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YAGP2016ファイナル速報 ジュニア男子1位に増田慈さん/追記あり

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YAGP(ユースアメリカグランプリ)2016ファイナルのライブストリーミングから。

ジュニア部門
男子1位 増田慈 K.classic ballet studio
女子2位 柴田英里 金田・こうのバレエアカデミー
女子3位 山田ことみ ヤマダチエサニーバレエスクール

トップ12 増田 慈さん、柴田英里さん、山田 ことみさん、 田中玲奈さん

シニア部門
男子3位 清田元海 稲尾光子バレエスクール

トップ12 清田元海さん、岩井優花さん

またアンサンブル部門も、2位(LuCiA Ballet Dance Studio)、3位(金田・こうのバレエアカデミー)は日本の団体が入りました。


朝日新聞の記事
増田慈さん、男子で1位 若手バレエダンサーのGP
http://www.asahi.com/articles/ASJ4Z25SXJ4ZUHBI005.html


 増田さんは京都市中京区の中学2年生。母の小谷佳世さん(47)が主宰するケイ・クラシックバレエスタジオで6歳からバレエを始め、昨年も同グランプリのプリコンペティティブの男子部門(9~11歳)で1位になっている。

 佳世さんによると、今年はニューヨークへ出発する前に左足のアキレス腱(けん)を痛め、直前まで練習ができない状態だったという。「出なくてもいいと言ったが、本人は『悔いのないようにしたいから』と言い、止められる状況ではなかった。決選の直前は歩くのもつらそうだったが、最後の踊りが一番よかった。精神的にも強く、本当によく頑張ったと思います」と話した。

 増田さんは9月からモナコへ留学する予定。

若手バレエダンサー増田慈さん2年連続1位
http://www.nikkansports.com/general/news/1639746.html

日本の中学生が1位 NY若手バレエダンサーの登竜門

Taylor Brandt PhotographyのFacebookとインスタグラムに、たくさんの写真が掲載されています。
https://www.facebook.com/TaylorBrandtPhotography/
https://www.instagram.com/taylorbrandtphotography/

YAGPにファイナリストの田中黎水那さんと参加した左右木健一さんのブログも、コンクールの様子が伝わってきてたいへん興味深いです。
http://ameblo.jp/sokiballet/


<追記>

公式サイトに結果が出ています。
http://yagp.org/?page_id=6341

日本語での結果発表
http://yagp.org/japan/index.html

シニア部門

グランプリ
Joonhyuk Jun
The Royal Ballet School (UNITED KINGDOM/ REPUBLIC OF KOREA)

◎女子

1位
Yu Hang
Shanghai Dance School (P. R. OF CHINA)
2位
Thays Golz
Raca Centro de Artes (BRAZIL)
3位
Makensie Henson
Prudence Bowen Atelier (AUSTRALIA)

◎男子

1位
Narcisco Alejandro Medina Arias
Escuela Nacional de Ballet Fernando Alonso (CUBA)
2位
Stanislaw Wegrzyn
Ballett-Akademie Hochschule fur Musik und Theater (GERMANY/ POLAND)
3位
Motomi Kiyota 清田元海
稲尾光子バレエスクール (JAPAN)

ジュニア部門

ユースグランプリ
Antonio Casalinho
Annarella Academia de Ballet e Dança (PORTUGAL)

◎女子

1位
Ashley Lew
Southland Ballet Academy, CA (USA)
2位
Eri Shibata 柴田英里 
金田・こうのバレエアカデミー (JAPAN)
3位(同率)
Brigid Walker
Master Ballet Academy, AZ (USA)
Kotomi Yamada 山田ことみ 
ヤマダチエサニーバレエスクール (JAPAN)

◎男子

1位
Itsuku Masuda 増田慈 
K.classic ballet studio (JAPAN)
2位(同率)
David Perez
En Pro del Talento Veracruzano (MEXICO)
Samuel Gest
Indiana Ballet Conservatory, IN (USA)
3位(同率)
Sheung-Yin Chan
Jean M. Wong School of Ballet (HONG KONG, CHINA)
Yago Guerra
Bale Jovem de Sao Vicente (BRAZIL)

◎アンサンブル 
2位 LuCiA Ballet Dance Studio  3位 金田こうのバレエアカデミー 
TOP 12 れい美花ダンススタジオ

◎プリコンペティティブ
女性 TOP 12 薬師地 麻央  TOP 12 川本 真寧


また今回は、出場者に作品を提供した傑出した振付家には、セルゲイ・フィーリンにより、ボリショイ・アカデミーでの振付の機会が与えられるということで、3人の振付家が選ばれました。
OUTSTANDING CHOREOGRAPHER AWARD PRESENTED BY SERGIE FILINという賞です。
Garrett Smith, Travis Wall, Guilherme Maciel の3人の振付家が受賞しています。

フジテレビのニュース
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00323413.html


4/4 マリインスキー・バレエ「ジゼル」(マリインスキー国際フェスティバル)

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マリインスキー国際フェスティバル2演目目は、「ジゼル」。

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マリインスキー劇場で「ジゼル」を観るのは1年ぶりのこと。昨年ディアナ・ヴィシニョーワのマリインスキー・バレエ20周年記念公演が「ジゼル」で、ヴィシニョーワは、無駄なものをすべてそぎ落とした、美しく純粋なパフォーマンスを見せてくれたのだった。何より、マリインスキー・バレエの長い歴史が詰まったクラシックな劇場でバレエを観られたのが嬉しかった。特に、「ジゼル」は、1884年にプティパが振付けた版をそのまま踊っているので、歴史の重みが違う。

(もちろん「ジゼル」の初演は1841年にパリ・オペラ座で行われているのだが、1868年以降長年オペラ座のレパートリーからは失われており、バレエ・リュスを経てようやくリファールがオペラ座にて蘇らせた)

さて、今年のマリインスキー国際フェスティバルのジゼル。当初予定されていたアリーナ・ソーモワが怪我のために降板。また、ミルタ役もエカテリーナ・コンダウーロワが予定されていたのがエカテリーナ・イワニコワに、ハンス(ヒラリオン)役もイーゴリ・コールプからイスロム・バイムラードフにそれぞれ変更。

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マリインスキー国際フェスティバルは、こんな感じでキャスト変更が多々あるようで、「眠れる森の美女」ではウラジーミル・シクリャーロフが降板してフィリップ・スチョーピンに変更となり、またガラ公演で予定されていたアマンディーヌ・アルビッソンとエルヴェ・モロー、ダニエル・カマルゴも降板した。日替わりで公演が行われており、ゲストダンサーやゲストカンパニーもあるので、リハーサルなどのスケジュールが厳しく、ダンサーにとっては大変だったようだ。ゲネプロなども十分にできない場合もあったとのこと。


http://www.mariinsky.ru/en/playbill/playbill/2016/4/4/1_1930/

Conductor: Boris Gruzin
Giselle: Yekaterina Osmolkina ジゼル:エカテリーナ・オスモルキナ
Count Albrecht: Evan McKie (National Ballet of Canada) アルブレヒト:エヴァン・マッキー
Hans: Islom Baimuradov ハンス:イスロム・バイムラードフ
Bathilde : Yulia Kobzar バチルド:ユリア・コブザール 
Sword-bearer : Alexei Nedviga ウィルフリード:アレクセイ・ネドヴィガ
The Duke : Vladimir Ponomarev 公爵:ウラジーミル・ポノマレフ
Myrtha: Yekaterina Ivannikova ミルタ:エカテリーナ・イワニコワ
Classical duet: Renata Shakirova and Philipp Stepin ペザント・パ・ド・ドゥ:レナータ・シャキロワ、フィリップ・スチョーピン
The Wilis : Monna : Xenia Ostreikovskaya ドゥ・ウィリ モイナ:クセニア・オストレイコフスカヤ
Zulma: Diana Smirnova             ズルマ:ディアナ・スミルノワ

World premiere: 28 June 1841, Théâtre de l´Académie Royal de Musique, Paris
Premiere in St Petersburg: 18 December 1842, Bolshoi Theatre
Premiere Marius Petipa´s version: 5 February 1884, Bolshoi Theatre, St Petersburg

エカテリーナ・オスモルキナは、ほとんどの古典作品の主役をマリインスキーで踊ってきたのに未だプリンシパルではないのが不思議な実力派バレリーナ。派手さはないものの、ザ・マリインスキーと言うべき、とても雄弁で繊細な上半身の持ち主で、技術もアカデミックで盤石、そのうえキャラクター的にもジゼル役はぴったりだった。オスモルキナは、どちらかといえば古風なダンサーで、決して派手なことはしないし、今風の手脚長くて細くて、というタイプでもない。でもジゼルの持つ繊細さ、素朴な愛らしさを踊りを通じて表現しているし、しっかりとパートナーの目を見て演技をしていて、説得力がある。ジゼル役を演じているではなくて、自然にジゼルそのものになっていて、踊りが大好きな、普通に恋する女の子だった。狂乱のシーンでの、静かに哀しみを深めていく演技は悲痛で、大げさなところは微塵もないのに、心を激しく揺さぶるものだった。

2幕では、とても軽やかで透明感があるけれども、同時に人間の感情やぬくもりも残していて、アルブレヒトへと寄せる愛の深さが伝わってくる。現世と死後の世界の間に漂う、人ではなくなってしまったけれども想いはこの世に残したままなのが見えた。ここでも、彼女は決して脚を高く上げすぎたり技巧に走りすぎることなく、ロマンティック・バレエらしく控えめに、しかしリリカルに情感豊かに演じていた。オスモルキナは、正統派ペテルブルグ派スタイル。抑制が効いていながらも実に雄弁なポール・ド・ブラとバロンで、理想的なジゼルそのものだった。

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エヴァン・マッキーのアルブレヒトも、オスモルキナに良くマッチしていたと言える。1幕で登場した時は赤いマントを翻して貴公子的だったものの、マントを預けた後はシャツを腕まくりしていて庶民の振りをしていた。だが、しぐさの一つ一つに貴族の気品を漂わせていた。洗練されているプレーボーイなのだけど、同時にとても優しくジゼルに接するものだから、ついついジゼルは恋してしまう。特に身体の弱い彼女を気遣う心遣いがずっと感じられていて。彼自身も、遊びとわきまえながらも、ジゼルとの恋に本気になっている瞬間もあった。1幕でジゼルとアルブレヒトが一緒に踊るシーンは、気持ちが通い合っていて多幸感がいっぱい。ハンス(ヒラリオン)に正体を明かされ、バチルドが現れたときには、何のことか理解できないようだった。そしてジゼルが正気を失った時に、本当に彼女を愛していることに気が付く。

マッキーの2幕は、マリインスキーの紫色の衣装が良く似合っていた。エフゲニー・イワンチェンコの衣装を借りたという。今回は、セルゲイ・ヴィハレフとタチアナ・テレホワに指導を仰いで、マリインスキーらしいエレガンスを学んだとのこと。もちろんワガノワ育ちではないので、多少踊りのスタイルの違いはあるものの、ボリショイの名教師ピョートル・ペストフに学んできたので基本的にはロシアンスタイルの踊りだ。長身をマントに包み百合の花を抱えた姿は絵になる。つま先もよく伸びて美しいし、オスモルキナとの息も合っていて、サポートも余裕があった。ただ、彼はアルブレヒトの気品や想いを見せることを主眼にしているので、その分派手さはない。ヴァリエーションであまり大きく後ろカンブレをしない、カブリオールもダブルにはしない。アラベスクは高くて美しく、ポジションも精確で動作の流れも滑らかで優雅なのだが、今の多くの男性ダンサーが技を見せつけるようなことは何もしないので、地味に感じられてしまう。特に終盤、ミルタに踊らされてしまうところは、以前観たときにはアントルシャ・シスで32回跳ぶというのをしていたのだが、今回はブリゼだった。ブリゼの足先もバットゥリーもとてもきれいだったのだが、今の主流はアントルシャ・シス。本人曰く、今は誰もがアントルシャ・シスをやるので敢えてブリゼにした、と言うのだが、このようなフェスティバルでのゲスト出演では、観客が技術的にも難しいことを求めているのだから、素直にアントルシャ・シスにすれば良かったと思う。

ただ、二人ともこのように派手なことは何もしなくて、正統派の美しさと、心が通じ合う様子が手に取るようにわかる、練り上げられたドラマ性を見せていたので、とても美しく心に残るパフォーマンスになったと思う。バレエというものは技術を競い合うものではなく、踊りを通じて演じられるドラマであり物語であり表現であるということを改めて見せてくれた。

ハンス役は、キャラクター役に定評のあるイスロム・バイムラードフ。粗暴だけど純情で熱い心を持つハンスを熱演し、ジゼルへの報われない想いを全身で表現していて素晴らしかった。どこかチャーミングでユーモラスですらある、憎めない存在で、ドラマに良いアクセントを加えた。ペザント・パ・ド・ドゥは、「ビッグ・バレエ」に出場した、まだ新人のレナータ・シャキロワと、最近ファースト・ソリストに昇格したフィリップ・スチョーピン。スチョーピンは正確な技術、高い跳躍とエレガンスがあり、着地もきれいで柔らかく、最後のフィニッシュが少しだけ乱れた以外は完璧。この後の「眠れる森の美女」でもシクリャーロフの代役を務め、身長が少し低めなことを除けばすべてが揃っている良いダンサー。シャキロワも生き生きとしていてテクニックには優れているけれども、マリインスキーのバレリーナにしては少しプロポーションに恵まれないところがあるかもしれない。前の日の「青銅の騎士」にピョートル一世役で出演していた、名キャラクテールのウラジーミル・ポノマレフがこの日は公爵役で出演していて、重厚さをドラマに与えていた。

ミルタのアナスタシア・イワニコワは、バドブレは美しいのだけど、ややカリスマ性には欠けていて、ウィリの女王らしい支配力が薄かったのが残念。ミルタが秘めているべき哀しみもあまり感じさせず、ただ怖いだけだった。ドゥ・ウィリの二人、クセニア・オストレイコフスカヤとディアナ・スミルノワは流石にレベルが高く、特にオストレイコフスカヤはベテランならではの詩情を感じさせる、気持ちの息届いた踊り。ウィリたちはとてもきれいに揃っていた。

歴史と風格を誇るマリインスキー劇場にふさわしい、古典的で控えめながらも美しい、心に残るパフォーマンスだった。ロシアがバレエの聖地であることを改めてかみしめた。

イスロム・バイムラードフとウィリたち
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エカテリーナ・オスモルキナとエヴァン・マッキー
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カナダの新聞Globe and Mailの記事
http://www.theglobeandmail.com/arts/theatre-and-performance/torontos-evan-mckie-completes-holy-trinity-of-global-ballet-stardom/article29657172/

第44回ローザンヌ国際バレエコンクール 5/7テレビ放映

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恒例のローザンヌ国際バレエコンクールのテレビ放映が5月7日(土)にEテレにてあります。

http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2016-05-07&ch=31&eid=29390

[Eテレ]
2016年5月7日(土) 午後3:00~午後5:00(120分)

若いダンサーの登竜門として知られるローザンヌ国際バレエコンクール。今年の2月6日にスイス・ボーリュ劇場で行われた決選の模様をお届けします。

【解説】バレリーナ…小山久美

<クラシック・ヴァリエーション>

「“ラ・バヤデール”から 第3ソリストのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ 振付…(15歳 韓国)キム・ダンビ エスポワール賞

「“眠りの森の美女”第3幕 オーロラのバリエーション」
チャイコフスキー:作曲
プティパ 振付…(17歳 韓国)アン・セヒョン

「“ドン・キホーテ”パ・ド・ドゥから バジルのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ 振付…(18歳 韓国)金世友

「“ドン・キホーテ”第3幕 パ・ド・ドゥから キトリのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ 振付…(18歳 イタリア)シルヴィア・シメオネ

「“ラ・バヤデール”から 第2ソリストのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ 振付…(15歳 オーストラリア)ライリー・ラプハム

「“コッペリア”第3幕 フランツのバリエーション」
ドリーブ:作曲
サン・レオン 振付…(16歳 オーストラリア)ブレイデン・ガルーチ

「“パキータ”第1幕 パ・ド・トロワから 第1バリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ 振付…(16歳 中国)付一楊

「“眠りの森の美女”第3幕 オーロラのバリエーション」
チャイコフスキー:作曲
プティパ 振付…(19歳 日本)岡野祐女

「ラ・フィーユ・マル・ガルデ から」
エロルド:作曲
アレキサンダー・ゴルスキー 振付…(16歳 南アフリカ)リロイ・モクハートレ 4位、観客賞

「“ラ・バヤデール”から 第3ソリストのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ 振付…(16歳 中国)于航 1位

「“パキータ”第1幕 パ・ド・トロワから 第1バリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ 振付…(15歳 日本)吉江絵璃奈

「“海賊”オダリスクのパ・ド・トロワから 第2バリエーション」
アダン:作曲
マジリエ 振付…(15歳 オーストラリア)マッケンジー・ヘンソン 2位

「“アルレキナーダ”から 男性バリエーション」
ドリーゴ:作曲
プティパ 振付…(16歳 中国)白鼎愷 7位

「“眠りの森の美女”第2幕 オーロラのバリエーション」
チャイコフスキー:作曲
プティパ 振付…(18歳 スイス)ローラ・フェルナンデス 5位、コンテンポラリー賞

「“ラ・バヤデール”から 第1ソリストのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ 振付…(15歳 ブラジル)カロリン・デ・フレイタス・ガルヴァン

「ラ・フィーユ・マル・ガルデ から」
エロルド:作曲
アレキサンダー・ゴルスキー 振付…(16歳 日本)中村淳之介 6位

「“眠りの森の美女”第3幕 オーロラのバリエーション」
チャイコフスキー:作曲
プティパ 振付…(17歳 アメリカ)マディソン・ヤング

「“眠りの森の美女”第3幕 デジレ王子のバリエーション」
チャイコフスキー:作曲
プティパ 振付…(17歳 ブラジル)ジョアン・ペドロ・デ・マットス・メネグッシ

「“ラ・バヤデール”から 第3ソリストのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ 振付…(15歳 日本)木村楓音

「“ドン・キホーテ”パ・ド・ドゥから バジルのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ 振付…(18歳 イタリア)ヴィンチェンツォ・ディ・プリモ 3位、コンテンポラリー賞

<コンテンポラリー・ヴァリエーション>

「バウ」
コレルリ:作曲
ゴヨ・モンテロ 振付…(15歳 韓国)キム・ダンビ

「“ロッシーニ・カーズ”から ソロ」
ロッシーニ:作曲
マウロ・ビゴンゼッティ 振付…(17歳 韓国)アン・セヒョン

「グリンディング・ザ・ティース」
オーウェン・ベルトン:作曲
ゴヨ・モンテロ 振付…(18歳 韓国)金世友

「春の祭典」
ストラヴィンスキー:作曲
リチャード・ウェアロック 振付…(18歳 イタリア)シルヴィア・シメオネ

「バウ」
コレルリ:作曲
ゴヨ・モンテロ 振付…(15歳 オーストラリア)ライリー・ラプハム

「フリア・コルポリス」
ベートーベン:作曲
マウロ・ビゴンゼッティ 振付…(16歳 オーストラリア)ブレイデン・ガルーチ

「“ロッシーニ・カーズ”から ソロ」
ロッシーニ:作曲
マウロ・ビゴンゼッティ 振付…(16歳 中国)付一楊

「バウ」
コレルリ:作曲
ゴヨ・モンテロ 振付…(19歳 日本)岡野祐女

「ディエゴのためのソロ」
セオドラキス:作曲
リチャード・ウェアロック 振付…(16歳 南アフリカ)リロイ・モクハートレ

「バウ」
コレルリ:作曲
ゴヨ・モンテロ 振付…(16歳 中国)于航

「春の祭典」
ストラヴィンスキー:作曲
リチャード・ウェアロック 振付…(15歳 日本)吉江絵璃奈

「バウ」
コレルリ:作曲
ゴヨ・モンテロ 振付…(15歳 オーストラリア)マッケンジー・ヘンソン

「ディエゴのためのソロ」
セオドラキス:作曲
リチャード・ウェアロック 振付…(16歳 中国)白鼎愷

「“ロッシーニ・カーズ”から ソロ」
ロッシーニ:作曲
マウロ・ビゴンゼッティ 振付…(18歳 スイス)ローラ・フェルナンデス

「バウ」
コレルリ:作曲
ゴヨ・モンテロ 振付…(15歳 ブラジル)カロリン・デ・フレイタス・ガルヴァン

「ディエゴのためのソロ」
セオドラキス:作曲
リチャード・ウェアロック 振付…(16歳 日本)中村淳之介

「バウ」
コレルリ:作曲
ゴヨ・モンテロ 振付…(17歳 アメリカ)マディソン・ヤング

「ディエゴのためのソロ」
セオドラキス:作曲
リチャード・ウェアロック 振付…(17歳 ブラジル)ジョアン・ペドロ・デ・マットス・メネグッシ

「バウ」
コレルリ:作曲
ゴヨ・モンテロ 振付…(15歳 日本)木村楓音

「グリンディング・ザ・ティース」
オーウェン・ベルトン:作曲
ゴヨ・モンテロ 振付…(18歳 イタリア)ヴィンチェンツォ・ディ・プリモ

<ご参考:コンクールの結果>

http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2016/02/44-3317.html

1位:Hang YU, 16歳, 中国
2位:Madison YOUNG, 17歳, アメリカ
3位:Vincenzo DI PRIMO, 18歳, イタリア
4位:Leroy MOKGATLE, 16歳, 南アフリカ
5位:Laura FERNANDEZ, 18歳, スイス
6位:Junnosuke NAKAMURA 中村淳之介, 16歳, 日本
7位:Dingkai BAI, 16歳, 中国

コンテンポラリー賞:
Laura FERNANDEZ, 18歳, スイス
Vincenzo DI PRIMO, 18歳, イタリア

ベストスイス賞:
Laura FERNANDEZ, 18歳, スイス

観客賞:
Leroy MOKGATLE, 16歳, 南アフリカ

エスポワール賞:
Danbi KIM, 15歳, 韓国

ルーマニア国立バレエ(ブカレスト国立歌劇場)での混乱

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既に多くのメディアで報じられているので、ブカレスト国立歌劇場バレエ団(ルーマニア国立バレエ)で大きな問題が起きていることは皆さんご存知かと思います。

Guardianの記事
Romanian opera row intensifies as culture minister resigns
http://www.theguardian.com/world/2016/apr/27/romanian-opera-row-artistic-director-johann-kobborg-steps-down

事の発端は、4月4日に、ブカレスト国立歌劇場の総裁代行George Calinが退任し、指揮者であるTiberiu Soareが総裁に就任したことです。就任の翌日、ルーマニア国立バレエのウェブサイトの芸術監督のところからヨハン・コボーの名前が取り除かれ、コール・ド・バレエの場所に名前がありました。これは、コボーが自身のFacebookで明らかにしました。
Soareが言うには、コボーはそもそも芸術監督という地位には書類上はなっていない、その事実を反映させた、ということです。(彼の契約は、プリンシパル・ダンサーとしてのものだったそうです)

結果的に、30人ほどのダンサーたちがこの仕打ちに抗議し、アリーナ・コジョカルが主演する予定だった4月9日の「マノン」の公演はキャンセルされました。

そして4月12日にコボーは辞表を提出。新しいマネジメントの下で、ダンサーたちは脅迫され、マネジメントが行ったことが、嘘を用いてアーティストたちのせいにされたから、という理由からです。.

その後、報道によれば、このオペラハウスの従業員(アーティスト、スタッフ)が、反対にコボーに対して抗議集会を行うようになったとのことです。コボーが芸術監督として着任した時に、それまでのルーマニア語ではなく英語が公用語化されたこと(これは事実ではないそうです)、そして金銭的な問題に対してに抗議しているとのことでした。

歌劇場のディレクターの一人が地元メディアに語ったことによれば、コボーは月給7,300ユーロという大きな金額の給料をもらっているのに対し、ルーマニア人のダンサーは1000~2000レイ(300~500ユーロ相当)しか支払われていないうえ、コボーは外国人ダンサーだけを採用し、ルーマニア人を蔑ろにした、とのことです。諸外国のバレエ団の芸術監督としては、コボーの給料は高すぎるものではありませんが、ルーマニアの所得水準が低いため、そのように受け止められていたと言えます。(そして外国人ダンサーの方が、元から在籍していた、よりダンサーとしての地位の高い団員より給料が高いとのことです)

その2日後に、ルーマニアの首相Dacian Ciolosがコボーとコジョカルに面会し、「素晴らしいアーティストは、どの国の出身であっても尊敬されるべきであり、世界に開かれているルーマニアにとって、外国人嫌悪はあってはならないこと」と自身のFacebookに書きました。

4月20日に、文化大臣のVlad Alexandrescuが、関係者の間で話がつき、コボーは芸術監督として復帰すると発表しました。George Calinが再び総裁代行として復帰し、その間に国際的な経験のある総裁を探すということで話はついたはずでした。ところが、引き続き、劇場の関係者の多くは反対デモを続け、オペラの方の副芸術監督でもあるSoareが、これは正式な同意ではないとプレスリリースで発表し、再びCalinが更迭される羽目となりました。

まず4月20日のオペラ「ファルスタッフ」の公演がキャンセルされました。23日の「真夏の夜の夢」「DSCH」のバレエ公演は開催されることになっていましたが、オーケストラが演奏をボイコットしたため、やはり公演が結果的にキャンセルされてしまいました。結果的に3公演がキャンセルされることになりました。

さらに、4月25日には、コボー、コジョカルを含む9人の関係者(総裁代行だったCalinも含む)が、歌劇場への立ち入りを禁止されてしまうという事態になってしまいました。

そしてついに4月27日には、Vlad Alexandrescuが文化大臣を辞任するという事態にまで発展したのです。

(以上、上記Guardianおよび下記ルーマニアメディア(英語)の記事に基づく)

Romanian employees’ strike cancels shows at the Bucharest National Opera
http://www.romania-insider.com/romanian-employees-strike-cancels-shows-at-the-bucharest-national-opera/169281/

Famous ballet dancers Alina Cojocaru and Johan Kobborg banned from the Bucharest National Opera
http://www.romania-insider.com/alina-cojocaru-johan-kobborg-banned-bucharest-national-opera/169395/

ヨハン・コボーがルーマニア国立バレエの芸術監督に就任したことで、レパートリーは英国バレエを中心に変化して多様化し、そして観客動員数も飛躍的に伸びました。海外からの有名ダンサーのゲストを招くようになり、コボーの貢献によりカンパニーのレベルも向上して高い評価を得るようになりました。昨年は、Dance Europe誌で「カンパニー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるなど、彼のディレクターシップは大成功を収めたように思われていました。また、アリーナ・コジョカルは、ポワントをたくさんカンパニーのために寄付したり、チャリティ公演を開いたりして、母国のために尽くしてきました。

コボーが退任するとなれば、カンパニーの上演の質が保証されない、と多くの作品の権利者が上演許可を取り消そうとする動きまで出ています。

ところで、今回の件については、ヨハン・コボーが多くの出来事を自身のFacebookを中心に発表し、アリーナ・コジョカルがTwitterで追従するという形でソーシャルメディアで多くの動きが出ています。少々問題かと思われるのは、西側の報道や第三者たちによってナショナリズム、外国人嫌悪、ルーマニアという旧共産圏の国の閉鎖性という文脈で語られすぎているところがあり、これらに反応したり便乗した、第三者(一部ジャーナリスト、および英国人を中心としたファン)がSNSやバレエフォーラム上でヒートアップし、名指しでルーマニア人ダンサーなどを厳しく批判していることです。

内部のことは、結局内部の人にしかわからないわけですし、メディアに出ている英語の情報(ルーマニア語でも多くの報道が出ていますが、言葉の壁もあり、その内容は外国にはなかなか伝わりません。自動翻訳では正確な意味を捉えることは難しいと考えられます)と、コボーのSNS上の発言だけでは判断できないのではないかと思われます。劇場側の言い分もほとんど伝わってきていません。実際には劇場の750人の従業員の大半は、Soareを支持しているとのことです。しかし結果的に、劇場だけでなく、ルーマニアという国自体も、今回の件で大変イメージが悪化してしまったところがあります。

私自身も、こうやって記事を書いていますが、これがどこまで真実なのかわからないところがあり、今までこの件について書くことをためらっていました。

ここで、ブカレスト国立歌劇場バレエ団の日本人ダンサーの二人が、心境をブログで述べられています。ブログの内容にあるように、団員という立場もあり、公に言えないことも多いと思われるのですが、西側で報道されていることだけが真実ではないということです。勇気を出して、愛する劇場のために現状を書ける範囲で書いてくださった二人の勇気は素晴らしいと思います。

外国人嫌悪といったことは、少なくともバレエカンパニー内ではなかったようです。バレエ団の100人の従業員のうち、現在30人ほどが外国人です。コボーが芸術監督となってからは、外国人は大幅に増えましたが、以前から外国人ダンサーは在籍していました。

ダンサーにとっては、舞台に立って踊ることが仕事であり、それが、今回の混乱で公演が中止されたり、落ち着いて踊ることができないのは大変つらいことだと思われます。さらに、愛着を持っていたカンパニーが、このような形で内部崩壊に近い形になってしまうことや親しい同僚たちが非難されることも、大変悲しいことでしょう。

英国ロイヤル・バレエから移籍した、ダヴィッド・チェンツェミエックはブカレスト国立歌劇場バレエ団を退団し、5月より、母国ポーランドのポーランド国立バレエ団に移籍することを発表しています。

吉田周平さんのブログ
http://ameblo.jp/shuheivagyok/entry-12153356478.html

日高世菜さんのブログ
http://ameblo.jp/senachika/entry-12149890707.html

早く事態が解決して落ち着き、ダンサーたちも踊ることに集中できる日が来ることを祈ります。

Tiberiu Soareのインタビュー(英語字幕付き) ここでは、長年にわたり現在に至るまで、前総裁Razvan Dinca(汚職で昨年逮捕されています)によるものををはじめとした劇場内での金銭的な問題が続いていたことなどを語っています。オペラハウスの音響なども、間違った工事によって悪化したと。また、コボーが、劇場の予算の範囲を超えたお金の使い方をしていたと。それらを正すのが自分の役割だったと。

ここでSoareは、読者からの疑問に答えるとして、質問に対して回答をしています。
http://slippedisc.com/2016/05/bucharest-crisis-soare-speaks-out/

勅使川原三郎連続公演「シナモン」「静か」

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シアターXにて、勅使川原三郎連続公演「シナモン」「静か」が4月28日より5月5日まで開催されています。(「シナモン」は終了し、「静か」はあと1公演。

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http://www.st-karas.com/camp0713-2/

「シナモン」

言葉の破片による動体彫刻
ブルーノ・シュルツ作の第一短編集「肉桂色の店」から抜粋

出演:勅使川原三郎、佐東利穂子、鰐川枝里

勅使川原さんは、「青い目の男」「ある晴れた日に」など、ブルーノ・シュルツの著作を基にした作品を8作品も発表しているのだが、シュルツの著作は残念ながら読んでいない。「シュルツ全小説 (平凡社ライブラリー)」、「ブルーノ・シュルツ全集」ともども、絶版になっていて古本の値段も高くなっている。でも、この作品は、佐東利穂子さんが「肉桂色の店」のテキストを朗読しているのが流れるので、読んでいなくても大丈夫。

夢のように美しい舞台だった。テキストを朗読する声が響き、その中の夢幻の世界を体現する照明、そして音楽。狐、すこし呆けたような老人(父)、そして馬にまでなりきる勅使川原さん、激しく動いている時でさえ優雅で気品溢れる、貴婦人のような佐東さん、アクセントを加えるように、エッジーでスピーディな鰐川さんが短い間だけ舞台に登場する。別世界に連れて行かれる陶酔の1時間。

今回はセピアや茶色系統の照明が圧倒的に美しくて、タルコフスキーの映画を思わせるような終末感までも漂わせていた。様々なイマジネーション、風、光、空気、温度、記憶が喚起される。背景に映りこむ、勅使川原さんと佐東さんのシルエットの配置も計算しつくされていた。ショルツのテキストの持つイメージとシンクロして、それはそれは夢幻の時だった。

勅使川原さんは本当に多作なのに、毎回毎回新機軸を打ちだし、汲めど汲めど尽きないイマジネーションの豊かさと舞踊語彙の豊富さには舌を巻くしかない。テキストの寂寥感を体現する照明と舞踊の圧倒的な美。いつまでも観ていたかった。

「静か」
無音が構成する時間とダンス
60分の無音が新たな時間を創出させ、その場にダンスが現れる

出演 佐東利穂子 勅使川原三郎

勅使川原三郎「静か」。アパラタスでの上演も観ていたけれど、アパラタスの閉じていて漆黒の空間とは違った味わい。完全な無音の中繰り広げられるダンスは、今までダンスに持っていた概念を覆すような、有機的で動きそのものが音楽になっているような。時空を歪曲させるようなじわじわ来る力を持っている。

シアターXの茶色い壁を生かした照明。時に細長く区切られた壁の前で繰り広げられるダンスは、古代ギリシャの壁画を思わせるここともあり、また襖のように見えて和の空間に見えることも。勅使川原さんの動きは、ニジンスキーの『牧神の午後』を思わせることもあれば、佐東さんを操る魔術師のようにも見えた。

勅使川原さんの舞台は、ダンスに力みがなくてふわっとしているのに、同時にものすごく濃密で、音がないこともあって、自分たち観客ともども、異空間にワープしたような気持ちになる。時間の概念も忘れてしまうような。大地に足をつけた勅使川原さんと、柳のようにしなやかで、空気をはらんだように、力が入っていないようにも感じられる佐東さんの対比も鮮やかで、この二人にはしっかり距離があるのに絶妙の間があって不思議に共鳴し、ハーモニー、つまりは音楽を奏でているのも面白かった。

音がないので、いったいどうやって動きのきっかけを作っているのだろか、どうやってお互いの距離を測っているのだろうか。「アップデイトダンス」では日々振付が変化する部分があったので今回も、即興的なところもあったと思うのだが、そのあたりのスリリングさも、勅使川原さんの作品、佐東さんのダンスの醍醐味の一つだ。

公演はあと一回、
5月5日(祝)16:00
劇場 東京・両国シアターX

問合せ KARAS
電話 03-3682-7441 メール info@st-karas.com

5月終わりより、またKARAS APPARATUSでのアップデイトダンスシリーズの公演もあります。

アップデイトダンスNo.34「春と修羅」
5月26日(木)~6月3日(金) (5月30日(月)のみ休演)


No.35「トリスタンとイゾルデ」
6月8日(水)~16日(木) (6月12日(日)のみ休演)

No.36「白痴」
6月21日(火)~29日(水) (6月25日(土)のみ休演)

月~金は20:00開演、土、日は16:00開演

【料金】
予約2500円
当日3000円
学生1500円

【予約】
メール updatedance@st-karas.com
件名を「アップデイトNo.34」とし、本文にご希望の日付、一般または学生、枚数、住所、氏名、日中連絡のつく電話番号をご記入ください。メール予約受付は各回とも前日の24時まで受け付けています。

【場所】
カラス・アパラタス/B2ホール

問合せ  カラス・アパラタス:03-6276-9136

ウィリアム・フォーサイスが、ボストン・バレエとパートナーシップを締結

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ボストン・バレエが、振付家ウィリアム・フォーサイスと5年間のパートナーシップを結んだことを発表しました。

BOSTON BALLET ANNOUNCES LONG-TERM PARTNERSHIP WITH ESTEEMED CHOREOGRAPHER WILLIAM FORSYTHE
http://www.bostonballet.org/Press_Releases/BOSTON_BALLET_ANNOUNCES_LONG-TERM_PARTNERSHIP_WITH_ESTEEMED_CHOREOGRAPHER_WILLIAM_FORSYTHE.html

http://www.nytimes.com/2016/05/05/arts/dance/boston-ballet-partners-with-william-forsythe.html

5年間にわたり毎年、ボストン・バレエは、すでに上演しているフォーサイス作品の再演に加え、レパートリーにフォーサイスの新しい作品を加えることになります。芸術監督のミコ・ニッシネンとフォーサイスは共にボストン・バレエのために作品を選び、フォーサイスとアシスタント、振付指導者はカンパニーと直接仕事をします。結果として、米国においてボストン・バレエは最も多くのフォーサイス作品を上演するカンパニーとなります。

2016-7年にはこのパートナーシップの端緒として、フォーサイスの「アーティファクト組曲」を2017年2月23日~3月5日まで上演します。この全幕作品を北米で上演するカンパニーは、ボストン・バレエが初めてです。2017年2月には、゛Focus on Forsythe"というプログラムにフォーサイスが参加し、カンパニーが上演します。

ボストン・バレエがフォーサイス作品を上演したのは、1989年の「Love Songs」が最初です。2002年以降、4作品、「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」「The Vile Parody of Address」「セカンド・ディテール」「精密の不安定なスリル」が上演されてきました。ここに最低5作品が加わることになります。

ニューヨークタイムズの記事によれば、ミコ・ニッシネン芸術監督は、この発表は、フォーサイスがパリ・オペラ座のアソシエイト振付家の座を7月に辞任することとは無関係であると語りました。この件については、2年くらい前から準備を進めてきていたとのことです。フォーサイスはまた、南カリフォルニア大学 Glorya Kaufman School of Danceの教授でもあります。

フォーサイスのスタイルにダンサーを慣らすため、すでにフォーサイスのカンパニーの元ダンサーで現在はハーバード大学のダンスプログラムのディレクターであるジル・ジョンソンとのワークショップを開始したとのことです。

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ボストン・バレエは最近もう一つ大きな発表をしています。ロイヤル・バレエで5月28日に初演される、ウェイン・マクレガー振付作品「Obsidian Tear」は、ボストン・バレエとロイヤル・バレエとの最初の共同制作作品となります。ボストン・バレエでは、2017–2018シーズンに上演するとのこと。
http://www.bostonballet.org/Press_Releases/BOSTON_BALLET_AND_THE_ROYAL_BALLET_ANNOUNCE_FIRST_CO-PRODUCTION_WITH_WAYNE_MCGREGOR%E2%80%99S_OBSIDIAN_TEAR.html

この作品は、音楽がエサ=ペッカ・サロネンによるもので(サロネン作曲のヴァイオリンソロ「Lachen verlernt」と交響詩「Nyx」を使用)、ロイヤル・バレエでの最初の3公演は、サロネン自身が指揮をするということで大きな話題を呼んでいます。10人の出演者は全員男性とのこと。

なお、「Obsidian Tear」は、ロイヤル・バレエでのリハーサルの模様がロイヤル・オペラハウスのYouTubeチャンネルで現地時間5月11日(水)19時より生中継されます。
http://www.roh.org.uk/news/watch-obsidian-tear-in-rehearsal-live-streamed

ボリショイ・バレエの2016-7シーズン、来日公演予定

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ボリショイ・バレエの2016-7シーズン予定が発表されています。

http://www.bolshoi.ru/upload/medialibrary/20c/20c115ae3172aeea15884a1c15359cbc.pdf

ロシア語のニュース記事
http://rg.ru/2016/05/05/bolshoj-teatr-obiavil-plany-opernoj-i-baletnoj-trupp-na-241-j-sezon.html

アメリカのフォーラム
http://balletalert.invisionzone.com/index.php?/topic/41370-20162017-season-plans/

来日公演が予定されています。2017年5月から6月で、演目は「白鳥の湖」、「ジゼル」、「パリの炎」が予定されているそうです。また、7月にはニューヨークへのツアーもあり、「ジュエルズ」と「じゃじゃ馬馴らし」が予定されています。

(追記)
なお、日本公演は、東京、広島、大津、名古屋、大阪で予定されており、「白鳥の湖」7公演、「ジゼル」5公演、「パリの炎」3公演だそうです。

また、ニューヨークでの公演はリンカーンセンターのDavid H. Koch Theatreで、7月20~23日が「ジュエルズ」、7月26日~30日が「じゃじゃ馬馴らし」で、「ジュエルズ」のルビーとダイアモンドには、NYCBとパリ・オペラ座のダンサーも参加するとのことです。

*******


ユーリ・グリゴローヴィッチの90歳の誕生日を記念して、2017年1月、2月に彼の作品のレトロスペクティブが開催されます。
「くるみ割り人形」「スパルタクス」「ジゼル」「眠れる森の美女」「愛の伝説」「黄金時代」「ライモンダ」「ロミオとジュリエット」「ラ・バヤデール」「イワン雷帝」などが上演される予定です。「黄金時代」は新制作となり、まずは秋に上演されて映画館中継されます。

新作としては、ルドルフ・ヌレエフの人生を描いた「ヌレエフ」が7月に初演されます。ユーリ・ポソホフが振付、Kirill Serebrennikov が台本を書いてデザインも行うという、「現代の英雄」と同じチームでの作品となります。

また、カンパニー初演としては、ランダーの「エチュード」があります。2017年3月。同時上演は、グレン・テトリー、イリ・キリアン、ジェローム・ロビンスの作品となる予定です。

11月には、ミハイル・ラヴロフスキーの75歳の誕生日を記念してのガラ、12月にはマリス・リエパの生誕80年を記念してのガラが行われます。

芸術監督マハール・ワジーエフは3月に就任したばかりなので、来シーズンに関してはすでにかなりの部分が決まっていたようです。しかし彼は、古典作品を重視することをインタビューで語っています。

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佐々木忠次氏(公益財団法人日本舞台芸術振興会/東京バレエ団代表)逝去 

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オペラ バレエ プロデューサーであり、公益財団法人日本舞台芸術振興会(NBS)/東京バレエ団代表の佐々木忠次(ささきただつぐ)氏が、2016年4月30日未明、心不全のため逝去されたとのことです。享年83歳。

http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-626.html

 

佐々木忠次は、1964年に東京バレエ団を設立、以後代表を務めてきました。国内での活動はもとより、これまで29回にわたり30カ国153都市において747回の海外公演を実施するなどの、日本から世界に発信するバレエ団として東京バレエ団を育ててまいりました。
 そのかたわら、パリ・オペラ座バレエ団、英国ロイヤル・バレエ団、モーリス・ベジャール・バレエ団などの著名なバレエ団を招聘し、日本に紹介。1976年から3年に一度開催し14回続いている<世界バレエフェスティバル>では、世界中のトップダンサーを日本に招き、世界で最も重要なバレエ公演として国際的に知られるようになりました。
 また、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場、英国ロイヤル・オペラなど欧米の名門歌劇場を定期的に招聘。日本で超一流の歌劇場の舞台を現地のまま観られる引っ越し公演の実現に尽力してきました。
 多くのアーティストと親交があり、ことに指揮者のカルロス・クライバー、ズービン・メータ、ダニエル・バレンボイム、リッカルド・ムーティ、また振付家のモーリス・ベジャール、ジョン・ノイマイヤーとは格別の交誼を結びました。
 「日本のディアギレフ」の異名をとり、8カ国から受章、これらの活動や著作を通じて、佐々木が我が国の音楽・バレエ界に果たした功績は計り知れません。

東京バレエ団を設立しただけでなく、多くのバレエ団を日本に招聘し、そして海外で有名になる前からシルヴィ・ギエム、ウラジーミル・マラーホフなどをいち早く日本に呼んでスターへと育て上げ、また世界バレエフェスティバルなどの開催を通して日本だけでなく世界のバレエ界に大きく貢献をされた方でした。彼がいなければ、私たちはこれだけのバレエ公演を楽しむことはできなかったでしょう。間違いなく目利きの方でありました。彼が亡くなったことで、一つの時代の終わりを感じます。(そしてこれからの日本のバレエ界の行く末が少し心配になります)

その剛腕ぶりから、そして歯に衣を着せぬ物言いから毀誉褒貶入り交じった評価もありましたが、それは彼の芸術に対する熱い想いゆえのことだったようです。

彼の著作『闘うバレエ―素顔のスターとカンパニーの物語』『起承転々 怒っている人集まれ!―オペラ&バレエ・プロデューサーの紙つぶて156』は、そんな彼の情熱と率直な語り口を通じて、日本の芸術を取り巻く現状もよくわかり、大変面白い読み物となっています。

今頃は天国でモーリス・ベジャールと再会していることでしょう。ご冥福をお祈りいたします。

佐々木忠次氏死去=「日本のディアギレフ」、83歳
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016050600540&g=soc

「日本のディアギレフ」オペラ&バレエ・プロデューサーの佐々木忠次さん死去
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160506-00000070-sph-ent

闘うバレエ―素顔のスターとカンパニーの物語 (文春文庫)闘うバレエ―素顔のスターとカンパニーの物語 (文春文庫)
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5/3、5 新国立劇場バレエ団「ドン・キホーテ」

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http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/don_quixote/

改訂振付:アレクセイ・ファジェーチェフ

キトリ(ドゥルシネア)米沢唯
バジル 井澤駿
ドン・キホーテ 貝川鐵夫
サンチョ・パンサ 髙橋一輝
ロレンツォ 小口邦明
ガマーシュ 菅野英男
キトリの友達 柴山紗帆 飯野萌子
エスパーダ マイレン・トレウバエフ
街の踊り子 長田佳世
メルセデス 本島美和
カスタネットの踊り 堀口純
キューピッド 五月女 遥
森の女王 細田千晶
ボレロ 丸尾孝子、中家正博
第1ヴァリエーション 奥田花純
第2ヴァリエーション 寺田亜沙子

指揮:マーティン・イェーツ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

新国立劇場バレエ団の「ドン・キホーテ」は、アレクセイ・ファジェーチェフ版。ボリショイ・バレエの現行の「ドン・キホーテ」と基本的には同じだが、細部では異なっている(ボリショイでは2幕にジークという踊りが追加されている、3幕にキューピッドが登場しないなど)。踊りはふんだんに盛り込まれているが、登場人物が多く、不必要なキャラクターもいる。そして、2幕の流れが居酒屋で狂言自殺→ロマノ野営地→夢の場面という順番で、ドラマツルギーとしてはあまり説得力がない。3幕の結婚式にキトリの両親が出ないというのも少し不自然だった。でも、何しろ主演陣が素晴らしいので、楽しい舞台となった。

キトリの米沢唯さんは、スーパーテクニックの持ち主なのは周知の事実だけど、技術だけが魅力ではない。高いテクニックに裏付けられて、とても余裕たっぷりで安定度抜群のため、音楽に自在に合わせられるし表情豊かにアクセントもつけられる。1幕では、最初はおすましでバジルをじらしながらも、いたずらっぽい表情で周囲と上手く呼吸を合わせて、とてもお茶目でキュートなキトリだった。カスタネットの踊りの高速フェアテもさすがの正確さ。超絶技巧を発揮しても、米沢さんはあくまでも品が良い。

踊りは一幕は少しだけ抑え目だったけど、3幕では魅力が炸裂した。ヴァリエーションは扇子を持たないで、エシャッペもパ・ド・シュヴァルもなく連続ルティレ中心なのだが、かなり速い音楽にピッタリと合わせて正確に刻みキトリの闊達さを見せてくれた。グラン・フェッテは、扇子を持って、高く掲げたりひらひらと開閉させながら、トリプルも織り交ぜて実に華やかで観客を興奮のるつぼに放り込んだ。芝居心もありつつ、これだけ強いテクニックを持ったバレリーナは世界的にもあまりいないと思われるし、海外のメジャーなカンパニーでゲストしてもきっと人気を得られるのではないだろうか。2幕のドゥルシネア役の時には、ふわっと柔らかく、打って変わってのお姫さまらしいたおやかさも見せてくれた。

井澤さんは、米沢さんに比べると貫録不足だし、床屋というよりは端正な王子様っぽいが、真ん中に立つ人らしい華は人一倍ある。やはり長身で顔の小さく、すらりとしてハンサムなのは大きなメリット。しかも容姿だけでなく、技術的にもしっかりしている。やや上半身が硬いのは、ランベルセなどでわかってしまうものの、ふわりと軽やかな跳躍の持ち主でマネージュは足先までよく伸び、きちんと5番に降りられるし、ピルエットも軸がまっすぐでよくコントロールされていてきれい。サポートはあまり得意な方でなくて以前はひやりとさせられたこともあったが、今回は1幕の片手リフトはしっかりと決まったし、2幕でキトリがダイブするところもきっちり受け止められていてよく頑張った。今が伸び盛りの若者を観ると、思わず頬も緩んでしまう。これでもっと積極的にキトリとやり取りできるようになれば、文句なしだろう。

主役以外の見所は、なんといってもエスパーダのマイレンと、街の踊り子長田さんの絡み。マイレンは、キメキメの闘牛士姿がスタイリッシュで、つま先もピーンと伸びてクラシックの技術では他の誰よりも美しい。マント捌きも鮮やかだし、長田さんとの掛け合いや演技が大人の世界で、非常にセクシーだった。2幕での本島さんのメルセデス、堀口さんのカスタネットとの駆け引きもステキだった。舞台人としての自覚がしっかりあって、いつでも演技を欠かさないので舞台が締まる。一方、長田さんの踊り子は、登場したとたんの華やかさ、あでやかさが圧倒的。大人の女性の魅力が溢れているし、一つ一つのポーズも美しいし音楽性も豊か。この役ならではの細かいパドブレなどのポワントワークもさすがだった。闘牛士が突き刺す剣、3日の公演では何本か倒れてしまったので大変だったと思うけど、5日は一本も倒れず決まった。成熟した色香と演劇性は、絶対この劇場には必要なことなので、彼らのようなベテランは大切にしてほしい。

ファジェーチェフ版は、街の踊り子、メルセデス、さらにはカスタネットの踊りの女性と、似たような感じの妖艶女性キャラクターが多いのであまりスッキリしないのだが、その分ソリストがたくさん登場する。メルセデス役の本島美和さんは、持ち前のあでやかな美貌と演技力でしっかりとエスパーダを誘惑していた。彼女は少し背中の柔軟性が足りないのが惜しいけど、これだけ美しいし成熟した雰囲気が出せるので文句なし。カスタネットの踊りは、ファジェーチェフ版の蛇足部分だし、堀口さんはほっそりとしていてセクシーな持ち味はないものの、彼女も幸薄そうな持ち味を生かした演技派だった。

夢のシーンは、森の女王の細田さんが、長くエレガントな腕と気品にあふれた動き、優しく包容力のある微笑みで素晴らしかった。長身なのに足音も全くさせない美しいグラン・ジュッテとしなやかなポール・ド・ブラ。キューピッドの五月女さんは、身体能力に優れていて見事なテクニック、特にアントルシャ・カトルの高さが凄いし音楽性も良い。衣装やかつらには改善の余地があると思える。

しかし、3人のドリアードと4人のドリアードがバタバタしていて揃っておらず、新国立劇場バレエ団のチュチュバレエのシーンがこれで良いのだろうか、と不安になった。これではうっとりとした夢に浸ることができない。子役のキューピッドたちの方がよほどよく踊ることができている。その分、1幕のセギデリアは生き生きしていたし、3幕ファンダンゴはビシッと揃っていて良かったのだが。

また、キトリの友達二人も、果たしてこの役に適任だったかと言えば、ノーであった。演技力もなければ、踊りの方も、音には乗っていないし重たいし技術的にもソリスト役を踊るレベルではなく、発表会を見ているようだった。片方のダンサーは、プティ・アレグロが切れ味鈍くもたもたしていて全く駄目だった。なので、3幕のヴァリエーション、闊達な奥田さんと優雅な寺田さんを観てほっとしたのだった。この二人は、エポールマンがとても優れているので、技術の上にさらに美しく表情豊かに踊ることができている。(それは、細田さんや五月女さんにも共通していて、彼女たちもエポールマンが良い)3幕ボレロの、中家さんはスカッとした切れ味良い踊りを見せてくれたので、彼のバジルが今回観られなくて残念。

脇役で言えば、前回バジル役だった菅野さんがガマーシュ役だった。まだまだ踊ることができるのでもったいないのだが、ちょっととぼけていて可愛らしいガマーシュだった。前回バジルと言えば、奥村さんもトレアドールとファンダンゴだし、別の日にはガマーシュ。何とも贅沢というかもったいない。トレアドールには、踊れる男子を揃えており、特に江本さんや池田さんが光っていたけど、ファジェーチェフ版はトレアドールの踊りもあまり見せ場がないのだった。

メーンの素晴らしい4人を中心に、ソリスト陣もほとんどが非常にクオリティの高い、世界に誇れるレベルのパフォーマンスを見せてくれただけに、ふとしたところに疑問に思えるキャスティングがあったのが残念だった。このバレエ団は、ベテランから中堅にかけては本当にレベルが高いのだが、残念ながら若手の一部にばらつきが見られる。これから世代交代も行われると思うので、今後が少し不安に感じられてしまったし、観客の立場からすれば、未熟な若手を見せられるよりは、ベテランの至芸を楽しみたいと思うし、若いダンサーにも彼らのパフォーマンスを間近で見て、吸収し学んでいってほしいものだと感じた。

最終日8日も鑑賞予定。もちろん小野絢子さんと福岡雄大さんのコンビは鉄板だし、キトリの友達、サンチョ・パン座の八幡さんなどソリストにも期待大。

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海外で活躍する若手ダンサー出演の「Bright Step」7/29開催

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昨年の8月に、海外で活躍する若手ダンサーによる公演「Bright Step」の第一回公演が開催されました。開催費はクラウドファンディングで集めたことでも注目されました。

そして、この夏、世界各国で活躍する若きダンサーが、再びBright Stepに集結します。

2016年7月29日に渋谷さくらホールにて、若き日本バレエ界のホープが競演する"Bright Step 2016"が開催されます。

<公演日・開演時間>
2016年7月29日(金)19:00
※上演時間 約2時間

出演キャスト:(五十音順)
大川航矢 (タタールスタン国立カザン歌劇場バレエ団)
奥村 彩 (オランダ国立バレエ団)
刈谷円香 (ネザーランドダンスシアター2)
桑原沙希 (ボルドーオペラ座バレエ団)
河野舞衣 (ミュンヘン国立バレエ団)
坂本莉穂 (オランダ国立バレエ団)
菅井円加 (ハンブルグ・バレエ団)
髙橋裕哉 (ハンガリー国立バレエ団)
寺田 翠 (タタールスタン国立カザン歌劇場バレエ団)
西島勇人 (ロシア国立バレエ・モスクワ)
淵上礼奈 (英国バーミンガムロイヤルバレエ団)
フォガティみこ(英国バーミンガムロイヤルバレエ団)
山本勝利 (ドイツキール州立劇場)
吉田周平 (ブカレスト国立歌劇場バレエ団)

https://facebook.com/Bright-Step-351557865037330

ロシアのバレエ番組「ビッグ・バレエ」に出演して素晴らしい技術で喝采を浴びた寺田 翠さんと大川航矢さん、ローザンヌ国際コンクールで1位に輝いたハンブルグ・バレエの菅井円加さん、オランダ国立バレエでグランド・スジェに昇進してソリスト役を踊っている奥村 彩さん、やはりミュンヘン・バレエでデミソリストの河野舞衣さん、映画「ファースト・ポジション」でおなじみのフォガティみこさんなど、注目のダンサーが一堂に集結します。これは楽しみな公演ですね。

チケットはカンフェッティにて。
http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=33660&

「ビッグ・バレエ」で活躍する寺田 翠さんと大川航矢さんの踊りはこちらでどうぞ。
http://tvkultura.ru/video/show/brand_id/59616/episode_id/1272785/video_id/1443840/

『ボリショイ・バレエ inシネマ Season2015-2016』全6作品アンコール上映決定

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ボリショイ・バレエ inシネマ Season2015-2016』の全6作品が、渋谷・Bunkamuraル・シネマにてアンコール上映されます。

名門「ボリショイ・バレエ」のステージ「ボリショイ・バレエ inシネマ Season2015-2016」の6作品が、渋谷・Bunkamuraル・シネマにて限定上映となります。 高解像度HD映像で撮影された貴重な作品から、特に大画面で鑑賞するに相応しい6作品をセレクト。まるでモスクワで鑑賞するような臨場感に溢れた舞台、そしてバックステージ独占映像と幕間のインタビューは、日本ではなかなか視聴できない貴重な体験です。 全作品がたった1~2回限定の上映となるこの機会、是非お見逃しなく!
http://www.bunkamura.co.jp/topics/cinema/2016/05/bol2016.html

昨年11月より映画館で上映されてきた『ボリショイ・バレエ inシネマ Season2015-2016』ですが、それぞれ1日のみの上映で、予定が合わずに見逃してしまった方も多いと思います。

さらに、今回のアンコール上映では上映されなかった「スパルタクス」の上映があるのも嬉しい限りです。この「スパルタクス」は、スパルタクス役にロブーヒン、フリーギア役にニクーリナ、エギナ役にザハロワ、クラッスス役にラントラートフという大変豪華なキャスト。以前映画館上映されたのと同じ映像ですが、特に珍しい悪女役のザハロワが素晴らしいのでファン必見です。

≪上映スケジュール≫
5月19日(木) 18:50~『じゃじゃ馬ならし』 
5月20日(金) 18:50~『くるみ割り人形』 
5月21日(土) 18:50~『ドン・キホーテ』 
5月26日(木) 19:15~『ジゼル』
5月27日(金) 19:15~『椿姫』
5月28日(土) 19:15~『スパルタクス』
6月2日(木)  19:15~『じゃじゃ馬ならし』
6月3日(金)  19:15~『ドン・キホーテ』
6月4日(土)  19:15~『ジゼル』
6月9日(木)  19:15~『くるみ割り人形』
6月10日(金) 19:15~『スパルタクス』

≪料金≫ 3,000円均一(税込・各種割引は対象外となります。)  

特に「じゃじゃ馬馴らし」と「ドン・キホーテ」は素晴らしいパフォーマンスでした。ぜひ大画面で。

彩の国さいたま芸術劇場佐藤まいみ、愛知県芸術劇場唐津絵理、各プロデューサーのインタビュー

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ダンス情報のwebサイトBallet Factoryに、彩の国さいたま芸術劇場のプロデューサー佐藤まいみさんと、愛知県芸術劇場のシニアプロデューサー唐津絵理さんのロング・インタビュー記事が掲載されています。

両劇場とも、ダンス公演にとても力を入れており、海外の優れたアーティストを招聘するだけでなく、自主企画公演や、その劇場発の作品を海外でも上演するなど素晴らしい実績を上げており、日本のダンス界になくてはならない存在です。地元の舞踊団体とのコラボレーションやアウトリーチ活動も行っています。そしてお二人とも、大変な目利きであり、また各地の劇場でお目にかかる機会も大変多く、精力的に動き回られています。

インタビューは舞踊評論家の高橋森彦さんによるものですが、大変読みごたえのある良いインタビュー記事で、これからのダンスの在り方についても考えさせられるので、ご紹介します。

彩の国さいたま芸術劇場のプロデューサー佐藤まいみ インタビュー
http://www.ballet-factory.com/takahashi/new/035.html

佐藤まいみさんは1980年代にフランスでダンスの制作に携わり、帰国後横浜市開港130周年記念「ヨコハマ・アート・ウェーブ’89」アーティスティック・ディレクターに就任。以後、神奈川国際舞台芸術フェスティバルプロデューサー(神奈川芸術文化財団)、「フランスダンス’03」フェスティバル代表プロデューサー、「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA」ディレクター(2012年&2015年)などの要職を歴任されてきました。2005年にフランス文化勲章オフィシェ受章。現在は彩の国さいたま芸術劇場プロデューサーとしてダンス公演のプロデュースに当たられています。

2006年に彩の国さいたま芸術劇場のプロデューサーに就任された当初は、ヤン・ファーブルの『主役の男が女である時』『わたしは血』、アクラム・カーン&のシディ・ラルビ・シェルカウイ『ゼロ度』などを上演。その後も様々なチャレンジをされていますが、2008年にさいたまで上演した『Hydra ヒュドラ』は森山開次など日本人ダンサーも交えて国際共同製作として企画・制作し、埼玉発信の作品としてヨーロッパ・ツアーも行ったとのことです。

海外招聘だけでなく日本人振付家の作品も制作しました。 『日本昔ばなしのダンス』では近藤良平、伊藤千枝、井手茂太といった振付家を起用し、各地のホールで上演されました。

これからの公演では、残念ながら注目のイスラエル・ガルバンとアクラム・カーンの『TOROBAKA』はガルバンの怪我で公演中止になってしまいましたが、2006年以降毎年さいたまで作品を発表してきたコンドルズの最新作『LOVE ME TenDER』、さらにはフィリップ・ドゥクフレの新作『コンタクト』が予定されています。

さらに、来年3月には、1989年以来、日本の観客にとっては27年ぶりのピナ・バウシュの代表作『カーネーション』を引っ提げてピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団が公演を行います。これは必見の舞台と言えます。

ダンス普及事業として「MEET THE DANCE~アーティスト学校にやってくる!」と題して中学校に出向いてワークショップを開いています。今は中学校ではダンスが必修科目となっていますが、ストリートダンスが90%を占めているとのことで、それ以外のダンスについても知って体験してもらう機会を作り出しています。埼玉県舞踊協会との2年に一度の「ダンスセッション」という企画、また今年は12月に、地元埼玉県のNBAバレエ団の『BREAK THE MOULD』という提携公演も予定するなど、地元との企画も行っています。

『今の日本のダンス界には何が必要か』を考えて次の展開をどうするかを改めて謙虚に考えておられるとのことで、このあたりについては、ぜひこのインタビュー記事を読んでいただければと思います。この劇場で上演されたパフォーマンスの、美しい舞台写真もたくさん掲載されています。

【彩の国さいたま芸術劇場 2016年度 ダンス関連事業】

コンドルズ 埼玉公演2016新作『LOVE ME TenDER』
日程:2016年6月18日(土)開演14:00/19:00、19日(日)開演15:00
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
構成・映像・振付:近藤良平
出演:コンドルズ
※好評発売中

フィリップ・ドゥクフレ カンパニーDCA『CONTACT-コンタクト』(2014年初演)
日程:2016年10月28日(金)19:00/29日(土)・30日(日)15:00
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ
出演:カンパニーDCA

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『NELKEN-カーネーション』(1982年初演)
日程:2017年3月16日(木)・17日(金)開演19:00、18日(土)開演15:00、19日(日)開演14:00
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
演出・振付:ピナ・バウシュ
出演:ヴッパタール舞踊団


唐津絵理(愛知県芸術劇場シニアプロデューサー、「あいちトリエンナーレ2016」キュレーター) インタビュー
http://www.ballet-factory.com/takahashi/new/034.html

 愛知を拠点に国内外の数多くのアーティストと舞台制作を行う唐津絵理さんは先鋭的なパフォーミングアーツの紹介・普及に努め日々東奔西走されています。これまでの軌跡から2016年度の愛知県芸術劇場主催公演および「あいちトリエンナーレ2016」のラインアップ、プロデューサーとしてのポリシー、今後の展望までを伺いました。

大学院でダンスを専攻し自ら踊っていたという唐津さんが、最初に企画されたのは木佐貫邦子さんのダンス公演。その後もコンテンポラリーダンスに力を入れ、1999年にはH・アール・カオスの『春の祭典』を大ホールでオーケストラ付きで上演しました。大ホールでたくさんの人を巻き込むことができるようなスケール感のある作品を創りたかったとのことで、ダンスを核にライブの音楽や声が入った総合的な舞台芸術として『悪魔の物語』&『月に憑かれたピエロ』(2004年)、『青ひげ城の扉』(2005年)、『UZME』(2005年)、『ハムレット~幻鏡のオフィーリア』(2007年)、『神曲』(2008年)をプロデュースしています。

愛知県の劇場として、県民にどうかかわってもらうかをいつも意識されているとのことです。人材育成に力を入れて体験型のワークショップを開催したりプロの人材育成も課題としており、今活躍している米沢唯さん、寺井七海さん(新国立劇場)、佐々部佳代さん(K-Ballet Company)も10代の時に舞台に参加してもらっているとのこと。コンドルズとは地域を巻き込む企画を制作し子どもたちのダンサーが参加する企画も実施したそうです。

2016~17年の企画も多彩です。4月には、ダンスとラップ~島地保武× 環ROY『ありか』という異ジャンルの共演、そして7月のH・アール・カオスの久々の公演である白河直子さんのソロ『エタニティ』、さらにチェコのヴェルテダンス『CORRECTION』、Noismの新作『ラ・バヤデール―幻の国』があります。

さらに、3年に一度の国際的なアートの祭典「あいちトリエンナーレ2016」(8月11日~10月23日)が行われパフォーミングアーツのキュレーターを務められます。フラメンコの革命児イスラエル・ガルバン、愛知県・奥三河地方で伝承されている芸能神事「花祭」に題材を取った山田うんの新作、さらにさいたまでも上演されるフィリップ・ドゥクフレの『コンタクト』、勅使川原三郎演出のプロデュースオペラ『魔笛』など、注目の公演が目白押しです。

今後は、日本のダンスを取り巻く制作・創作環境を底上げしていくことに努められ、ダンスを観る機会の少ない愛知県内の地域にソフトを提供したりして鑑賞機会を広げて行かれることをしていかれたいとのことです。

これから上演される作品や、あいちトリエンナーレについて、そしてアーティストに対するメッセージまで、唐津さんは熱く語られていますので、詳しいことは、ぜひインタビュー記事の方をお読みください。(私も、愛知県出身であることもあり、あいちトリエンナーレにはできるだけ足をたくさん運ぶつもりです)

【愛知県芸術劇場 舞台芸術 主な公演】
http://www.aac.pref.aichi.jp/syusai/index.html

5月27日(金)~30日(月)愛知県芸術劇場小ホール
木ノ下歌舞伎『義経千本桜―渡海屋・大物浦―』

6月19日(日)愛知県芸術劇場小ホール
ニンフェアール第12回公演『ReAccrd』

7月1日(金)~ 3日(日)愛知県芸術劇場小ホール
H・アール・カオス 白河直子ソロダンス『エタニティ』
演出・振付:大島早紀子 ダンス:白河直子

7月16日(土)愛知県芸術劇場大ホール
Noism 劇的舞踊vol.3『ラ・バヤデール-幻の国』
演出振付:金森穣  脚本:平田オリザ

8月23日(火)、24日(水) 愛知県芸術劇場小ホール
おいしいおかしいおしばい『わかったさんのクッキー』

9月9日(金)~12日(月)愛知県芸術劇場ホール
第15回AAF戯曲賞受賞記念公演『みちゆき』

10 月15日(水) 愛知県芸術劇場大ホール
『Sutra (スートラ) 』
出演:シディ・ラルヴィ・シェルカゥイ、少林寺武僧

10 月14 日(金)、15 日(土) 愛知県芸術劇場小ホール
ヴェルテダンス『CORRETION』
振付:イリ・ハベルカ  音楽・演奏:クラリネット・ファクトリー・ライヴ

10月16日(日)、18日(火)、19日(水) 愛知県芸術劇場小ホール
パフォーミングアーツ・セレクション

11 月6 日(日) 愛知県芸術劇場コンサートホール
白井剛&中川賢一&堀井哲史  『ON-MYAKU 2016 -see/do/be tone-』

<あいちトリエンナーレ2016 舞台芸術部門「パフォーミングアーツ公演」>
「あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」
開催期間/8月11日(木・祝)~10月23日(日)
http://aichitriennale.jp/artist/index.html#pa

8月11日(木・祝) ~14日(日)愛知県芸術劇場小ホール
8月17日(水)・18日(木) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース
ダニ・リマ『Little collection of everything』

9月17日(土)・19日(月祝)愛知県芸術劇場大ホール
プロデュースオペラ モーツァルト作曲『魔笛』全2幕・ドイツ語上演
指揮: ガエタノ・デスピノーサ  演出: 勅使川原三郎

9月24日(土)・25日(日)オアシス21
『虹のカーニヴァル』

10月7日(金)〜9日(日) 愛知県芸術劇場小ホール
イスラエル・ガルバン『SOLO』

10月8日(土)~10日(月・祝)豊橋公園
アニマル・レリジョン『Chicken Legz』

10月9日(日)・10 日(月・祝) 岡崎シビコ
アジアン・サウンズ・リサーチ(プロジェクト・ディレクター:Sachiko M)『OPEN GATE 2016』

10月15日(土)・16日(日)  名古屋市芸術創造センター
イスラエル・ガルバン『FLA.CO.MEN』

10月15日(土)・16日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
カンパニー DCA / フィリップ・ドゥクフレ『CONTACT』

10月21日(金)~23日(日) 名古屋市内のまちなか
カンパニー・ディディエ・テロン / ディディエ・テロン『AIR』/『LA GRANDE PHRASE』

10月22日(土)・23日(日) 名古屋市芸術創造センター
山田うん『新作(タイトル未定) 』

10月22日(土)・23日(日) 愛知県芸術劇場小ホール
小杉武久『MUSIC EXPANDED #1 / #2』

10月23日(日) 名古屋市青少年文化センター
青木涼子『秘密の閨(ねや)』

5/14放映 夢をかなえるアン・ドゥ・トロワ~ルグリと目指せバレエの饗宴

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マニュエル・ルグリが「NHKバレエの饗宴」に出演する若手ダンサーを選び、レッスンを行った模様を捉えたドキュメンタリー番組「夢をかなえるアン・ドゥ・トロワ~ルグリと目指せバレエの饗宴」が、5月14日(土)15:00~Eテレで放映されます。

http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/92872/2872024/index.html (予告編映像も観られます)

http://www.nhk.or.jp/classic-blog/100/244713.html


バレエ界の世界的なスター、マニュエル・ルグリが、日本の若い才能をオーディションで発掘。集中レッスンを施して、バレエの一大イベント「NHKバレエの饗宴」の舞台を目指します。合格したのは、15歳から18歳の男女8人。コンクール入賞の常連から、まだバレエ歴の浅い生徒までさまざま。厳しいレッスンを通してルグリは、バレエとは何か、踊ることとは何かを、伝えていく。本番の舞台までを追う密着ドキュメント。

ルグリさんは、名門パリ・オペラ座バレエ団のエトワールとして大活躍したダンサー。現在はウィーン国立バレエ団の芸術監督を務め、その優れた指導力でバレエ団を急速に成長させています。そんなバレエを知り尽くした彼が、日本の若い才能をどのように発掘し、どう鍛えるのか?そして子供たちはルグリの期待に応えられるのか? 容赦ないオーディション審査、厳しくも愛情あふれるレッスン、そして迎える感動の舞台。かつてないバレエ・ドキュメンタリーにご期待ください! 


【出演】マニュエル・ルグリ,石井日奈子,小川理恵,木村楓音,鳥居ありす,吉江絵璃奈,田野井大登,山仁勇,山本理久
【語り】忽那汐里

出演者のうち、木村楓音さんと吉江絵璃奈さんは、ローザンヌ国際バレエコンクール2016のファイナリストとなりました。先日のテレビ放映でご覧になった方も多いと思います。


なお、NHKバレエの饗宴2016も、5月22日(日)Eテレ午後9時の「クラシック音楽館」で放映されます。

NHKバレエの饗宴2016 開催間近! みどころ紹介 その1 「特別企画未来のエトワールたち」
http://www.nhk.or.jp/classic-blog/100/240229.html

NHKバレエの饗宴2016 開催間近! みどころ紹介 その2 「世界で活躍する日本人ダンサーたち」
http://www.nhk.or.jp/classic-blog/100/240763.html

NHKバレエの饗宴2016 全演目決定! みどころ紹介 その3 「スターダンサーズバレエ団、小林紀子バレエ・シアター、谷桃子バレエ団が上演する3つの作品」
http://www.nhk.or.jp/classic-blog/200/241372.html

1.「レ・ランデヴー」(小林紀子バレエ・シアター)
振付:アシュトン 音楽:オーベール 美術:チャペル
出演:島添亮子、アントニーノ・ステラ ほか

2.「オセロー」<新作>(谷桃子バレエ団)
原案:シェイクスピア 振付:日原永美子 音楽:シュニトケ
出演:齊藤 拓、永橋あゆみ、三木雄馬、佐々木和葉、檜山和久 ほか

3.「モーツァルト・ア・ドゥ」から (橋本清香&木本全優)
振付:マランダン 音楽:モーツァルト

4.「ゼンツァーノの花祭り」パ・ド・ドゥ/「ナポリ」パ・ド・シス
(マニュエル・ルグリ選抜の若手ダンサーたち)
振付:ブルノンヴィル 音楽:ヘルステッド ほか

5.「リラの園」(スターダンサーズ・バレエ団)
振付:チューダー 音楽:ショーソン
出演:渡辺恭子、吉瀬智弘、山本隆之、佐藤万里絵 ほか

6.「くるみ割り人形」グラン・パ・ド・ドゥ(平田桃子&セザール・モラレス)
振付:ライト、イワーノフ 音楽:チャイコフスキー

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
バイオリン:渡辺玲子、近藤薫
指 揮:園田隆一郎
(2016年4月10日 NHKホール)

ロイ・フラーの伝記映画「La Danseuse」、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品

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以前にもこのサイトでご紹介した、19世紀末から20世紀初頭に活躍したアメリカ人ダンサー/振付家のロイ・フラーの伝記映画「La Danseuse」(The Dancer)が水曜から開催されているカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品されることになりました。

http://www.terrafemina.com/article/cannes-2016-lily-rose-depp-et-soko-ensemble-sur-la-croisette-pour-la-danseuse-photo_a310938/1

ロイ・フラーの人生を、やはりモダン・ダンスの始祖の一人であるイザドラ・ダンカンとの関係を中心にして、フランスの若手映画監督Stephanie Di Giustoが映画化したものです。(Stephanie Di Giustoは、ブリジット・フォンテーンらのミュージックビデオを監督したり、ヴァネッサ・ブリュノ、クロエ、リーバイスといったファッションブランドのイメージビデオを撮影してきました。)

フランスでの公開日時も、今年の9月28日に決定しています。

製作会社Wild Bunchのサイトより
http://www.wildbunch.biz/movie/dancer-the/

ロイ・フラー役を演じるのは、フランス出身の歌手Soko (映画「博士と私の危険な関係Augustine」に主演してリュミエール賞にノミネート)。人気女優クリステン・スチュワートの恋人という噂もあります。そして、イザドラ・ダンカン役を演じるのは、ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの娘、リリー・ローズ・デップです。まだ16歳という若さですが、シャネルの広告にも起用されています。また、人気俳優のギャスパー・ウリエルも出演します。

La_danseuse

アメリカの小さな村に生まれたロイ・フラーは、偶然舞台にに出演していて、「サーペンタイン・ダンス(蛇のダンス)」を生み出しました。ニューヨークからパリに渡った彼女は、トゥルーズ・ロートレック、リュミエール兄弟、ロダンといった人たちを魅了して一世を風靡しました。

ロイ・フラーを有名にした「サーペンタイン・ダンス(蛇のダンス)」。ただしこれを踊っているダンサーはロイ・フラーではなく、Papinta.というダンサーによるもののようです。

フランスのアニメ映画「Ballerina」、オーレリー・デュポン監修、英語版の声の出演にエル・ファニング

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フランスの大手映画製作・配給会社ゴーモンが製作するアニメーション映画「Ballerina」が注目を集めています。

Cannes: Weinstein Co. Acquires U.S. Rights to Gaumont’s Animated Film ‘Ballerina’ (EXCLUSIVE)
http://variety.com/2016/film/festivals/ballerina-weinstein-co-cannes-elle-fanning-carly-rae-jepsen-1201772057/

Weinstein Co. Picks Up Ballerina, Voiced by Elle Fanning and Carly Rae Jepsen
http://www.comingsoon.net/movies/news/685645-weinstein-co-picks-up-ballerina-voiced-by-elle-fanning-and-carly-rae-jepsen

http://cinema.quad.fr/films/ballerina

3000万ドルの製作費がかけられた、ピクサー社のアニメのようなスタイルの3Dアニメで、共同プロデューサーの中には、あの大ヒット映画「最強のふたり」(アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)のプロデューサー Quad Productions のNicolas Duval Adassovsky, Yann Zenou, とLaurent Zeitounもいます。ゴーモンと共に配給を手掛けるワインスタイン・カンパニーは、「最強のふたり」のアメリカ版リメイクも手掛けているとのことです。そして、アメリカでの配給は、ワインスタイン・カンパニーが行います。

「バレリーナ」は、ヒロインの英語版吹き替えにエル・ファニングがキャスティングされていることでも注目されています。また、歌手のカーリー・レイ・ジェプセンもオデット役にキャスティングされています。

あらすじは以下の通りです。1884年にブルターニュの孤児院を逃れパリにやってきた、バレリーナになるという夢を抱いている貧しい11歳の少女フェリーチェが主人公。わがままなライバル、カミ―ユの身分を詐称し、不思議な掃除婦オデットの教えの下必死にバレエを稽古し、発明家を目指す友人ヴィクトールに出会い、そしてパリ・オペラ座学校に入学するという冒険が始まります。

監督は Eric Summer とEric Warin。脚本はCarole Noble と Laurent Zeitoun。この映画の中に登場するダンスの振付はオーレリー・デュポンが監修しています。作品は現在モントリオールで制作中とのことです。公開は年末予定。

音楽は、アカデミー賞主演女優賞を受賞した「ルーム」や、「グラディエーター」のKlaus Badeltで、主題歌をプロデュースし作曲するのは、セレーナ・ゴメスやビヨンセと組んできたChris Braideです。

ワインスタイン・カンパニーの共同経営者ハーヴェイ・ワインスタインは、以下のように語っています。「非常に多くの女の子たちが、バレリーナになることを夢見ています。この映画は、アニメーションの芸術を通して、ダンスの夢を美しく描いています。優れたプロジェクトをもたらしてきたニコラス、ヤン、ローランとチームを組むのはワクワクします」


昨日ご紹介したロイ・フラーの伝記映画La Danseuse」、さらにまもなくフランスで公開予定の、人気グラフィックノベルの映画化作品「ポリーナ」(アンジェラン・プレルジョカージュ監督、ジュリエット・ビノシュ、ジェレミー・ベランガールが出演)と、バレエ/ダンスを扱った作品がほぼ同じ時期に話題になるのは、大変興味深いところです。

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ENB(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)のコンクール「エマージング・ダンサー」5/17ネット中継

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ENB(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)の若手ダンサーが出場する、バレエ団内のコンクール「エマージング・ダンサー」が5月17日(火)に開催されます。

http://www.ballet.org.uk/whats-on/emerging-dancer-2016/

過去の受賞者の中には、2011年に受賞し、現在はファースト・ソリストとして主演も多くしている加瀬栞さんがいます。審査員が選ぶ賞と、観客が選ぶ観客賞があります。

今年の出場者は、

Isabelle Brouwers
Jeanette Kakareka
Rina Kanehara (金原里奈)
Cesar Corrales
Daniele Silingardi
Erik Woolhouse

の男女各3人、合計6人です。

(男性出場者の紹介ビデオ)

(女性出場者の紹介ビデオ)

金原里奈さんは、昨年のローザンヌ国際コンクールでスカラシップを受賞しているので、覚えている方も多いのではないかと思います。昨年秋に入団し、すでに「海賊」のオダリスク役を踊っているなど活躍を見せています。カンパニー最年少団員だそうです。映像を見ると、英語が流ちょうなのに驚きます。

セザール・コラレスは、2013年にローザンヌ国際コンクールでスカラシップを獲得してABTのスタジオカンパニーに入り、2014年にはYAGPのグランプリに輝きました。2014年に入団して以来、「ロミオとジュリエット」のマキューシオ、「海賊」のアリとビルバントを踊っているなど活躍しており、優勝候補です。

エリック・ウルハウスは、東京生まれの日英ハーフで東京のオーストリア・バレエ・スクールを経てロイヤルバレエを卒業。在学中の2014年に、英国のバレエ学生対象のコンクール「ヤング・ブリティッシュ・ダンサー」で優勝し、昨年入団。

Daniele Silingardiは来シーズンよりハンブルグ・バレエに移籍するそうです。

<出演演目>

パ・ド・ドゥ
Isabelle Brouwers and Erik Woolhouse – Talisman
Jeanette Kakareka and Daniele Silingardi – Black Swan pas de deux from Swan Lake
Rina Kanehara and Cesar Corrales – Diana and Acteon

ソロ
Isabelle Brouwers – new work choreographed by Charlotte Edmonds
Cesar Corrales – Contrabajo para un hombre solo by Maximiliano Guerra
Jeanette Kakareka – solo from Annabelle Lopez Ochoa's Requiem for a Rose
Rina Kanehara – Black Swan solo from Jean-Christophe Maillot's Swan Lake
Daniele Silingardi – opening from John Neumeier's Spring and Fall
Erik Woolhouse – solo from Annabelle Lopez Ochoa's Eros Redux

<審査員>

タマラ・ロホ (ENB芸術監督)
サー・マシュー・ボーン (振付家)
ヴィヴィアナ・デュランテ (元ロイヤル・バレエ プリンシパル)
トーマス・エデュール (元ENBプリンシパル、エストニア国立バレエ芸術監督)
ラッセル・マリファント (振付家)
オクサーナ・パンチェンコ (ニュー・アドベンチャーズ ダンサー)
Morgann Runacre-Temple (バレエ・アイルランド常任振付家)


そして、今回初めて、このコンクールがネット中継されるとのことです。8時間の時差があるので、日本からだと深夜になってしまってなかなか見づらい時間帯ですが。
http://blog.ballet.org.uk/emerging-dancer-live-streamed-tuesday-17-may/

4/5 マリインスキー・バレエ「白鳥の湖」(マリインスキー国際フェスティバル)

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マリインスキー国際フェスティバルの私にとっての4日目で最終日は、「白鳥の湖」。パリ・オペラ座から、エロイーズ・ブルドンをゲストに迎えての公演。昨年11月に、オペラ座の昇進コンクールで審査員として参加したユーリ・ファテーエフが彼女を気に入って、ゲストに迎えたとのこと。ブルドンはパリでとても人気があるためか、フランスからサンクトペテルブルグに遠征してきたファンも多く、何人かのフランス人やイギリス人の知人に会場で会った。いろんな国から観客が集まるのは、バレエ・フェスティバルの楽しみである。

Resize0818

「白鳥の湖」はやはり人気の演目であり、チケットは早々に売り切れたのだが、出発する数日前に2枚だけ戻りチケットが出てきているのに気が付いて何とか買うことができた。といっても、下手サイド舞台寄りの4階席、舞台寄りの見づらい席。1列目なので前の人の頭を気にする必要はないし1列しかないので後ろの人も気にしなくていいのだけど、舞台の3分の一は見えない。4階席といっても古い劇場なのであまり高さはなく、舞台との距離は近いのだけど。値段は3000円程度なので、席は悪いけど、格安ではあるし、豪華な客席もよく見える。

席からの眺めはこんな感じ
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Odette/Odile : Heloise Bourdon  オデット/オディール エロイーズ・ブルドン
Prince Siegfried : Timur Askerov ジークフリート王子 ティムール・アスケロフ
The Prince's Friends: Nadezhda Batoeva 王子の友人 ナデージダ・バトーエワ
Sofia Ivanova-Skoblikova                  ソフィア・イワノワ=スコブリコワ
Xander Parish                         ザンダー・パリッシュ
Jester : Vladimir Shmakov  道化 ウラジーミル・シュマコフ
Von Rothbart: Konstantin Zverev ロットバルト コンスタンチン・ズヴェレフ
Cygnets : Anastasia Mikheikina
Svetlana Ivanova
Svetlana Russkikh
Elina Kamalova
Swans: Victoria Brilyova
Yekaterina Chebykina
Diana Smirnova
Yukuaba Chereshkevich
Two Swans : Xenia Ostreiskovskaya
Sofia Ivanova-Skoblikova
Spanish : Yulia Kobzar
Maria Shevyakova
Alexei Kuzmin
Alexander Beloborodov
Neapolitan : Anna Lavrinenko
Alexei Nedviga
Hungarian : Olga Belik
Kirikk Leontiev
Mazurka : Zenia Dubrovina
Alisa Rusina
Maria Lebedeva
Alisa Petrenko
Dimitry Pykhachov
Roman Belyakov
Dimitry Sharapov
Alexander Romanchikov

マリインスキー劇場で「白鳥の湖」を観ることができるのは感慨深いものがあった。セルゲイエフ版のオースドックスで控えめな感じも劇場によく合っているし、上階から観るマリインスキー・バレエのコール・ド・バレエは幻想的でよく揃えられており、息をのむほど美しい。

「白鳥の湖」をトレードマークとしている劇場に、パリ・オペラ座のバレリーナがゲスト出演するというのは、なかなかプレッシャーがかかるものだと思われる。フランス人の熱心なバレエファンに聞くと、オペラ座で現在オデット/オディールを最も得意としているのは、エロイーズ・ブルドンとのこと。きっちりとした古典の技術、長身でほっそりとしており手脚も長いし上半身も柔らかくリリカルな表現を得意としている。

その彼女も、バックにマリインスキー・バレエの白鳥の群舞を従えると、メソッドの違いは明らかだし、ワガノワ出身者を中心とするマリインスキーのダンサーたちの、典雅でしなやかな上半身の美しさには及ばない。かなり早めにサンクトペテルブルグ入りをし、マリインスキーの教師たちにマリインスキー流バレエを学んできたとのことで、ロシア流の足先が高いアティチュード、手首や腕の細かい使い方などは身につけていたのだが。流派の違いはさておき、ブルドンは傾斜のある舞台の上でも落ち着いており、白鳥の女王たる堂々とした風格と凛とした美しさで、詩的なオデットを好演していた。若いバレリーナ(26歳)ならではの清新さがありつつも、若さゆえの自己主張もあり、長身を利用して空間を大きく切り取っていた。

オディールのブルドンは、技術的にはレベルが高く、グランフェッテもダブルを入れて少しだけ早く終わったもののきれいに回っていたけれども、なぜかオデットほどの支配力がなかったようにも感じられた。ここではゲストならではの緊張感と、若さがちょっと災いしたかもしれない。とはいっても、ミスをしたわけではないし、彼女がオペラ座ではいまだにスジェであることを考えれば、立派なパフォーマンスと言える。最終幕のオデットは、2幕よりもさらに堂々としていながら悲劇的で、非常に美しかった。彼女が心をこめて、周到な準備を重ねてこの大舞台に挑んだのが伝わってきて心を打った。ミルピエには冷遇され、同じころ上演のオペラ座の「ロミオとジュリエット」ではジュリエットの友達やロザラインといった端役しか与えられていないブルドンだが、芸術監督も交代することだし、このゲスト出演の成功を糧に、オペラ座を代表するバレリーナとして羽ばたいてほしいと感じた。

一方、王子役はティムール・アスケロフ。長身で白タイツが良く似合う長く美しい脚、正確な古典技術の持ち主でサポートも上手い。いつでもきれいに5番に入るトゥールザンレール、脚がきれいに伸びたマネージュと、基本的には文句のつけようがない。しかし彼はワガノワ出身ではないこともあり、上半身が硬い。さらに演技力というか表現力が致命的に欠けているので、オデットに対する感情もほとんど見えないし、退屈なダンサーなのだ。昨年の来日公演の「ダイヤモンド」はストーリーのないバランシン作品だったので、彼にとっては良かったと思うのだが、物語バレエで観るのはつらい。パートナーがオペラ座からのゲストということもあったので、パートナーシップというものが築けていなかったし愛はなかった。

ロットバルトのコンスタンチン・ズヴェレフは長身で踊りがシャープなのだが、彼はワガノワ育ちならではのエレガンスもあり、情熱的でしなやかな大きな踊りをする人。3日前の「青銅の騎士」の主役で好演するなど、演技力にも優れている。ズヴェレフはまだ「白鳥の湖」の王子を踊ったことがないのだが、今回はむしろ彼が王子を踊ったほうが良かったのではないかと感じた。終幕の存在感は遥かにアスケロフを上回る。

パ・ド・トロワは、目下大売出し中のトリオ、ナデージダ・バトーエワとソフィア・イワノワ=スコブリコワに、ザンダー・パリッシュ。女性二人とも、跳躍力やプティ・アレグロに優れているダンサー。ソフィア・イワノワ=スコブリコワは、マリインスキー・バレエの女性ダンサーにしてはふくらはぎが太くてプロポーションには恵まれていないけれども、スブレット的な役(キトリなど)には向いているように感じられた。彼女は、終幕の2羽の白鳥も踊っていたけれど、それはやはりこの役の大ベテランであるクセニア・オストレイコフスカヤの抒情性にはるかに及ばない。バトーエワも生き生きとして魅力的だった。ザンダー・パリッシュは、12月の来日公演の時よりもサポートも巧くなってきているし、マリインスキー的ではないものの、美しい脚、クリアで丁寧な踊りで、容姿の美しさも相俟って目の保養になることこの上なしだった。

道化のウラジーミル・シュマコフは今までは知らないダンサーだったが、愛嬌たっぷりだったし、見せ場のピルエット・ア・ラ・スゴンドもとてもよく回っていて、魅力的だった。きっと次の来日公演では活躍することだろう。

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3幕の民族舞踊はナポリのアレクセイ・ネドヴィガ、ハンガリーの美しいオルガ・ベリクが目立ったくらいで、あとはそれほど印象に残らなかった。スペインはやはりもっと派手に華やかに踊ってもらいたい。

コール・ド・バレエのエレガンスと統一感は前述の通りで、マリインスキー・バレエの白鳥の美しさは世界一だと改めて実感した。それをこの古風で歴史を感じさせる劇場で観られた幸せはひとしおだった。ブルドンは情感豊かで技術に優れた、美しく素晴らしいバレリーナだし、これからオペラ座ではオデットを何回も踊ることだろう。でも次マリインスキー劇場で観ることができるなら、その時はやはりマリインスキー・バレエのオデット/オディールで観たい。

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オーレリ・ デュポン引退公演『マノン』映画館上映決定

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昨年5月の、オーレリ・ デュポン引退公演『マノン』。先日はNHK-BSでも放映されましたが、この記念すべき公演を大スクリーンで観るチャンスがやってきます。ご案内いただきました。

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Photo : © Christian Leiber / Opéra national de Paris

バレエ史上最も多くのファンに愛されたバレエダンサーの一人であるオーレリ・デュポンが長年トップエトワールとして活躍してきたパリ・オペラ座で、2015 年 5 月に彼女のダンサー人生の幕を閉じる引退公演が行われた。世界中のファンから愛された彼女の最後の公演には、映画界や政界などのセレブを含む総計 2000 人を超えるファンが駆けつけ、これまでの彼女のダンサーとしての努力と経験を基盤とする円熟した踊りに酔いしれる一夜となった。

この引退公演「マノン」には、主役のオーレリ・デュポンだけでなく、ステファン・ビュリオン、アリス・ルナヴァン、バンジャマン・ペッシュ、カール・パケットなど豪華エトワールが参加している。しかもオーレリ・デュポンの相手役を務めたゲスト・ダンサーのロベルト・ボッレはミラノ・スカラ座バレエ団エトワールでありアメリカン・バレエ・シアターのプリンシパルだ。オーレリのためにトップダンサーが集結した引退公演は、ファンに大きな感動を与え、オーレリ・デュポンにとってはダンサー人生の素晴らしい幕引きとなった。

この公演は日本のバレエファンの中でも話題になり、フランスでは収録された公演が映画館で上映されたこともあり、日本での映画館上映を心待ちにしていた方々も多いだろう。収録にあたり監督を務めたのは、映画界でも高い評価を得てきた映画監督セドリック・クラピッシュ。クラピッシュによる繊細な映像は、生の公演の感動をそのままに、オーレリの細かな表情や仕草、そしてダイナミックな舞台上の動きを見事にとらえている。劇場公開では、一部、本邦初公開となるオーレリのインタビュー映像も一緒にご覧頂ける。ハイスペックな映画館の音響環境と大スクリーンで、オーレリの最後のダンスに酔いしれてください。

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というわけで、やはり映画館のスクリーンで『マノン』を観られるのは、テレビの画面で観るのとは違った大きな感動があるはずです。こちらの『マノン』、主演の二人や、ステファン・ビュリヨン、カール・パケット、バンジャマン・ペッシュといったエトワールのパフォーマンスも観られますし、それ以外の脇キャストでも、容姿端麗のパリ・オペラ座ダンサーたちを大きなスクリーンで観ることができるという楽しみもあります。

パリ・オペラ座 オーレリ・デュポン引退公演『マノン』
出演:
マノン・レスコー:オーレリ・デュポン
デ・グリュー:ロベルト・ボッレ
レスコー:ステファン・ビュリョン
レスコーの愛人:アリス・ルナヴァン
ムッシューG.M.:バンジャマン・ペッシュ
看守:カール・パケット
指揮・編曲:マーティン・イェーツ
演奏:パリ・オペラ座管弦楽団
美術:ニコラス・ジョージアディス
振付:ケネス・マクミラン
監督:セドリック・クラピッシュ、Miguel Octave
収録:2015年5月18日 パリ・オペラ座 ガルニエ宮(フランス)

上映劇場及び上映日
2016 年 6 月 18 日(土)~6 月 24 日(金)
【東京】TOHO シネマズ 日本橋、吉祥寺オデヲン
【神奈川】TOHO シネマズ ららぽーと横浜
【愛知】TOHO シネマズ 名古屋ベイシティ
【大阪】TOHO シネマズ 梅田
【兵庫】TOHO シネマズ 西宮 OS
【京都】TOHO シネマズ 二条
【福岡】TOHO シネマズ 天神
     2016 年 7 月 1 日(金)〜7 月 7 日(木)
【宮城】TOHO シネマズ 仙台(*仙台のみ 7/1~公開)
料金:一律 3,500円(税込)(*TOHOシネマズ 日本橋のPBS:4,500円(税込))
劇場HP:TOHOシネマズ https://www.tohotheater.jp、吉祥寺オデヲン
http://cinemaodeon.jp/
配給:カルチャヴィル合同会社 配給・宣伝協力:dbi inc.
引退公演『マノン』情報HP:http://www.culture-ville.jp

また7月には『マノン』のDVDの発売もあります。ファンは映画館、家でDVDと何回も楽しめてラッキーですよね。

パリ・オペラ座バレエ「マノン」~オーレリ・デュポンさよなら公演~ [DVD]パリ・オペラ座バレエ「マノン」~オーレリ・デュポンさよなら公演~ [DVD]

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モンテカルロ・バレエ「くるみ割り人形カンパニー」ネット視聴可能

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昨年12月30日にインターネットと映画館で生中継された、モンテカルロ・バレエの「くるみ割り人形カンパニー」(ジャン=クリストフ・マイヨー振付」が、Cultureboxで全編視聴可能となっています。(ジオブロックなし)

http://culturebox.francetvinfo.fr/live/danse/danse-contemporaine/casse-noisette-compagnie-par-les-ballets-de-monaco-232877

2013年に初演された「くるみ割り人形カンパニー」、今回はボリショイ・バレエからオルガ・スミルノワとアルチョム・オフチャレンコという豪華なゲストを迎えています。クララの母役として小池ミモザさんが出演。

クララの両親が経営するバレエ学校のスタジオが舞台で、クララはバレリーナを夢見る眼鏡をかけた少女。スタジオの壁面には「牧神の午後」のニジンスキーなど、バレエ・スターの写真が飾られています。そして1幕ではチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」に合わせてバレエ学校の生徒たち(プリンセス・グレース・アカデミーの生徒たち)が踊るシーンも挿入されています。ドロッセルマイヤーは妖精という設定で女性ダンサーが演じており、初演ではベルニス・コピエテルスが踊ったとのこと。2幕もカラフルながらマイヨーらしいスタイリッシュさで、各国の踊りには、マイヨーの「シンデレラ」「ロミオとジュリエット」「ラ・ベル」「夢」からの引用が観られます。終盤に登場するスミルノワ(「美女」)とオフチャレンコ(ロミオ)のパ・ド・ドゥはこの上もなく美しく華麗なものです。衣装の一部をカール・ラガーフェルドが手掛けており、クリスマスにふさわしい、華やかで楽しい作品となっています。

Le Père – Alvaro Prieto
La Mère – Mimoza Koike
Clara – Anjara Ballesteros
Fritz – Lucien Postlewaite
La Fée Drosselmeyer – Mariana Barabás
Les Anges gardiens – George Oliveira, Alexis Oliveira
Casse-Noisette – Stephan Bourgond
Charmant, ami de Clara – Christian Tworzyanski
Zoé, amie de Fritz – Victoria Ananyan
Albrecht, Danseur étoile – Gabriele Corrado
Giselle, Danseuse étoile – Liisa Hämäläinen
Roméo – Artem Ovcharenko
La Belle – Olga Smirnova

ニュース映像

NBAバレエ団×林英哲×新垣隆新作「死と乙女」リハーサル

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5月27日に初演となる、NBAバレエ団の新作「死と乙女」のリハーサルに先日お邪魔しました。

http://www.nbaballet.org/performance/2015/sitootome/index.html

注目の作曲家新垣隆さんが楽曲を手掛け、新垣さんのピアノと林英哲さんの和太鼓による演奏、舩木城さんの振付による作品です。この日は、初めて、林さんと新垣さんが演奏しながら通しで踊るというリハーサルでした。

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まず、新垣隆さんと林英哲さんが生み出す音楽が力強くてメロディアスで、圧倒的に素晴らしいです。ピアノと和太鼓のみの演奏の楽曲でバレエを踊るというのはイメージしづらかったのですが、よく考えてみたらピアノも打楽器なのです。ピアノと和太鼓の応酬によって生まれたハーモニーというのは、パワーを感じさせながらも、同時にメロディも美しく、そして斬新でスタイリッシュ。林英哲さんは言うまでもなく和太鼓では第一人者ですが、新垣さんは作曲家としてだけでなく、演奏者としても超一流で爆演を聴かせてくれ、この二人が火花を散らす様子には興奮します。この音楽でCD出してほしいと思いました。

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舩木さんの振付は、この音楽の持つイメージをそのままダンスにしているのですが、彼の振付も非常に独創的です。タイトルの「死と乙女」はエゴン・シーレの同名の絵画にインスピレーションを得たもの。この絵画の持つ、時にはエロティックな愛と死のイメージももちろんありますが、中心となるペアがあるわけではなく、群舞あり、パ・ド・ドゥあり、同時多発的に様々な動きがあり、さらには複数のダンサーを組み合わせてのリフトなど、複雑な動きもあります。ダンサーたちが駆け抜けていく疾走感のある動きがとても印象的です。途中で大声で泣き出す女性ダンサーが登場するなど、ダンサー一人一人が表情豊かに生の感情を表現していくので、魂を呼び起こし、理屈抜きで人間の根源的な部分に働きかけて、内なる様々な想いを掻き立てていきます。

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新垣さんは、ストラヴィンスキーに影響を受けていると記者会見でも語っていましたが、確かにこの作品はバレエ・リュス的なイメージ、特にニジンスキーが振付けた「春の祭典」を連想させるところがあります。一瞬、「ショピニアーナ」のフレーズが登場したりするところも、バレエ・リュスへのオマージュを感じさせます。一流の音楽家たちとコラボレーションして、新しい作品を作り上げるというコンセプト自体が、とてもバレエ・リュス的だと感じました。

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エゴン・シーレ「死と乙女」

100年前に、パリでディアギレフ、ニジンスキー、ストラヴィンスキーがバレエに革命を起こしたように、この「死と乙女」という作品が日本のバレエ界に革命を起こしてくれるのではないか、そういった期待を持たせてくれる、大変わくわくさせてくれたリハーサルでした。

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もう一作品、アイルランドの民族舞踊を基にした「ケルツ」のリハーサルもありました。こちらの作品でも、途中の男性ダンサーたちによるパートは、和太鼓の生演奏に合わせて踊られます。この和太鼓を演奏するのは、林英哲さんの音楽に共鳴する若手奏者たちの太鼓ユニット「英哲風雲の会」で、パワフルな男性ダンサーたちの踊りにとてもマッチしていました。躍動感があって、とても素敵な作品でした。

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日本のバレエ界は、どうしても古典作品中心で、新しい作品が生まれにくくなっています。そのような状況を打破すべく、久保紘一芸術監督は、日本発の新しいバレエを生み出そうと今回の公演を企画しました。この挑戦する姿勢は素晴らしいし、そしてリハーサルを観た限りでは、とても興奮させられる、そして観て聴いて面白い、新しい芸術の誕生に立ち会える瞬間が待っていると感じさせてくれました。バレエやダンスに関心がある人だけでなく、音楽を愛好する人、アートを愛する人、いろんな人が観て、インスピレーションを得られる作品になっていると思います。公演がとても楽しみです。

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公 演 名:
『死と乙女』
日   時:
2016年5月27日(金)開場18:30・開演19:00
    5月29日(日)開場12:30・開演13:00
            開場16:30・開演17:00
公演は約2時間を予定
会   場: 北とぴあ
チケット料金:
全席指定
5月27日(金)プレビュー公演
SS席 9,000円
 S席 7,000円
 A席 6,000円
学生席 3,000円(大学・高校生)
5月29日(日)本公演
SS席 10,000円
 S席 8,000円
 A席 7,000円
学生席 3,000円(大学・高校生)
お問い合せ・
電話予約: NBAバレエ団事務局(月~金10:00~17:00)
Tel:04-2937-4931

芸術監督・演出:久保紘一
作曲:新垣隆
振付:第三部「死と乙女」/舩木城 ・ 第一部「和太鼓」/宮内浩之

Act1 和太鼓 英哲風雲の会
Act2 ケルツ ライラ・ヨーク振付
Act3 舩木城 新作「死と乙女」

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