
http://www.mariinsky.ru/en/playbill/playbill/2015/6/14/1_1930/
I. «Lady and the Hooligan"「お嬢さんとならず者」
Music of Dmitri Shostakovich
Choreography Konstantin Boyarsky
Libretto by Alexander Belinsky based on the play by Vladimir Mayakovsky
Young Lady - Victoria Tereshkina
Hooligan - Daniel Korsuntsev
Leader - Alexey Kuzmin
ショスタコーヴィチのバレエ曲に、コンスタンチン・ボイリャスキーが振付けたもの。1920年代が舞台で、ソビエト風味のミュージカル風の作品。引退してしまったイリヤ・クズネツォフの当たり役だったわけですが、真面目そうなコルスンツェフが不良を演じているというレアなものを見ることができます。お嬢さんに恋したならず者の切ない恋が描かれています。ダニーラファンとしては、いつもと違った彼の一面が観られて嬉しい限りです。
II. "Divertimento King"
Music of Jean-Philippe Rameau
Choreography Maxim Petrov
Costume - Tatiana Noginova
Lighting - Constantine Binkin
Playwright - Bogdan Korolёk
Performed by Igor Kolb
若手振付家マキシム・ペトロフによる新作で、ラモーのバロック曲を使用。衣装も宮廷舞踊風なんだけど、バロックでこんなに風にぐにゃぐにゃ踊るところは、さすがコールプ。かなり風変わりな作品ですが、男性群舞がふんだんにあって楽しかったです。
III. "Scheherazade"「シェヘラザード」
Music by Nikolai Rimsky-Korsakov
Scenario by Léon Bakst and Michel Fokine after Arabian fairytales
Choreography by Michel Fokine
Reconstruction by Isabelle Fokine and Andris Liepa
Set and costume design by Anna Gentle and Gentle Anatolia based on sketches by Léon Bakst
Starring:
Shahryar - Vladimir Ponomarev
Sobeide - Olga Belik
Rab Zobeide - Yevgeny Ivanchenko
Odalisque: Victoria Brilyov , Julia Kobzar , Zlata Yalinich
これはおなじみのフォーキン作品。イワンチェンコも黄金の奴隷のイメージからは程遠いわけですが、いやいやどうして、大人の魅力があってとてもセクシーです。オダリスクにヴィクトリア・ブリリョーワの名前がありますが、これはurikoさんも描かれている通り、彼女は出ていないようです。アスィルムラートワの愛娘アナスタシア・ザクリンスカヤが出演しています。ゾベイダは役デビューのオリガ・ベリク。美しい人ですね。
ラストは、タキシードで決めた3人がタンゴを踊ってくれますが、それぞれ本当にカッコいいこと!年輪を重ねた渋い魅力がたまりません。さっきまで奴隷役を妖艶に演じていたイワンチェンコが、いきなりオールバックでおやじ全開なのが、また魅力的です。これ、生で観られた方が羨ましいです。「Tango for Three」という作品だそうですね。
「シェヘラザード」はともかくとして、他の2作品はなかなか観る機会のない作品。こういう風にネット中継してくれるのはありがたいのですが、どうせなら映像ソフト化もしてほしいですよね。特に11月~12月のマリインスキー・バレエ来日公演には、コールプもイワンチェンコも来日しませんし。