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山本康介さん『英国バレエの世界』独占ロングインタビュー

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英国バーミンガム・ロイヤル・バレエで10年間活躍してファースト・ソリストとなり、日本に帰国後はローザンヌ国際バレエコンクールなどテレビ番組の解説者、指導者、振付家として幅広く活動している山本康介さん。温かい人柄がにじみ出るわかりやすい解説でもおなじみです。コロナウィルス禍の緊急事態宣言の際にはInstagramで平日レッスンを自宅から配信し、的確な指導と美しいお手本で大好評を博しました。トップのプロダンサーからダンサーの卵たちまで、千人を軽く超えるダンサーたちが毎回参加していました。

 

その山本さんが、10年間の英国での経験と、帰国後の10年で切り開いていった類のない道のりから得た知見をつづった著書、『英国バレエの世界』(世界文化社)が出版されました。山本さんの明るく柔らかい声が聞こえてくるような親しみやすい言葉で、バレエの本当の魅力が語られ、この本を読み終わった時には知識だけでなく、心が豊かになった気持ちになるような快作です。

山本さん自身の道のり、英国バレエの歴史―偉大な振付家やダンサーたち、そして英国バレエの特徴。また本場英国の名門でダンサーとして踊ってきた山本さんの視点ならではの英国的な作品の魅力が実感を伴って語られています。今の日本のバレエ教育の問題点、振付家や解説者という立場だからこそ語ることができる本質ももちろんですが、ダンサーとしての経験に裏付けられた、踊る上でバレエの歴史や作品の背景を知ることの大切さが説かれています。

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手に取りやすいサイズ、シンプルでシックな装丁、わかりやすく見やすい注釈、持ち歩いて繰り返し読み返してみたい豊かで素敵な一冊です。バレエを学ぶ若い人から、バレエを観るのが趣味の大人、そして指導者まで多くの方たちに読んでいただきたい、バレエへの愛が詰まった宝石のような本です。

その山本さんに、この本を作るにあたっての想いを語っていただきました。

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「バレエの正しい認識を持って、奥が深いものを感じ取っていただけるようにしたい」

Q: この本『英国バレエの世界』を作るにあたってこだわったポイントは?

山本 「最初は漠然と本を出したいという気持ちはありました。ぼくが今解説という仕事をしているのは、みんなに正しい認識を持ってもらいたいからです。引っ越し公演で日本に来ると、芸術全体の形を観に来ているというよりも、トウシューズを履いているとか、たくさん回っている等、バレエの一部分に目が行きがちなのかな、と感じていて……。総合芸術に対する認識がヨーロッパとは違うと思いました。西側のバレエ団は、バレエ・リュスを通してみんなつながっていて、皆関係性を持っているカンパニーです。招聘公演だったり、有名なスターだったりを日本で観られるような時代になりました。だからこそ、正しい認識を持つようになって、脚が高く上がっているとか外見だけでなく、もう少し奥が深い何かを、実際に観た時に感じ取っていただけるようにしたい、と考えたのが最初のきっかけです。」

「編集の方と試行錯誤を重ねて手に取りやすい本を目指しました。実験的にいろいろやりながら、デザインやレイアウトにもかなりこだわり、今まで見たことがないような本を作りたいという気持ちで制作しましたね。コロナウィルス禍が起きるとわかっていたら、もう一章入れていたと思います。世の中における、バレエのありかたといったことを入れたかったですね」

 

バレエ界の中で、ぼくがこれまで培ってきた知識や経験を、少しでも与えられる人になりたい

Q:山本さんの、バレエそのものに対する愛も感じられますし、バレエを学んでいる人への愛も感じられる一冊になっていると思います。山本さんのバレエへの愛はどうしてこんなに深くなったのでしょうか。

山本 「ぼくのバレエに対する愛が深くなったのは、実は日本に帰ってきてからの方が強くなったのです。帰国して自分がダンサーの立場、プレイヤーから外れた時に、環境が整っていない人たちと関わる機会が、海外にいるより圧倒的に増えました。その中でも踊りたいという気持ちは実力に関係なくあるものなので応援したい。バレエ界の中で、ぼくがこれまで培ってきた知識や経験を、少しでも与えられる人になりたいと思ったのがきっかけです」

 

Q:20代で現役のダンサーを退いて、新しいキャリアへ移って行ったのはなぜでしょうか。

山本 「いつまでも踊れるわけではないと思っていました。外国のバレエ団では意外と引退が早く、30歳そこそこになると次は何しようか、と考える方も多いのです。ぼくたちも学生の頃から、セカンドキャリアを持つことが大事だと教えられてきました。自分の中でいつ辞めて次は何をしようかということを頭の中でいつも考えていました。ぼくはまだ自分にパワーがある時に、次にやりたいことがあるなら準備をしておいた方がいいと思っていました。今やっと辞めて10年目に入って、自分が漠然と何となくやりかけたことがやりたい方向に進みだしていると感じ始めているくらいでした。その矢先に、このコロナウィルス禍となってしまいました。」

「ぼくたちは、とても若い時にプロのダンサーになりたいという気持ちがないと、プロにはなれない職業です。世の中の仕組みがわかった時には、もうバレエダンサーになって何年か経っていて、どんなに成功しているダンサーでもこれで良かったのだろうか、と思う時が来ます。踊ることそれ一本でいくという人もいれば、経験を経て何を伝えるかという風にスイッチしていく人と、やはり両方いないと、誰もがバレエ団の中でバレエマスターとか芸術監督として残れるわけではありません。広い知識を持ち自分自身で世の中に目を向けることをしていないと、転職するにしてもタイミングが大事です。外国のカンパニーではキャリアのサポートはあります。ぼくは若い頃は力で踊るタイプで、そういう力があったのでできてしまったところもあったのですが、辞める前にコントロールするということをようやく学びました。自分が教えることで、たくさんのバレエのことを学びました」

 

Q:ご著書の中で、日本のバレエを輸出するために振付家・演出家が出てきてほしいと願っているという言葉に共感しました。英国で踊られていた山本さんはどうしてそのように感じられたのでしょうか。“ロイヤル・スタイルというものはない”という章も大変興味深く読ませていただきました。

山本:「昔は外国の作品を買って上演していたバレエ団は少なかったのですが、今は日本のバレエ団でも、外国の名の知れたプロダクションを借りたり衣装を新制作したりして上演するというのが当たり前になってきました。そうやってバレエを観るお客さんが増えてきた、育ってきたと思います。でもやはり日本のスタイルというものを作っていかないと、逆輸入になってきて、外国で踊ってきたからいい、外国で成功してきたからいいバレエという時代ではなくなってきたと思います。自分たちのスタイルを身につけていく時が来たと思います」

「“山本さんはロイヤル系だから”と言われてきました。“ロイヤル系じゃなくてロイヤルですよ”と答えているのですが。メソッドとしてのワガノワ・スタイルだったり、オペラ座のスタイルだったりと、昔から培ってきたものを体に叩き込んでいく中でのメソッドというものはロイヤル・バレエにはないので、いろんなものを取り入れて行ったもの、作品重視で成り立っていったのが今のロイヤル・バレエのスタイルです。そういったスタイルについての知識はとても大切なことです」

 

Q:この本の中では、山本さんが実際に踊られた、多くの英国的お勧め演目について語っておられますが、その中でも山本さんが特に好きな作品は何でしょうか?

「それは本を読んでいただいた印象にお任せしますが(笑)。本に掲載されているもの以外では、今回ページ数の関係で割愛してしまったのですが、アシュトン振付の『シンフォニック・ヴァリエーションズ』です。短編のバレエの中でも一番好きかもしれません。そしてバランシン振付の『テーマとヴァリエーション』も大好きです。『シンフォニック・ヴァリエーションズ』こそ、自然なのにダイナミック、チャーミング、そして繊細で、叙情で表す言葉がすべて入るようです。バレエ・リュスの人がこれを観たとしたら相当感激すると思います。アフターヌーンティーのような英国的なバレエです。

『テーマとヴァリエーション』は音楽との一体感が素晴らしいしクラシックバレエの豪華さもあります。踊る楽しさとクラシックバレエの豪華さが一緒になったようなバレエです。フィナーレの頂点に達した高揚感は観ていても鳥肌が立ちます」

 

Q:バーミンガム・ロイヤル・バレエではデヴィッド・ビントレー監督の作品をたくさん踊られましたね。

「バーミンガム・ロイヤル・バレエにいると、比重として芸術監督のデヴィッド・ビントレーの作品がレパートリーの約半数程度を占めていましたので、彼の作品とそれ以外とを両立させることが求められていました。現役時代は、そのバランスに疑問に思った時期もありましたが、彼自身が白いバレエやアシュトンの作品にも敬意を払っている人だったので、必然的にまんべんなくこれらの作品の大切さがわかるようになりました」

「デヴィッドの作品で観るのが一番好きなのは『ペンギン・カフェ』です。フィナーレで全員集まるのは楽しいので踊るのも好きでしたが、観ていてもテーマ性がとてもしっかりしているし、音楽もちょっと変わった感じでとても良くて、みんなに観てほしい作品です。実際に踊って好きだった作品としては『カルミナ・ブラーナ』です。音楽の持つパワーが舞台を覆って、暗い照明の中で自分が踊りたいから踊っているというよりも、力で押されて踊らされている自分を感じました。テーマも神に背く、大罪を犯すことについてのバレエです。強く背中を押されて踊っている何かをとても強く感じていました。不思議な感じで、衝撃的でしたね。ああいった演出だったりデザインだったりはデヴィッドの性格とは真逆のところがあって、彼はとても物静かで人に対して失礼なことはしないし、英国的なマナーを持った人なのに、あのような奇抜な面も持っているんだと、びっくりしました。歌の内容もわかりやすく表現していますね」

「他に踊っていて楽しかったバレエとしては、バランシンの作品は全般的に好きでした。『アゴン』などはチャレンジし甲斐がありました。海外のバレエ団はいろんな振付家の作品を踊ることができます。それでもバーミンガムは偏っている方だと思いますが。芸術監督がカルロス・アコスタになってウヴェ・ショルツやイリ・キリアンの作品もレパートリーに入りました。今このような時期なので各バレエ団も来シーズンのレパートリーが予定通りになるかわからないところがありますが。いい意味でも悪い意味でもダンサーにとって変化というのは必要なのです」

 

『ロミオとジュリエット』と『ライモンダ』を創るのが夢

Q:帰国されてからは、振付家としても活躍されており、この本の中でも作品が紹介されています。作品を創作するにあたって心掛けていることはどんなことでしょうか。

山本:「作品を振付けるにあたっては、作品を創ってみたい、という気軽な気持ちはあったのですが、やらないといけないから創ったというところで学んでいったことの方が多いと思います。やりたいことを何でもいいからやるといいよ、と言われると意外と、お料理と一緒でうまくできなかったりします。冷蔵庫の中にこの材料があるので、と決まったもので創ってくださいと言われた時の方が良いものができたりしますよね?!制限、条件がある中でできたものの方が、自分の勉強になります。

このように見せるというのは日本に帰ってきてからです。イギリスにいる時から作品は創作していましたが、日本に帰ってきてからの方が、プロ、アマチュアを問わず自分の指導者としての配分を強くしながら、そうしなければならない比重が強くなったので、それで伝えることもクラシック重視でみんなの勉強になるように作るという方向が定まってきました。最近では、瀬島五月さんに振付けた『椿姫』の評判が良かったのですが、これは再演したいと思っています」

「今後は、『ロミオとジュリエット』『ライモンダ』を創ってみたいという振付家としての夢があります。『ライモンダ』という演目がとても好きなのです。でも納得するプロダクションをあまり見たことがなくて。ヌレエフ版はセットや衣装は好きですが、少し長すぎます。ステップも詰め込まれすぎていてしんどそうだと思ったりするので、自分で創ってみたいと思っています。『ロミオとジュリエット』の方が難しそうです。マクミラン振付のものが自分の中に強く入っているので、いざ作らなければならない時にはとても悩むと思いますが挑戦したい」

 

Q:バレエを正しい形で多くの人に知ってほしいという気持ちがこの本から伝わってきます。バレエはどうしたらもっと気軽に見てもらえるようになるのでしょうか。

山本:「バレエだけでなくてどの業界の風潮からも見てみると、たくさんのお客さんの動員をするためにはコラボレーションが重要だと思います。わかりやすくかみ砕いたものと、この二つが主流になってくると思います。今の人に『白鳥の湖』を劇場の中で3時間かけて観ろと言うのは、時間や余裕がない方がたくさんいるので難しい。短めのわかりやすいものを入り口すると、きっかけになるかもしれません。オペラとバレエなど、いろんな分野の人を混ぜたような、一時期のシルク・ド・ソレイユが成功したような、あらゆる多方面の肉体的な技術に長けた人たち、パフォーマンスをする人たちにテーマ性のあるものを表現してもらう方法が成功していますね。そういうビジネスモデルが出てきているのを感じます。バレエは衣装担当や、照明の人たちもいて、音楽の演奏家も必要な総合芸術ですからお金もかかりますが、総合芸術の素晴らしさは理解してもらえるようにしなければなりません」

 

「政治、自分の住んでいるところのシステムをよく知ることも大切なこと」

Q:コロナウィルス禍で、ダンサーの皆さんは舞台にも立てませんし、稽古場でレッスンをすることもできませんが、山本さんがInstagramで毎日配信していたクラスが、そのようなダンサーたちにとても好評でした。今ではInstagramのフォロワーが7800人もいます。ダンサーの皆さんへのメッセージがあれば教えてください。

山本:「レッスンを受けられない毎日の中でも、ダンサーの皆さんの努力は素晴らしいです一日何クラス受けた、といったことを話している方もたくさんいます。たくさん受けたからといって上手になるわけではないのですが、日本人のダンサーは真面目ですね。クラスを受けてくださる方も多くてフォロワーが増えました」

「今回のコロナウィルス禍があると、舞台芸術への打撃も大きくて、すぐに元通りになるのは難しいと思います。みんなで協力できることは協力して、バレエ団の垣根を越えて誰か共通して動く人が必要だと思うので、ぼくも交流をどんどん進めていきたいと思っています。10年前にはあまり考えられなかったのですが、ぼくは今では多くの団体と仕事をさせていただいています。バレエファンも変わってきたところだと思います」

ダンサーは健康体であることが大切、それで成り立っている職業です。今は我慢して出歩かないで、医療崩壊を避けるためにも自分が病院に行かないで済むように、怪我をしないで健康体であることが大切だと思います。今回のことで皆さん考える時間はたくさんあると思うので、自分の今後の先行きとか、政治、自分の住んでいるところのシステムをよく知ることも大切だと思います。自分で今何が起きているかという情報をキャッチして、それに対してどう思うかということを社会に発信していくということ、もう少しコミュニティの中で。政治に対してもう少し関心を持つこと、それはダンサーだけでなく若い人全般に対してですが、そうしてほしいと思っています」

 

具体的にできることを自分で考えて行動を起こせることが、プロを目指すうえで大切

Q:プロを目指している若い人へのアドバイスは?

山本:「SNSなどを通して、いい情報も間違った情報も山ほど入ってきます。自分が惑わされない強さを持つこと。調べたり動いたりすることだけではなく、待つことがプラスになることもたくさんあります。自分で計画をきちんと立てること、10年後にバレリーナになりたければ、2年後にはこうなっていて、それがコンクールで賞を取るということではなくて、クラスの中でできるようになるというような。また、3年後に留学したいなら英語の勉強を1年前までに終えていないといけないとか、具体的にできることを自分で考えて行動を起こせること、それがプロになるために一番大事なことではないかなと思います」

「もちろんバレエが大好きというのは前提だと思いますが。計画通りにならないこともありますが、自分が目標を持ったからこそ、計画通りに行かなくても次が見えてくるところがあると感じます。ぼくの考えたことや経験したことが、その人に必ずしも合わないこともありますが。でも人の話は聞かないよりは聞いた方がいいと思います。指導者はやはりとても大事です。週1とか週2のレッスンだからこそ、きちんとした先生につくべきです」

 

Q:山本さんが指導をされるときに心がけていることはどんなことでしょうか。

「指導者として自分に言い聞かせていることは、絶対に怒らないことです。自分が怒ってしまったら自分が負けだと思います。子どもがなぜそう思うのか、ということを理解することで、相手が自分のいうことを聞きたい、という先生になりたいと思います」

(この本を購入された方の特典として、山本さんが指導するレッスン動画が視聴できます(上記動画のロングバージョン)。「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」のヴァリエーションです)

 

Q: 山本さんの今後の夢をお聞かせください

「ぼくの夢としては、国際交流の懸け橋になりたいということです。ヨーロッパと日本というのはもちろんですが、アジアの中の日本というのも考えています。日本も新しい時代が来ていると思います。東南アジアにも、アフリカにも、ヨーロッパにも、とても良いプロダクションや、良いダンスを持って公演に行きたいですね。日本のバレエ団も年に一回くらい海外ツアーに行って帰ってくるくらいのことが当たり前のことになってほしいと思います。」

「コロナウィルス禍という時期なので、毎日の生活も大変だと思いますが、今はみんなで考える時期です。文化や芸術は心の栄養になるので、皆さんが収束後に劇場に足を運ぶことができるように、皆さんにも努力をお願いしたいです」

 






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緊急事態宣言発令の次の日から 平日は毎日続けてきたオンラインクラスも あと2回になりました。 その間にたくさんのメールを頂きました。 返信しきれてないのですが、ここでお礼に返させて頂きます。 コロナウィルスが無くなったわけではなく、第2波が起こらないようみんなで努めながら仕事に戻る、ここからの方が大変ではないかと思います。けれども何が大切か、皆さん今回学んだことを活かして前進していきましょう。くれぐれもお気をつけて。 ありがとうございました。 Full 8weeks of online class has finally come to an end this week. All the dancers in Japan sort of manage to work slowly back in their studios. I have had so many lovely encouraging messages over this period,and never felt this much connected with the all other dancers! Thanks and keep staying safe and healthy.

Kosuke Yamamoto(@kosuke_apollon)がシェアした投稿 -

にこやかで親しみやすい語り口の中に、バレエへの情熱と、現役ダンサーや後進へ贈る暖かい視線が伝わってきた山本さん。英国と日本での経験に裏打ちされながらも、そこに留まらない幅広い視点で今の日本のバレエ界に欠けているものをしっかりと見据えられていました。山本さん以上に、バレエの伝道師として活躍してほしい方はいないと思うほどです。『英国バレエの世界』ぜひ手に取って持ち歩き、繰り返し愛読してほしい一冊です。


作曲家ハチャトゥリアンの実話を描いた映画「剣の舞 我が心の旋律」7月31日公開

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第二次世界大戦下のソ連を舞台に、ロシアの音楽界を代表する巨匠、作曲家アラム・ハチャトゥリアンの若き日を描いた感動の実話「剣の舞 我が心の旋律」が7/31より公開されます。

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https://tsurugi-no-mai.com/

ハチャトゥリアンといえば、現在もコンサートでの演奏回数は屈指の名曲『剣の舞』を始め、浅田真央さんのバンクーバーオリンピックでメダルをもたらしたスケートプログラムでも有名な『仮面舞踏会』そしてボリショイ・バレエが今年予定されている来日公演で上演する『スパルタクス』など、数々の名曲を生み出した巨匠。実はこの『剣の舞』はわずか一晩で書き上げられたということで、その作曲にいたるまでのエピソードがこの映画です。

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<ストーリー>

 第二次世界大戦下のソ連。疎開中のキーロフ記念レニングラード国立オペラ・バレエ劇場は、10日後にお披露目するバレエ『ガイーヌ』のリハーサルに集中していた。しかし、アラムは振り付け家のニーナから修正を求められ、その上、文化省の役人プシュコフから曲を追加せよと難題を命じられる。過去にアラムとトラブルを起こしたプシュコフは、周囲を巻き込み復讐のチャンスを虎視眈々と狙っていたのだ。作曲家としての意地とアルメニア人としての誇りを胸にアラムはピアノに向かう。様々な感情が渦巻く中、鍵盤の上でひとつのリズムが踊り始めた。

第二次世界大戦中のソビエトで、粛清が吹き荒れるなど政治的な抑圧の中。当時はまだ新進作曲家だったハチャトゥリアンが、きわめて短い期日までに、新作バレエに、政治家の意図に沿う音楽を追加せよという理不尽な命令を受け、さらに監視までつけられながら自身のルーツであるアルメニアへの想いをこめて音楽を創造します。政治的な抑圧と自身の芸術家としての矜持の葛藤がテーマとなっています。隙あらば彼を失脚させようとする役人とスパイとして送り込まれたサキソフォン奏者もおり、追加振付を命じられた振付家とも衝突。この時代なので失敗すれば粛清か戦争の最前線に送られてしまうという絶対絶命のピンチで、ハチャトゥリアンは病気にもなってしまいます。

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緊張感あふれる描写の中、ひと時心を和ませてくれるのは、盟友である作曲家ショスタコーヴィチオイストラフが、陣中見舞いに来てくれたこと。3人の音楽家が楽団の演奏に飛び入りし、音楽談義をして楽しい時を過ごすシーンは非常に印象的です。

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バレエ作品の初演について描かれている作品なので、バレエシーンもところどころ挿入されています。これから最前線に送り込まれてしまう兵士たちのために、ダンサーたちが踊るシーンは切ない。そしてクライマックスの『剣の舞』は勇壮で大迫力の情熱の踊りが展開します。ハチャトゥリアンに想いを寄せるバレリーナ、サーシャも主要な登場人物として登場。もう一つのハチャトゥリアンの代表曲である「仮面舞踏会」が流れる中の二人の会話は、純粋な愛情と音楽の美しさが融合して何も起こらないのにとてもドラマティック。バレエファンにとっても当時の雰囲気が伝わってきて大変興味深いと思います。実際の撮影はハチャトゥリアンゆかりのアルメニア、エレバンの劇場で行われたとのこと。

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結果的にバレエ『ガイーヌ(ガヤネー)』の初演は大成功をおさめ、ハチャトゥリアンは巨匠への階段を昇って行くものの、その陰で涙を流し、押し潰されて散っていった人々の姿も描かれて苦さも残ります。また、映画『アララトの聖母』でも描かれた、トルコ軍による大虐殺という悲劇に見舞われたアルメニアに寄せるハチャトゥリアンの想いは胸を打ちます。

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バレエ『ガイーヌ(ガヤネー)』は現在では上演回数は少なくなってしまっていますが、作品が作られた経緯については、赤尾雄人さんの著書「これがロシア・バレエだ!」に詳しく書かれています。『剣の舞』パートはボリショイ・バレエ学校の来日公演やモスクワ音楽劇場バレエの来日公演で上演されたこともあるとのこと。振付は、ワイノーネン振付『パリの炎』の初演でテレーズ役を踊ったニーナ・アシ―ニモワ(キーロフ劇場の元キャラクターダンサーで、『ガイーヌ』の台本を書いた演劇学者コンスタンチン・ジェルジャーヴィィンの妻)。

初演は1942年12月9日、キーロフ劇場の疎開先であるモロトフ(現ペルミ)の劇場です。主役ガヤネー役はナタリア・ドゥジンスカヤ、アルメン役はコンスタンチン・セルゲーエフでアシーニモワも出演しました。初演は素晴らしい主演陣によって踊られ大成功を収めましたが、戦意高揚的な内容はやがて時代遅れとなり、1953年にボリショイ劇場で上演されるにあたってワイノーネンが振付けて大幅に改定され、音楽も全曲の3分の1をハチャトゥリアンが新しく作曲したとのことです。その後も新しい演出による上演がモスクワ音楽劇場、レニングラード・マールイ劇場、モスクワ国立クラシック・バレエなどで行われ、そのたびにハチャトゥリアンは手を入れたとのことです。

(これはボリショイ劇場、1964年の上演のワイノーネン版の映像で、ハチャトゥリアン自身が指揮しています)

(こちらはマリインスキー・バレエでの上演で、オリジナルのアシーニモワ振付。イスロム・バイムラードフ、カレン・イオアニシアンなどが出演、指揮はワレリー・オフジャニコフ)

アルメニア国立バレエ団が、マリインスキー劇場の白夜祭で上演した「ガヤネー」全幕。Vilen Galstyan振付、演奏はマリインスキー管弦楽団。

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<出演>

アンバルツム・カバニャン(アラム・ハチャトゥリアン)
ヴェロニカ・クズネツォーヴァ(サーシャ)
アレクサンドル・クズネツォフ(プシュコフ)
アレクサンドル・イリン(オイストラフ)
イヴァン・リジコフ(ブラーギン)
インナ・ステパーノヴァ(ニーナ・アニシモワ)
セルゲイ・ユシュケーヴィチ(デルジャーヴィン)

<スタッフ>

監督・脚本:ユスプ・ラジコフ
プロデューサー:ルベン・ディシュディシュヤン、カレン・ガザリャン、ティグラン・マナシャン
撮影技師: ユーリ・ミハイリシン
編集: デニス・ルザーノフ
音楽: アレクセイ・アルティシェフスキー、アンドラニク・ベルベリャン
配給:アルバトロス・フィルム

さて、私はこの映画の推薦コメントを寄せさせていただいています。バレエダンサーの柄本弾さん(東京バレエ団)、宮尾俊太郎さん(K-Ballet Company)、作曲家の池辺晉一郎さんなど錚々たるメンバーの中で大変恐縮していますが、大変な時にあっての芸術の素晴らしさと言論/表現の自由の大切さを謳っている素晴らしい作品なので、ぜひ音楽ファン、バレエファンはじめ多くの方に観ていただければと思っています。

永遠の名曲、美しくも勇壮なバレエの誕生秘話。ハチャトゥリアンの、芸術家としての、そして人間としての苦悩、政治と時代のうねりに押しつぶされていった名もなき芸術家たちの涙を、情熱みなぎる描写で、真摯に描く。
音楽を、芸術を、そしてバレエを愛する人に、今の時代だからこそ観てほしい、魂に深く響く名作。
森 菜穂美

劇場情報

7月31日(金)公開

新宿武蔵野館

kino cinema 立川高島屋 S.C.館

kino cinema 横浜みなとみらい

名演小劇場

他 シアター・キノ、テアトル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸、KBCシネマなど全国順次公開

 

SHIVER2020公演 レビュー掲載

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ワールドクラスのバレエダンサー・アーティストを至近距離で見られる全席SS席のパフォーマンス、SHIVER2020が8月1日に開幕しました。

https://ballenta.net/shiver

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2015年より開催されている横浜バレエフェスティバルの前夜祭として、昨年SHIVERは始動しました。昨年4月にパリのスタジオで最初のパフォーマンスが行われたものが原型で、その後横浜バレエフェスティバルの前夜、そして新宿村スタジオでも50人の観客を迎えての公演が行われました。”至近距離ならではのダンサーの迫力”を観客が体験できるパフォーマンスです。

今年はコロナウィルス禍のため、横浜バレエフェスティバルは残念ながら中止となってしまいましたが、少人数の観客、出演者によるSHIVERは、感染防止策を万全にして開催されることになりました。

そのSHIVERの横浜公演の前夜祭、そして初日の昼公演を拝見したのですが、近い距離で観る一流のバレエの美しさ、素晴らしさに感動した、エキサイティングな体験でした。特にニジンスキーの再来というべき美しき踊り、パリ・オペラ座で一層磨かれてきた二山治雄さん、そして心を揺さぶる圧巻のソロを見せてくださった高瀬譜希子さんのパフォーマンスは心震えるものでした。コロナウィルス禍 で生の興奮を奪われていた観客にとっては、久しぶりに接する心震える(=SHIVER)体験だったはずです。

その公演レビューを、バレエナビに書かせていただきました。

https://balletnavi.jp/article/pickup/20200804-5217/

この後、長野県戸隠、再びの横浜、そして京都の公演があります。戸隠 、横浜ではモンテカルロ・バレエの美神・小池ミモザさんと和太鼓奏者の佐藤健作さん、京都では新国立劇場バレエ団の至宝・米沢唯さんと木下嘉人さんが加わります。

 

<出演>※公演によって出演者は異なります。

二山治雄(パリ・オペラ座 契約団員)

米沢唯(新国立劇場バレエ団プリンシパル)

小池ミモザ (モナコ公国モンテカルロ・バレエ団 プリンシパル)

東真帆(パリ・オペラ座 契約団員)

高瀬譜希子(元カンパニー・ウェイン・マクレガー)

佐藤健作 (和太鼓奏者)

木下嘉人(新国立劇場バレエ団ソリスト)

柳本雅寛 (振付家・ダンサー 、+81主宰)

遠藤康行(元フランス国立マルセイユ・バレエ団 ソリスト・ジュンヌバレエYOKOHAMA振付指導)

飯島望未(ヒューストンバレエプリンシパル)

中島映理子(元パリ・オペラ座 現クイーンズランド・バレエ)

ジュンヌバレエYOKOHAMA(7月31日)

◆ 7月31日(金)SHIVER横浜
(旧名称:横浜バレエフェスティバル2020前夜祭)
会場:The Hall Yokohama(90席)
開演:19:30
出演者:二山治雄・東真帆・高瀬譜希子・遠藤康行(進行・指導)・ジュンヌバレエYOKOHAMA
~完売~

【重要】
自由席の予定でしたが座席指定に変更となりました。
詳細はこちらをご確認ください。
https://ballenta.net/0731seat/

◆ 8月1日(土)SHIVER横浜
会場:The Hall Yokohama(93席)
開演:昼公演 14:00  / 夜公演 19:00
出演者:二山治雄・東真帆・柳本雅寛・高瀬譜希子・飯島望未・中島映理子
https://ballenta.net/shiveryokohama

※キャストの変更がございます。↓こちらからご確認ください。
https://ballenta.net/shivercastnews200702
(以上終了)

◆ 8月2日(日)SHIVER横浜
会場:The Hall Yokohama(93席)
開演:17:30
出演者:二山治雄・東真帆・柳本雅寛・高瀬譜希子・飯島望未
https://ballenta.net/shiveryokohama

※キャストの変更がございます。↓こちらからご確認ください。
https://ballenta.net/shivercastnews200702
~8月2日(日)S席完売~
A席は、両日とも引き続き販売いたしております。(2020年7月30日現在)

◆ 8月8日(土)・9日(日)SHIVER戸隠(長野県)
会場:佐藤健作戸隠稽古場(100席)
開演:8日(土)15:30 / 9日(日)13:30開演
出演者:小池ミモザ・二山治雄・東真帆・高瀬譜希子・佐藤健作(和太鼓)
https://ballenta.net/shivertogakushi
 ~8月8日(土)・8月9日(日)S席完売~
※A席は、両日とも引き続き販売いたしております。(2020年7月30日現在)

 

◆ 8月15日(土)SHIVER横浜 
会場:The Hall Yokohama(93席)
開演:昼公演 14:00  / 夜公演 19:00
出演者:二山治雄・東真帆・柳本雅寛・高瀬譜希子・ 中島映理子・小池ミモザ(追加キャスト)
https://ballenta.net/shiveryokohama

※キャストの変更がございます。↓こちらからご確認ください。
https://ballenta.net/shivercastnews200702

 

◆ 8月17日(月)・18日(火)SHIVER京都
会場:ロームシアター・ノースホール(84席)
開演:17日(月)19:30 / 18日(火)19:00
出演者:米沢唯・木下嘉人・二山治雄・東真帆・高瀬譜希子・佐藤健作(和太鼓)
https://ballenta.net/shiverkyoto
~~8月17日(月)・8月18日(火)S席完売~~
※A席は、両日とも引き続き販売いたしております。(2020年7月30日現在)


各公演チケットについてはこちら
https://ballenta.net/ticket

 

 

 

勅使川原三郎 KARAS APPARATUS 7周年、「タルホ 稲垣足穂の破片」と「妖精族の娘」

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この夏に開館7周年を迎えた勅使川原三郎のスペースKARAS APPARATUSでは、現在


アップデイトダンス
No.73「タルホ 稲垣足穂の破片」

が上演中です(8月7日が最終日)

http://www.st-karas.com/news_jp/

B-20200730-234427

小説家詩人である思想家稲垣足穂から多く影響をうけたが

私は思考がダンスをつくること自己の対象化を学んだ

勅使川原三郎

勅使川原三郎が稲垣足穂の摩訶不思議な世界をダンスに仕立て上げた。舞台には紗幕がかかり、シュールなCGアニメーションが映写される。そしてこの幕にかかる勅使川原、佐東利穂子の二人の影は、二重写しになったかと思ったら背が縮んだり、姿が消えたりする不思議さ。毎回、照明の巧みさに驚かされるのだけど、コロナウィルス禍を逆手に取ったように客席との間を隔てる紗幕をかけることで、こんな効果が出せるとは。

C-20200731-222633



ロックンロール的なスタイリッシュもあったと思えば、勅使川原が幼児返りしたりと滑稽な描写もあり。照明を巧みに駆使して舞台の奥ゆきを生かした遠近感を出している。ぽっかりと月が現れたり。「くるみ割り人形」のロマンティックな旋律で美しい妖精を見つめる、夢見るような少年の姿に戻ったり、変幻自在の多彩な表現で夢幻の世界へと連れて行かれた。
小さな空間で、二人のダンサーだけで無限にイマジネーションを奔放に遊ばせ、多次元の宇宙を作り上げる力を持っているのが勅使川原三郎。七周年であると共に、アパラタスでの公演がなんと555回を数えたというから驚愕するほかはない。常にアヴァンギャルドで、見たことがないような独創的な世界を生み出す玉手箱がアパラタスである。

 

タルホ 稲垣足穂の破片
 
いわゆる少年が持つ葛藤、自己や世界の裏と表から直感する
 
戸惑いから一挙に救い出してくれたのがタルホの世界観でした。
 
奥底に沈殿する重さから浮上して軽やかに時間や場所に移動す
 
る軽やかさ、表面に広がる瞬間的永遠性、美のはかなさ、無声
 
映画のスラップスティックなイメージは現実にも展開できるの
 
だと自覚した。権威や高踏的経験など不要な自由を獲得した。
 
夢こそが現実、タルホが言う、夜空に浮かぶ月はブリキ製と知
 
った時から世界も時間も思い通りに取り扱って良いのだと勇気
 
づけられた。それは単なるイメージの遊びではなく生きる思想、
 
伝えられた古き文化風習の有り方は、良きも悪しきもその人間
 
の身体性によって異なる。新旧ではない時間の扱いには身体が
 
伴う思想が無ければ生かすことはできない。世界の価値は未だ
 
固定されていなくて、随時生きる者によって想像的に作られる。
 
そして古きものが現実になり、新しきものが古くなり得るのだ。
 
私はそのように生き、カラス アパラタスもつづいていくだろう。
                       勅使川原三郎

 

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演出・照明 勅使川原三郎

出演 勅使川原三郎 佐東利穂子 

【公演日程】2020年

87日 ()  20:00
_________

全8回公演

【劇場】カラス・アパラタス/B2ホール

【予約】 〈 ご予約受付中です 〉
メール  
updatedance@st-karas.com

件名を「アップデイト予約No.73」として、

本文にご希望の日付・一般または学生・枚数・郵便番号・住所・氏名・

日中連絡のつく電話番号をご記入ください


【フォーム】
https://www.secure-cloud.jp/sf/1593747432yrjXPhcj

【当日券】
TEL 03-6276-9136
_________________________________________ 

8月下旬の次回のアップデイトダンスNo.74の予約も受け付け中です。
今後の公演にもぜひご期待ください。
 
▶︎8/21(金)-8/29(土)
アップデイトダンスNo.74
「妖精族の娘」ダンセイニ原作

No7402
 
・予約フォーム:https://www.updatebooking74

 

驚くべきことに、コロナウィルス禍で多くの公演が中止を余儀なくされているところではあるのですが、今年になってKARAS APPARATUSでは7つもの作品が上演され、51公演も行われているのです。緊急事態宣言の発令もあって4月頭の「ゴドーを待ちながら」は4公演が中止となり、6月12日からの「永遠の気晴らし」まで2か月公演が途絶えていたにもかかわらず、これだけのパフォーマンスを行っていることは偉業です。東京芸術劇場での庄司紗矢香との共演「三つ折りの夜」やシアターXで予定されていた公演は中止となってしまいましたが、愛知県芸術劇場での「白痴」は無事上演されるなど、KARAS APPARATUS以外でも勅使川原さんの活動は行われています。今年はコロナウィルス禍の関係で海外公演を行うことができないという事情はあるものの、驚異的な多作ぶりです。

アップデイトダンスNo.74「妖精族の娘」に続き、9月19日からはシアターXで新作「銀河鉄道の夜」が上演される予定となっています。

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勅使川原三郎はこれまでにも何度か宮沢賢治の作品を基にしたダンス作品の創作に取り組んできました。
中でも「春と修羅」に収められた詩「原体剣舞連(はらたいけんばいれん)」にインスパイアーされ 1991 年に創作した
『DAH-DAH-SKO-DAH-DAH』。勅使川原の代表作の一つであり、初演時も、2012 年の改訂時も、その後数年に
渡り世界中で上演され、高評をえました。近年では、2016 年には、カラス・アパラタスでのアップデイトダンス
No.34 にて「春と修羅」を題材に創作しました。
勅使川原は宮沢賢治から、“言葉やイメージは勿論、自然や時空について考える新たな機会”を得たと語ります。
原作の解釈表現ではなく、文学の中に飛び込んで呼吸する様な勅使川原三郎のシアターXでの創作。
過去に数々の文学的な題材に取り組んできたこのシアターXでの連続公演に新たな作品が加わります。

[公演概要]
勅使川原三郎シアターX公演「銀河鉄道の夜」
 
日程 2020年
9月19日(土) 19:30
9月20日(日) 19:30
9月21日(月・祝) 16:00
9月22日(火・祝) 16:00
*開演30分前より受付開始、ロビー開場
*客席へは開演15分前よりチケットに記載の整理番号順にご案内します
 
 
料金 (全席自由/税込/入場整理番号付)
一般/前売 ¥4,500・当日 ¥5,000
学生 ¥3,000
シニア(65歳以上) ¥3,000
*学生/シニアは各回20枚限定,KARASでの予約のみ
 
チケット
【KARAS】
・メール ticket@st-karas.com
     公演日時/作品名/枚数/氏名/住所/電話番号を明記してお送りください
予約フォーム
 
【シアターX】電話予約 03-5624-1181 [10:00-18:00]
 
【チケットぴあ】[Pコード 502-309] 電話予約 0570-02-9999/WEB予約
 
【イープラス】WEB予約
  
問合せ KARAS(カラス)
〒136-0071 東京都江東区亀戸1-16-8 鯨岡第一ビル 4F-F
TEL.03-5858-8189

<KARASでは公演開催に際して細心の注意と対策をとります>

 1、館内は常時換気します

2、館内には手指の消毒液を設置いたします

3、スタッフはマスクを着用させていただく場合がございます

4、劇場内は座席に余裕を持って着席頂ける様に配慮いたします。

*劇場内の定員を通常の半数にしてご予約を受け付けています。

   定員に達し次第、予約受付を終了いたします。

 

ご来場されるお客様におかれましては、下記の注意事項をご確認いただければ幸いです。

 1、咳エチケット・マスクの着用、手洗い手指の消毒のお願い

ご来場時にはご自身のマスクをご持参いただく様、お願いいたします。

2、ご体調に不安のある方はご来場をお控えください

 発熱があり、検温の結果、37.5度以上の発熱がある場合

 咳・咽頭痛などの症状がある場合

 過去2週間以内に感染が拡大している国・地域への訪問歴がある場合

 

〈バレエ・スプリームonline〉トーク・イベントが開催

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バレエ界の頂点に君臨する2大バレエ団──パリ・オペラ座バレエ団と英国ロイヤル・バレエ団から、選りすぐりのトップダンサーが集って舞台で競う〈バレエ・スプリーム〉

残念ながら今夏開催予定だった公演は中止となりましたが、「日本のバレエファンの方々と繋がるイベントを」という趣旨にアーティストたちの大きな賛同を得て〈バレエ・スプリームonline〉トーク・イベントの開催が急遽、決定しました。

〈バレエ・スプリーム2020〉に参加予定だったダンサーたちが、両バレエ団の座長同士、バレリーナ同士、またはパートナー同士など、いろいろな組み合わせでクロストークを行い、日本のファンに思いを届けます。

8月18日(火)20:00 レオノール・ボラック× ジェルマン・ルーヴェ
8月19日(水)20:00 サラ・ラム× スティーヴン・マックレー
8月20日(木)20:00 マチアス・エイマン× スティーヴン・マックレー
8月22日(土)17:00 リュドミラ・パリエロ× マチアス・エイマン

【そのほか、予定される出演者】
※現在調整中のため、詳細が決まり次第発表させていただきます。

ユーゴ・マルシャン(パリ・オペラ座バレエ団 エトワール)
オニール八菜(パリ・オペラ座バレエ団 プルミエール・ダンスーズ)
高田茜(英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル)
金子扶生(英国ロイヤル・バレエ団 ファーストソリスト) ほか
〈バレエ・スプリーム2020〉に参加予定だったダンサーたちが、両バレエ団の座長同士、バレリーナ同士、またはパートナー同士など、いろいろな組み合わせでクロストークを行い、日本のファンに思いを届けます。司会進行には、元英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団ソリストで著書『英国バレエの世界』を上梓した山本康介さんや、舞踊評論家の方をお迎えし、舞台のことから活動自粛中の過ごし方まで、楽しく深掘りしながらナビゲートしていただきます。この夏、海を越えてアーティストとつながるイベントです。

視聴チケット (税込) 各回 ¥1,500 (税込)
発売日 8月8日(土)10:00より

今のコロナウィルス禍で、海外のアーティストを日本に招聘しての公演を行うことが難しくなってしまっていますが、キャンセルされてしまった公演に出演予定のアーティストの声が聴けるのは嬉しいことですね。(リアルタイムで参加できなかった人のために、アーカイブも配信してもらえるととても嬉しいです)

第48回ローザンヌ国際バレエコンクール、8月16日放映

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今年の1月に開催された第48回ローザンヌ国際バレエコンクールのファイナルが、8月16日(日)15時よりNHK Eテレで放映されます。

https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&ch=31&date=2020-08-16&eid=05662&f=etc

若手バレエダンサーの登竜門「第48回ローザンヌ国際バレエコンクール」決選の模様を山本康介さんの分かりやすい解説と実演ワンポイント・レッスンも交えてお送りします。決選には日本人の松岡海人さんを含む21人が出場。それぞれが得意の踊りで入賞を目指します。未来のトップ・ダンサーたちが繰り広げるフレッシュで情熱あふれる演技をたっぷりとお楽しみください。

「英国バレエの世界」でもおなじみの山本康介さんのInstagramより。(今年の解説もとても楽しみですね)






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今年はコロナウィルスの影響を受けて、いろいろな手続きが遅れ、やっとローザンヌ国際バレエコンクールの決選がオンエアになります。 コンクールはバレエの要素のほんの少しですが、若いプロフェッショナルを目指すダンサーたちの演技が、この時期劇場の催し物が少ない間の鑑賞になるはずです。 放送は #nhkeテレ 8月16日 15:00から 今年は、@nhk_asaichi でもお馴染みで素敵な中川安奈アナウンサーとお送りします。 Usually,we broadcast the final of @prixdelausanne earlier,but because of COVID-19,everything was stopped and delayed at TV studios. Finally,I am happy to announce it’s on air on 16th of August at 15:00 on NHK e channel. (Only the Japan region)

Kosuke Yamamoto(@kosuke_apollon)がシェアした投稿 -

 

日本から唯一、15歳の愛媛県出身の松岡海人さんがファイナリストに選ばれているので、観ることができますね。

ローザンヌ国際バレエコンクール 準決勝 最年少の愛媛・松山出身の松岡海人さんが決勝へ

<今年の結果>

https://www.prixdelausanne.org/prize-winners-2020/

  1. 406 – マルコ・マシャーリ Marco Masciari – Italy (Académie Princesse Grace) ロイヤル・バレエの研修生に
  2. 102 – エヴァ・アーバックル Ava ARBUCKLE – United States (Elite Classical Coaching)ジョン・クランコ・スクール
  3. 407 – ジョアン・ヴィトル・サンタナ João Vitor SANTANA – Brazil (Itego em Artes Basileu França) ナショナル・ユース・バレエ(ハンブルク)
  4. 307 – 張琳 Lin ZHANG – China (The Secondary School of Beijing Dance Academy)ハンブルク・バレエ・スクール
  5. 112 – カン・チェヨン Chaeyon KANG – South Korea (Yewon School)ロイヤル・バレエ・スクール
  6. 421 – マテイ・ホレレウ Matei HOLELEU – Romania (Ballettschule Theater Basel) イングリッシュ・ナショナル・バレエ研修生
  7. 203 – ヴィトル・アウグスト・ヴァス Vitor Augusto VAZ – Brazil (Itego em Artes Basileu França)ロイヤル・バレエ・スクール
  8. 312 – 王語嫣  Yuyan WANG – China (The Secondary School of Beijing Dance Academy)スカラシップを返上
    PIRES Catarina–Catarina PIRES Portugal オランダ国立バレエのジュニア・カンパニーの研修生に

(研修先)

https://www.prixdelausanne.org/schools-companies-chosen-by-the-2020-prize-winners/

その他の賞

NUREYEV FOUNDATION ヌレエフ財団 最優秀若手才能賞
Best Young Talent Prize: 102 – エヴァ・アーバックル Ava ARBUCKLE – United States

コンテンポラリー賞
Contemporary Dance Prize: 406 – マルコ・マシャーリ Marco Masciari – Italy

ベストスイス賞
Best Swiss Candidate Prize: 421 – マテイ・ホレレウ Matei HOLELEU – Romania

Web観客賞

Web Audience Favourite Prize: 312 – 王語嫣 Yuyan Wang – China

観客賞

Audience Favourite Prize: 316 – カタリナ・ピレス Catarina PIRES – Portugal

 

ファイナルの動画

楽曲「“フローラの目覚め”から フローラのバリエーション」
ドリーゴ:作曲
プティパ(振付):編曲
オーストラリア…(16歳)ソフィー・ビーティー
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“白鳥の湖”第3幕から ジークフリートのバリエーション」
チャイコフスキー:作曲
プティパ(振付):編曲
アメリカ…(15歳)マックス・バーカー
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“ナポリ” パ・ド・シスから 第1バリエーション」
ヘルステッド:作曲
ブルノンヴィル(振付):編曲
オーストラリア…(16歳)オーステン・マクドナルド
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“パキータ”第1幕 パ・ド・トロワから 第1バリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ(振付):編曲
リトアニア…(15歳)ミルダ・ルツクーテ
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“フローラの目覚め”から フローラのバリエーション」
ドリーゴ:作曲
プティパ(振付):編曲
中国…(15歳)王沢瑜
モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“アルレキナーダ”から 男性バリエーション」
ドリーゴ:作曲
プティパ(振付):編曲
ブラジル…(15歳)ヴィトル・アウグスト・ヴァス
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“パキータ”第1幕 パ・ド・トロワから 第1バリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ(振付):編曲
韓国…(15歳)キム・スミン
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“ラ・シルフィード”から ジェームズのバリエーション」
レーヴェンスヨルド:作曲
ブルノンヴィル(振付):編曲
中国…(15歳)殷晋雄
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“ラ・フィーユ・マル・ガルデ”から コーラスのバリエーション」
エロルド:作曲
アレキサンダー・ゴルスキー(振付):編曲
オーストラリア…(15歳)ジャクソン・スミス・レーシュマン
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“パキータ”第1幕 パ・ド・トロワから 第1バリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ(振付):編曲
韓国…(15歳)カン・チェヨン
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“アルレキナーダ”から 男性バリエーション」
ドリーゴ:作曲
プティパ(振付):編曲
日本…(15歳)松岡海人
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“フローラの目覚め”から フローラのバリエーション」
ドリーゴ:作曲
プティパ(振付):編曲
アメリカ…(15歳)エヴァ・アーバックル
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“パキータ”第2幕から リード・ソリストのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ(振付):編曲
韓国…(18歳)黄雪桐
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“パキータ” グラン・パのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ(振付):編曲
ルーマニア…(18歳)マテイ・ホレレウ
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“眠りの森の美女”第3幕から オーロラのバリエーション」
チャイコフスキー:作曲
プティパ(振付):編曲
アメリカ…(18歳)イヴリン・ロビンソン
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“グラン・パ・クラシック”から 女性バリエーション」
オーベール:作曲
グゾフスキー(振付):編曲
中国…(17歳)周月
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“パキータ” グラン・パのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ(振付):編曲
ブラジル…(17歳)ジョアン・ヴィトル・サンタナ
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“ジゼル”第1幕から ジゼルのバリエーション」
アダン:作曲
コラーリ/ペロー(振付):編曲
中国…(17歳)張琳
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“眠りの森の美女”第3幕から デジレ王子のバリエーション」
チャイコフスキー:作曲
プティパ(振付):編曲
イタリア…(17歳)マルコ・マシャーリ
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“ラ・バヤデール”から ガムザッティのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ(振付):編曲
中国…(17歳)王語嫣
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“パキータ”第2幕から リード・ソリストのバリエーション」
ミンクス:作曲
プティパ(振付):編曲
ポルトガル…(17歳)カタリーナ・ピレシュ
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“アブストラクト”」
ブルーノ・マントヴァーニ:作曲
ジャン・クリストフ・マイヨー(振付):編曲
オーストラリア…(16歳)ソフィー・ビーティー
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“リベラ・メ”」
ストラヴィンスキー:作曲
キャシー・マーストン(振付):編曲
オーストラリア…(16歳)オーステン・マクドナルド
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“トレーサズ”」
ヤン・ティルセン:作曲
キャシー・マーストン(振付):編曲
中国…(15歳)王沢瑜
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“アブストラクト”」
ブルーノ・マントヴァーニ:作曲
ジャン・クリストフ・マイヨー(振付):編曲
ブラジル…(15歳)ヴィトル・アウグスト・ヴァス
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“アブストラクト”」
ブルーノ・マントヴァーニ:作曲
ジャン・クリストフ・マイヨー(振付):編曲
韓国…(15歳)カン・チェヨン
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“フリア・コルポリス”」
ベートーベン:作曲
マウロ・ビゴンゼッティ(振付):編曲
日本…(15歳)松岡海人
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“アブストラクト”」
ブルーノ・マントヴァーニ:作曲
ジャン・クリストフ・マイヨー(振付):編曲
アメリカ…(15歳)エヴァ・アーバックル
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“アージ”」
コリン・ヴァロン:作曲
ハインツ・シュペルリ(振付):編曲
ルーマニア…(18歳)マテイ・ホレレウ
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“ビカミングス”」
マックス・リヒター:作曲
ウェイン・マクレガー(振付):編曲
中国…(17歳)周月
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“クロマ”」
ジョビー・タルボット:作曲
ウェイン・マクレガー(振付):編曲
ブラジル…(17歳)ジョアン・ヴィトル・サンタナ
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“ロッシーニ・カーズ”から ソロ」
ロッシーニ:作曲
マウロ・ビゴンゼッティ(振付):編曲
中国…(17歳)張琳
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“クロマ”」
ジョビー・タルボット:作曲
ウェイン・マクレガー(振付):編曲
イタリア…(17歳)マルコ・マシャーリ
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“ロッシーニ・カーズ”から ソロ」
ロッシーニ:作曲
マウロ・ビゴンゼッティ(振付):編曲
中国…(17歳)王語嫣
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

「“クロマ”」
ジョビー・タルボット:作曲
ウェイン・マクレガー(振付):編曲
ポルトガル…(17歳)カタリーナ・ピレシュ
~モントルー ストラヴィンスキー・オーディトリウム~

SHIVER2020 京都公演に出演の米沢唯さん(新国立劇場バレエ団)のインタビュー

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ワールドクラスのバレエダンサー・アーティストを至近距離で見られる「SHIVER2020」、横浜、長野県戸隠での公演を経て15日には再び横浜公演が行われ、次は京都公演です。

◆ 8月15日(土)SHIVER横浜 
会場:The Hall Yokohama(93席)
開演:昼公演 14:00  / 夜公演 19:00
出演者:二山治雄・東真帆・柳本雅寛・高瀬譜希子・ 中島映理子・小池ミモザ(追加キャスト)
https://ballenta.net/shiveryokohama

 

◆ 8月17日(月)・18日(火)SHIVER京都
会場:ロームシアター・ノースホール(84席)
開演:17日(月)19:30 / 18日(火)19:00
出演者:米沢唯・木下嘉人・二山治雄・東真帆・高瀬譜希子・佐藤健作(和太鼓)
https://ballenta.net/shiverkyoto

京都公演にのみ、新国立劇場バレエ団のプリンシパル、米沢唯さんとソリストの木下嘉人さんが出演します。木下さん振付による「Contact」という新作です。米沢さんが京都で踊るのは今回が初めてだそうです。

その米沢唯さんに、インタビューさせていただきました。日本を代表するプリマ・バレリーナで、輝かしいテクニックとドラマティックな表現力でますます磨かれてきた米沢さん。多忙な中、とても真摯に、誠実に、この新作「Contact」およびコロナウィルス禍での自粛生活について、そして新国立劇場バレエ団の森山開次さん新作「竜宮」での舞台復帰についても語ってくださいました。舞台に戻るにあたっての葛藤についても、率直に語ってくださって、その芸術に取り組む姿勢には深く感銘を受けました。ぜひお読みください!

https://balletnavi.jp/article/pickup/20200811-5231/

 

 

米沢唯さんと木下嘉人さんのリハーサル映像

8月17日(月)SHIVER京都
会場:ロームシアター・ノースホール
開演:19:30
出演者:米沢唯・木下嘉人・二山治雄・東真帆・高瀬譜希子・佐藤健作(和太鼓)

◆「クラスショーイング」
・・・出演者によるバレエクラス

◆「ラ・バヤデール」よりソロルのヴァリエーション
・・・ローザンヌ国際バレエコンクール2014優勝ヴァリエーション
【二山治雄】

◆「パキータ」よりエトワールのヴァリエーション
【東真帆】

◆「Measuring the Heavens」
・・・2016年横浜バレエフェスティバル上演作品
(踊り:高瀬譜希子/演奏:佐藤健作<和太鼓>/曲名:たまゆら)
【高瀬譜希子・佐藤健作】

◆「Contact」
・・・振付:木下嘉人
【米沢唯・木下嘉人】

◆「眠れる森の美女」第三幕
よりグラン・パ・ド・ドゥ・・・オペラ座版
【東真帆・二山治雄】

◆「ちはやぶる」
・・・大太鼓によるソロ作品
【佐藤健作】

京都以外では戸隠でのみ行われた、和太鼓奏者佐藤健作さんと高瀬譜希子さんの共演も観られます。まだチケットは残っているとのことなので、関西方面の方は是非ご覧ください。

 

【Bunkamuraチャレンジ】熊川哲也 総合監修・宮尾俊太郎 振付 K-BALLET COMPANY「運命 FATE」

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Bunkamuraチャレンジの一環として、K-BALLET COMPANYは宮尾俊太郎 振付、熊川哲也 総合監修による新作バレエ「運命 FATE」の映像を製作して発表しました。
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いま、バレエダンサーは何を想うのか?
映像で描く、劇場×ダンサーの唯一無二のメッセージ。
 2か月ぶりに稽古場に集った5人のダンサーに創作される新作を映像化。
振付はKバレエのプリンシパルであり、映像や振付の分野でも活躍する宮尾俊太郎。
彼らは現状をどうとらえ、何を想うのか。インタビューから見えるダンサーのリアルを描く前半と、
ベートーヴェンの「運命」にのせ、屋上、搬入口、リハーサル室、客席など劇場のあらゆる場所で
ダンサーの想いが舞う後半の二部構成。
14時間を超える撮影、客席内にドローンを飛ばすなど様々な試みを凝らした映像で、芸術に生きる
バレエダンサーの今をお届けします。
映像ならではの技法で描いたバレエ芸術の美をぜひご堪能ください

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Orchard Artists スペシャルコンテンツ
K-BALLET COMPANY 「運命 FATE」
総合監修/熊川哲也
演出・振付/宮尾俊太郎
出演/小林美奈、成田紗弥、杉野慧、関野海斗
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音楽/ベートーヴェン:交響曲第5番
ハ短調「運命」作品67 第1楽章
映像監督/小川弾
https://youtu.be/0HXy-b7ij7E https://www.bunkamura.co.jp/sp/challenge/topics/3689.html

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生の踊りを観客に届けられないもどかしい想い。その中で今できることを見せたい、という気持ちで製作されたこの映像。人気のない稽古場、空っぽのオーチャードホールの客席、屋上などで踊るダンサーたち。踊ることに対する熱い気持ちが伝わってくると共に、早くこの事態が落ち着いて、安心して劇場でバレエを観たい、これらの素晴らしいアーティストたちに出会いたいという気持ちにさせられます。

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特に熊川哲也振付の新作『ベートーヴェン第九』の主役に抜擢された新星、関野海斗の超絶技巧は目を引きます。そして最後の、熊川哲也の時空を超えて非日常を旅することができる特別な場所「劇場」に寄せる想いを込めたメッセージには、ぜひじっくり耳を傾けていただきたいと思います。戦争中ですら、舞台公演は行われてきたのですね。
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メイキング映像

 

Bunkamura チャレンジとは? 
 数々の演劇公演や音楽コンサートが中止となり、お客様を劇場にお迎えできないこの状況下において
も、日本の文化・芸術を愛するみなさまと共にありたいという想いから、「Bunkamura チャレンジ」は立ち上がりました。
劇場という場所は、“芸術家を観客に橋渡しする場所” です。
芸術家には、観客が劇場に集うことができない今だからこそ、伝えたいメッセージがあります。
■ 「Bunkamura チャレンジ」特設サイト  https://www.bunkamura.co.jp/sp/challenge/


なお、K-Ballet Companyは2020年10月15日(木)~10月18日(日)の「海賊」公演で、公演を再開する予定です。

https://www.k-ballet.co.jp/contents/2020corsaire

この公演を最後に退団する中村祥子、遅沢佑介のバレエ団での最後の舞台とあって、また新型コロナウイルス感染予防対策として 客席数を制限することもあって、チケットは瞬く間にソールドアウトとなることでしょう。9月6日チケット発売予定です。

 

石橋奨也がナビゲートし、山本雅也がお手本を見せる動画【知れば観るのがきっと楽しくなるバレエ テクニック!】Vol.1 ピルエット も楽しいのでぜひご覧ください。


英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2019/20、8月21日より「コッペリア」9月5日より「眠れる森の美女」再上映

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英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2019/20、現在オペラ作品の新作上映、およびバレエ作品の再上映が行われています。


・8月14日(金)ロイヤル・オペラ「ラ・ボエーム」1月29日収録作品
・8月21日(金)ロイヤル・バレエ「コッペリア」(再上映)2019年12月10日収録作品
・8月28日(金)ロイヤル・オペラ「フィデリオ」3月13日収録作品
・9月4日(金)ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」(再上映)1月16日収録作品

http://tohotowa.co.jp/roh/news/

※公開劇場
TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ日本橋、イオンシネマ シアタス調布、TOHOシネマズ流山おおたかの森、TOHOシネマズららぽーと横浜、TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズ西宮OS、イオンシネマ京都桂川、札幌シネマフロンティア、フォーラム仙台、中洲大洋劇場

ロイヤル・バレエでは、まずは8月21日(金)より、マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフのロイヤル・バレエを代表するトップスターペアによる「コッペリア」が公開されます。楽しいロマンティック・コメディと磨き抜かれた超絶技巧の両方が楽しめて、誰もが笑顔になるクラシック・バレエの名作です。

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『コッペリア』はE.T.Aホフマンの小説「砂男」を原作とし、1870年にパリ・オペラ座で初演された。美しい人形コッペリアに恋したフランツとその恋人スワニルダ、そしてコッペリアを生み出したコッペリウス博士が織りなす、ロマンティック・コメディ。英国ロイヤル・バレエで踊られているのは、バレエ団創設者ニネット・ド・ヴァロワ版で、1954年の初演からレパートリーとして大切に踊られてきた。スワニルダ役は吉田都の当たり役でもあった。クラシック・バレエの技巧からコミカルな人形振り、民族舞踊までちりばめられ、ドリープ作曲による美しいメロディと共に、幅広い世代に愛されている。マリアネラ・ヌニェスのコメディエンヌぶり、ワディム・ムンタギロフの華麗な超絶テクニックは必見。

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特別映像の中にはデビュー時のヌニェスの姿が映るが、その時主役スワニルダ役を演じたのは吉田都なので、吉田さんも一緒に映っている。時の踊りでは、昨年ローザンヌ国際バレエコンクールで3位に入賞し、ロイヤル・バレエの研修生となった佐々木須弥奈が美しい踊りで際立っており、また収録当時ロイヤル・バレエスクール在学中で、今年晴れて首席で卒業して入団する予定の五十嵐大地も村人の役で出演している。

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<あらすじ>

発明家のコッペリウス博士の家の窓辺には、本を読む美少女コッペリアの姿がある。フランツは彼女のことが気になって仕方ない。フランツの婚約者スワニルダはやきもちを焼くものの興味津々。友人たちと人形たちが並んだコッペリウスの工房に忍び込む。そこでコッペリアも実は人形であることを発見するが、帰ってきたコッペリウスに見つかって追い出される。スワニルダは一人隠れてコッペリアに変装する。やはり忍び込んだフランツにコッペリウスは一服盛って眠らせ、彼の魂をコッペリアに乗り移そうとする。スワニルダは息を吹き込まれたコッペリアのふりをする。コッペリウスの騒動が一段落すると、恋人たちは村の広場で祝福され、結婚式を挙げる。

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【振付】二ネット・ド・ヴァロア(イワ-ノフ、チェケッティ原振付)
【音楽】レオ・ドリーブ 【指揮】バリー・ワーズワース
【出演】スワニルダ:マリアネラ・ヌニェス フランツ:ワディム・ムンタギロフ
コッペリウス博士:ギャリー・エイヴィス 市長:クリストファー・サウンダース 宿屋の主人:エリコ・モンテス
スワニルダの友人:ミカ・ブラッドベリ、イザベラ・ガスパリーニ、ハンナ・グレンネル、ミーガン・グレース・ヒンキス、ロマニー・パイダク、レティシア・ストック
ペザントの女性:マヤラ・マグリ 公爵:ルーカス・ビヨルンボー・ブレンツロド
オーロラ(曙):クレア・カルヴァート 祈り:アネット・ブヴォル

9月5日からは、金子扶生が収録当日に急きょ代役で主演し、輝かしいスター誕生を印象づけた「眠れる森の美女」が再上映されます。

ロイヤル・オペラハウスの配信でも大好評でしたが、ぜひ大画面でもご覧ください。金子さんにはこの作品についての電話インタビューをしましたので、また改めて公開前にご紹介します。

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ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2019 - 2020 アンコール上映決定!

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海外では今年10周年を迎え、これまでに世界中で38公演/70カ国/1,700館の上映を誇り、延べ35万人を動員した「ボリショイ・バレエ in シネマ」

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モスクワのボリショイ劇場で鑑賞しているような臨場感あふれる舞台、そしてバックステージの独占映像と幕間の出演者インタビューで最高のバレエ芸術を楽しめるボリショイ・バレエ in シネマ Season 2019 - 2020が、秋にBunkamuraル・シネマにてアンコール上映されます。
https://www.bunkamura.co.jp/topics/cinema/3869.html

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「ジゼル」

⚜ジゼル(出演:スミルノワ、ベリャコフ)/2020年 新収録・新演出
⚜白鳥の湖(出演:スミルノワ、ティッシ)/2020年 新収録
⚜ライモンダ(出演:スミルノワ、ベリャコフ)/2019年 新収録
⚜くるみ割り人形(出演:シュライナー、チュージン)/2018年12月収録
⚜ロミオとジュリエット(出演:クリサノワ、ラントラートフ)/2018年1月収録
⚜海賊(出演:クリサノワ、ツヴィルコ)/2017年10月収録
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「ロミオとジュリエット」

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「白鳥の湖」

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「くるみ割り人形」

【日程】
2020年10月9日(金)~29日(木)

※詳細スケジュールは後日、Bunkamuraル・シネマHPにてお知らせいたします。
 Bunkamuraル・シネマ:https://www.bunkamura.co.jp/cinema/

※各作品の詳細スケジュールは決定次第HPにてお知らせいたします。
【料金】全席指定 大人3,700円(税込)、学生2,500円(税込/要学生証ご提示)

特に、ラトマンスキー新演出による「ジゼル」は、大評判となったものです。6月に映画館上映された時の感想をここに書いておきますね。

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ラトマンスキー版『ジゼル』は、セルゲイエフの舞踊譜をベースに、それより古いフランスのアンリ・ジュスタマンの舞踊譜も引用して作り上げられ、マイムを多用している。2幕に挿入されたジーグはラトマンスキーが想像力を駆使して創作したもの。特に特徴的なのは、アルブレヒトの婚約者であるバチルド姫がジゼルに同情的なキャラクターで心優しい姫であるという設定。これは原典通りなのだとのこと。

幕間のラトマンスキーの解説によると、貴族が高慢で冷酷であるというのはソヴィエト的な価値観で、ロシアでそのような設定になった後西側にも伝わったそうで、本来はバチルドは暖かい人柄。1幕のバチルドとジゼルがそれぞれの婚約者をどれほど愛しているのか語り合うガールズ・トークがかわいらしくて印象に残る。ジゼルとバチルドは1幕で仲良くなり、ジゼルの死にバチルドは動揺し涙する。

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原典に準拠しながらも、ラトマンスキーの独創性が発揮されていて、ドラマティックな効果が生まれている演出。リュドミラ・セメニャカ演じる母ベルタによる「ウィリになってしまうわよ」マイムがとても雄弁。アルブレヒトは2幕の登場シーンでは、白い百合ではなく赤い薔薇の花束を持ってウィルフリードを伴っての墓参りをするが、ウィリフリードに支えられて罪悪感に押しつぶされている。

ウィリたちの作り上げる十字架の形のフォーメーションは怖くて美しい。陰陽の形をとったウィリの隊列を縫って素早く走るジゼルとアルブレヒト、アルブレヒトに支えられリフトされたジゼルは文字通り空を舞っているようで鮮やかな印象を与える。アルテミイ・ベリャコフの見事なサポート技術が発揮されている。2幕途中では、唯一のラトマンスキーが手がけたオリジナルな振付である、ミルタが踊るフーガが挿入されている。

オルガ・スミルノワのジゼルは、1幕の時から少しエキセントリックですでにこの世の人とはちょっと外れているようだ。ヴァリエーションのコーダの振付が普通よりかなり難しいものになっていた。狂乱のシーンは最初は思い出を辿っていく静かなところからどんどん狂い始め、その最期はなんだか凄いオフィーリア的な狂乱ぶりだった。

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アルブレヒトのアルテミイ・ベリャコフが見事。長身容姿端麗、技術も演技力も素晴らしい。跳躍は高くつま先が綺麗、少しプレイボーイだけど情熱的なことこの上なく、激しくジゼルを愛していたことが感じられる。2幕ヴァリエーションはジゼルの墓の上に倒れ込む。ヴァリエーションの振付も、アントルシャ・シスが途中でたくさん挿入されており、軸足を途中で変えたり難しいものになっていた。

2幕のスミルノワは、この世のものではないような透明感をまとい、ひんやりとした中でもアルブレヒトへの想いを感じさせた。本当に涙を流していた1幕の狂乱のシーンですでに泣かせたのだけど、2幕は絶品。パ・ド・ドゥで二人は見つめ合い、温かくアルブレヒトに抱かれて最後にジゼルは顔を覆い涙にくれるのだ。

ジゼルは墓に消えるのではなくアルブレヒトに抱かれて横たえられ、いまわの際にバチルドとあなたは幸せになるのよとマイムをし、本当の死を迎える。慟哭するアルブレヒトにバチルドが歩み寄り手を差し伸べる。バチルドのネリー・コバヒーゼが美しく気品がありつつも、優しく温かい心を感じさせた。二人は一生ジゼルの死を背負って行かなければならないという十字架を負う。ハンス役のデニス・サーヴィンも切なく情熱的で素晴らしい演技を見せた。

このラトマンスキー版「ジゼル」は21世紀の傑作となると思います。ドラマティックで、人間味を感じさせて、考えさせられる。踊りのクオリティも恐ろしく高い。ぜひ映画館の大画面で!

『ライモンダ』も白い長いマントが似合うベリャコフ演じるジャン・ド・ブリエンヌが麗しいことこの上なく、ボリショイ・バレエならではのクラシック・バレエの粋が堪能できる贅沢な大作です。こちらもぜひ。

「芸能の価値 舞踏家金森穣 16年の戦い」9月5日放映/「春の祭典」りゅーとぴあでのプレビュー公演/サラダ音楽祭9月6日にNoism出演

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今年3月にBSN新潟放送で放映された『芸術の価値 舞踊家金森穣16年の闘い』が、BS-TBS「ドキュメントJ」にて9月5日に全国放送されます。
約1年に渡る金森穣とNoismへの密着取材を通して、文化芸術のあるべき姿を追いかけた本番組は、新潟県内での放送後、日本放送批評懇談会による「第57回ギャラクシー賞」テレビ部門選奨に入賞するなど大きな反響を呼びました。

https://noism.jp/bsn_reair/

https://www.ohbsn.com/tv/programs/tokuban/noism-kanamori-history.php

芸術は誰のものか―。
新潟市のりゅーとぴあ専属舞踊団Noism(ノイズム)を率いる、舞踊家・演出振付家の金森穣。 新潟からの世界発信を実現させ「世界トップの振付家」とも評される一方、地元では税金の無駄遣い、その張本人ともみなされる。 「21世紀の日本の社会と闘っている」という金森は、なぜ何を目指して新潟の劇場で踊るのか。金森、そして日本唯一の公共劇場専属舞踊団Noismの存在を通して、地方都市における文化芸術のあるべき姿を問う。

主な出演者

金森穣(Noism芸術監督)、Noismメンバー、三浦雅士(評論家)ほか

語り

森山未來(俳優・ダンサー)

【制作】BSN新潟放送 (2020年3月28日放送)

放送日:2020年9月5日(土)AM10:00~11:00
 
▼BS-TBS「ドキュメントJ」
https://www.bs-tbs.co.jp/news/documentj/

※※※※※※※※※

先日、初めてりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館にて、Noismの新作「春の祭典」「Fratres III」「Adagio Assai」のプレビュー公演を観に行きました。
プレビュー公演ということなので、作品について詳しく言及するのは控えめにしておきます。「Fratres III」「Adagio Assai」は、今週末、9月6日開催の「サラダ音楽祭」で、東京芸術劇場において、東京都交響楽団との共演で上演されます。

白川神社に隣接したりゅーとぴあは、実に美しい劇場で、夕日に照らされた姿も、展望カフェから見た夕日も魔法のよう。ホームグラウンドのあるカンパニーって素晴らしい。
コロナウィルス感染予防対策のため、客席も減らされていたが、本拠地ならではの親密で温かい空気。地元の観客のみなさんが待ち望んでいた舞台ということが伝わってきた。舞踊家たちからも、本拠地だからこそのリラックス感と、だからこそ本気のパフォーマンスを見せるという気合が感じられた。そして、それぞれの作品は研ぎ澄まされていた。
Adagio Assaiはラヴェルの同名曲を使った井関佐和子、山田勇気のデュオ。パートナーリングはあっても視線がなかなか交わらないのが切なくもどかしい。ソーシャルディスタンスの時代の孤独と痛ましさを感じた。二人の美しい瞬間を切り取ったような映像がスクリーンに時間差を置いて映し出されるのも効果的。のびやかな井関佐和子の動きには目を惹きつけられる。
Fratres IIIは、昨年夏に上演されたFratres I (群舞)と冬に上演されたFratres II(金森穣のソロ)を合体させてところがありつつも、金森穣の圧倒的な存在感と気合に打ちのめされる。静かだが力強い群舞も崇高さを感じさせて心震える体験だった。
「春の祭典」はNoism実験舞踊ならではの攻めた部分を改めて実感する。ありとあらゆる振付家が挑んできた題材だが、過去のどの作品にも似ていない。だけど初演を行ったニジンスキーの精神が確かに息づいている。彼のこだわった円形のモチーフ、内またの立った姿、無数の跳躍。彼の遺伝子が引き継がれたような作品。ロックダウン期間に踊りたくても踊ることができなかった舞踊家たちが、やがてエネルギーを爆発させるところはカタルシスとともに、切なさも感じずにはいられない。現代人の病理と抑圧を描いているように感じられ、コロナの時代に相応しいものとなっていた。完全版を観ることが待ち遠しい。
本拠地ではこの公演を最後に去るメンバーもいた(翌日の公演が最後、そしてサラダ音楽祭が本当のサイトになるメンバーもいる)、当初予定されていた公演が中止され、ブランクの後にようやく舞台に立つことができた喜びと感慨が表情には表れていた。いつまでも終わらないカーテンコールの中でじんわりと観客の心に染み入った。
ホームグランドのあるカンパニーというのはそれだけで素晴らしい。自分の住む街に、専属の舞踊団がある、それはやはりその街の誇りになると感じた。新潟駅のぽんしゅ館で到着早々日本酒飲みながらお店の方と話したら、Noismのことをよく知っていて地域活動をしたりワークショップも始めて頑張ってるよね、と語っていて嬉しかったです。ましてやそれが、一流の振付家、多国籍のダンサーたちを揃えた創造的な精鋭集団であるのだから。そんな人たちがこの街に住んで、これからはクラスだって開いてくれる、何という素敵なことだろう。

「芸能の価値 舞踊家金森穣 16年の戦い」9月5日放映/「春の祭典」りゅーとぴあでのプレビュー公演/サラダ音楽祭9月6日にNoism出演

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今年3月にBSN新潟放送で放映された『芸術の価値 舞踊家金森穣16年の闘い』が、BS-TBS「ドキュメントJ」にて9月5日に全国放送されます。
約1年に渡る金森穣とNoismへの密着取材を通して、文化芸術のあるべき姿を追いかけた本番組は、新潟県内での放送後、日本放送批評懇談会による「第57回ギャラクシー賞」テレビ部門選奨に入賞するなど大きな反響を呼びました。

https://noism.jp/bsn_reair/

https://www.ohbsn.com/tv/programs/tokuban/noism-kanamori-history.php

芸術は誰のものか―。
新潟市のりゅーとぴあ専属舞踊団Noism(ノイズム)を率いる、舞踊家・演出振付家の金森穣。 新潟からの世界発信を実現させ「世界トップの振付家」とも評される一方、地元では税金の無駄遣い、その張本人ともみなされる。 「21世紀の日本の社会と闘っている」という金森は、なぜ何を目指して新潟の劇場で踊るのか。金森、そして日本唯一の公共劇場専属舞踊団Noismの存在を通して、地方都市における文化芸術のあるべき姿を問う。

主な出演者

金森穣(Noism芸術監督)、Noismメンバー、三浦雅士(評論家)ほか

語り

森山未來(俳優・ダンサー)

【制作】BSN新潟放送 (2020年3月28日放送)




放送日:2020年9月5日(土)AM10:00~11:00
 
▼BS-TBS「ドキュメントJ」
https://www.bs-tbs.co.jp/news/documentj/

※※※※※※※※※

先日、初めてりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館にて、Noismの新作「春の祭典」「Fratres III」「Adagio Assai」のプレビュー公演を観に行きました。
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プレビュー公演ということなので、作品について詳しく言及するのは控えめにしておきます。「Fratres III」「Adagio Assai」は、今週末、9月6日開催の「サラダ音楽祭」で、東京芸術劇場において、東京都交響楽団との共演で上演されます。


白川神社に隣接したりゅーとぴあは、実に美しい劇場で、夕日に照らされた姿も、展望カフェから見た夕日も魔法のようなマジックアワーを体験させてくれた。ホームグラウンドのあるカンパニーって素晴らしい。

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コロナウィルス感染予防対策のため、客席も減らされていたが、本拠地ならではの親密で温かい空気。地元の観客のみなさんが待ち望んでいた舞台ということが伝わってきた。舞踊家たちからも、本拠地だからこそのリラックス感と、だからこそ本気のパフォーマンスを見せるという気合が感じられた。そして、それぞれの作品は研ぎ澄まされていた。

Adagio Assaiはラヴェルの同名曲を使った井関佐和子、山田勇気のデュオ。パートナーリングはあっても視線がなかなか交わらないのが切なくもどかしい。ソーシャルディスタンスの時代の孤独と痛ましさを感じた。二人の美しい瞬間を切り取ったような映像がスクリーンに時間差を置いて映し出されるのも効果的。のびやかな井関佐和子の動きには目を惹きつけられる。

Fratres IIIは、昨年夏に上演されたFratres I (群舞)と冬に上演されたFratres II(金森穣のソロ)を合体させてところがありつつも、金森穣の圧倒的な存在感と気合に打ちのめされる。静かだが力強い群舞も崇高さを感じさせて心震える体験だった。

「春の祭典」はNoism実験舞踊ならではの攻めた部分を改めて実感する。ありとあらゆる振付家が挑んできた題材だが、過去のどの作品にも似ていない。だけど初演を行ったニジンスキーの精神が確かに息づいている。彼のこだわった円形のモチーフ、内またの立った姿、無数の跳躍。彼の遺伝子が引き継がれたような作品。ロックダウン期間に踊りたくても踊ることができなかった舞踊家たちが、やがてエネルギーを爆発させるところはカタルシスとともに、切なさも感じずにはいられない。現代人の病理と抑圧を描いているように感じられ、コロナの時代に相応しいものとなっていた。完全版を観ることが待ち遠しい。
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本拠地ではこの公演を最後に去るメンバーもいた(翌日の公演が最後、そしてサラダ音楽祭が本当のサイトになるメンバーもいる)、当初予定されていた公演が中止され、ブランクの後にようやく舞台に立つことができた喜びと感慨が表情には表れていた。いつまでも終わらないカーテンコールの中でじんわりと観客の心に染み入った。

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ホームグランドのあるカンパニーというのはそれだけで素晴らしい。自分の住む街に、専属の舞踊団がある、それはやはりその街の誇りになると感じた。新潟駅のぽんしゅ館で到着早々日本酒飲みながらお店の方と話したら、Noismのことをよく知っていて地域活動をしたりワークショップも始めて頑張ってるよね、と語っていて嬉しかったです。ましてやそれが、一流の振付家、多国籍のダンサーたちを揃えた創造的な精鋭集団であるのだから。そんな人たちがこの街に住んで、これからはクラスだって開いてくれる、何という素敵なことだろう。

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サラダ音楽祭メインコンサート

日程 9月6日(日)
時間 16:00開演(15:00開場/17:30終演予定)
会場 東京芸術劇場 コンサートホール
出演者 指揮/大野和士
演出・振付/金森 穣
ダンス/Noism Company Niigata(ノイズム・カンパニー・ニイガタ)
 金森 穣、井関佐和⼦、⼭⽥勇気
 池ヶ⾕奏、ジョフォア・ポプラヴスキー、井本星那、林⽥海⾥、
 チャーリー・リャン、カイ・トミオカ、スティーヴン・クィルダン、
 タイロン・ロビンソン、⿃⽻絢美、⻄澤真耶、三好綾⾳、杉野可林
ソプラノ/臼木あい*
ピアノ/江口 玲**
ヴァイオリン/矢部達哉***
管弦楽/東京都交響楽団
曲目

  • モーツァルト:モテット《踊れ、喜べ、幸いなる魂よ》 K.165(158a)*
  • ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調より第2楽章 [ダンス付き]**
  • ペルト:フラトレス~ヴァイオリン、弦楽と打楽器のための [ダンス付き]***
  • ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
  • ミヨー:バレエ音楽《屋根の上の牡牛》 op.58

英国ロイヤル・オペラ・ハウス・シネマシーズン、ロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」金子扶生さんにクラシカ・ジャパンでインタビュー

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9月4日(金)から再上映される、ロイヤル・オペラ・ハウス・シネマシーズンロイヤル・バレエ「眠れる森の美女」。この映画館上映でのオーロラ役で主演した金子扶生さんに電話インタビューしました。

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クラシカ・ジャパンに掲載されています。

https://www.classica-jp.com/column/17811/

 

ローレン・カスバートソンの急な降板によって当日の午後になってオーロラ役を踊ることになった時のエピソード、王子を踊ったフェデリコ・ボネッリについて、『眠れる森の美女』のオーロラ役を踊るにあたって大事にしていること、ステイホーム期間の過ごし方などについて伺いました。金子扶生さんの愛らしいキャラクターと芯の強さが伝わってきました。ロイヤル・バレエの同僚たちや、指導を務めたダーシー・バッセルの応援もあり、大きなチャンスをものにして、新ヒロインの誕生を印象づけた感動的な舞台でした。ぜひ、大画面で豪華絢爛な夢の世界と、金子扶生さんのゴージャスで優雅なオーロラを楽しんでください。

英国ロイヤル・バレエの『眠れる森の美女』は、第二次世界大戦後の1946年に、ロイヤル・オペラハウスの再オープニングを飾った作品です。戦争で傷ついた人々の心を美しいバレエが癒し、英国の復興を後押ししました。コロナウィルス禍の今だからこそ、バレエを通して芸術の力を実感できるのでは、と思います。5月に一度劇場公開されていますが、大好評につき、再上映が実現しました。

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英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2019/20
『眠れる森の美女』

http://tohotowa.co.jp/roh/
2020年9月4日(金)〜9月10日(木)
北海道 札幌シネマフロンティア
宮城 フォーラム仙台
東京 TOHOシネマズシャンテ
東京 TOHOシネマズ日本橋
東京 イオンシネマ シアタス調布
千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森
神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜
愛知 TOHOシネマズ名古屋ベイシティ
京都 イオンシネマ京都桂川
大阪 大阪ステーションシティシネマ
兵庫 TOHOシネマズ西宮OS
福岡 中洲大洋映画劇場

振付:マリウス・プティパ
追加振付:フレデリック・アシュトン、アンソニー・ダウエル、クリストファー・ウィールドン
プロダクション:モニカ・メイソン(ニネット・ド・ヴァロワとニコライ・セルゲイエフに基づく)
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
指揮:サイモン・ヒューイット

オーロラ姫:金子扶生
フロリムント王子:フェデリコ・ボネッリ
国王フロレスタン24世:クリストファー・サウンダース
お妃:エリザベス・マクゴリアン
カタラビュット:トーマス・ホワイトヘッド
カラボス:クリステン・マクナリー

フロリナ姫:ヤスミン・ナグディ
青い鳥:マシュー・ボール

~プロローグ~
魔法の庭の精:マヤラ・マグリ
森の草地の精:クレア・カルヴァート
歌鳥の精:アナ・ローズ・オサリヴァン
黄金のつる草の精:崔由姫
リラの精:ジーナ・ストーム=ジェンセン

 

ロイヤル・バレエのソリスト、ミーガン・グレース・ヒンキス(昨年夏開催の吉田都さんの引退公演Last Danceにも出演)が企画し、元ABTでミック・ジャガーのパートナーであるメラニー・ハムリックが振付を担当してミック・ジャガーの協力を得て、ローリング・ストーンズの音楽を使用した映像「Ghost Light」が製作されました。ミーガン・グレース・ヒンキスの他、金子扶生、ティアニー・ヒープ、ヤスミン・ナグディ、クレア・カルヴァート、アナ・ローズ・オサリヴァン、レティシア・ストック、ウィリアム・ブレイスウェル、リース・クラーク、デヴィッド・ドネリー、テオ・デュブレイル、ニコル・エドモンズがロンドンの街中で踊っています。Acting for Othersという舞台芸術界のチャリティの一環として企画されました。コロナウィルス禍で英国の舞台芸術界は大きな危機に瀕しており、サドラーズ・ウェルズ劇場、ロイヤル・オペラハウスといった著名な劇場で働く人たちの多くが、職を失ったり一時的に解雇されたりしています。

寄付先:

https://www.justgiving.com/fundraising/savetheartsuk

ロイヤル・バレエは10月にガラ公演を行う予定ですが、まだ来シーズンはいつ開始するのかも、どんな作品が上演されるのかも発表されていません。

アメリカン・バレエ・シアター(ABT)で アラン・ベル、カサンドラ・トレナリー、カルヴィン・ロイヤル3世、トーマス・フォースター、ジュウン・アン、スカイラー・ブラントがプリンシパルに

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アメリカン・バレエ・シアター(ABT)の昇進が発表されています。

American Ballet Theater Promotes Dancers Despite Pandemic Slump

https://www.nytimes.com/2020/09/10/arts/dance/american-ballet-theater-promotions-pandemic.html

アラン・ベル(21)、カサンドラ・トレナリー(27)、カルヴィン・ロイヤル3世(31)、トーマス・フォースター(34)、ジュウン・アン(26)、スカイラー・ブラント(27)がプリンシパルに昇進しました。

また、ゲイブ・ストーン・シェイヤーがソリストに昇進しました。

アラン・ベルは、ドキュメンタリー映画「ファースト・ポジション」の最年少のメーンキャストで、デニス・ガニオ(マチュー・ガニオのお父さん)に指導されていた少年です。いつの間にか、長身の貴公子に成長していました。カルヴィン・ロイヤル3世は、ABT史上3人目のアフリカ系アメリカ人プリンシパルとなりました。(デズモンド・リチャードソン、ミスティ・コープランドに続き)長身でとてもハンサムなダンサーです。

カサンドラ・トレナリーは、2016年に開催されたジャパン・アーツ主催のガラ公演に、マルセロ・ゴメスのパートナーとして出演したテクニックの強いダンサー、スカイラー・ブラントはトレナリーと同じ年で、ロシアのバレエ番組「ビッグ・バレエ」にジュリアン・マッケイのパートナーとして出演していました。ジュウン・アンは韓国出身で、2013年のYAGPでゴールメダルを受賞しています。トーマス・フォースターはベテランで、すでにかなり主役を踊っているパートナーリングの上手いダンサー。ゲイブ・ストーン・シェイヤーもアフリカ系アメリカ人です。

なお、中止となったメトロポリタン・オペラハウスシーズンでは、プリンシパルのステラ・アブレラが引退公演を行う予定でしたが、中止となってしまったため、残念ながら引退公演なしで引退することになってしまいました。2021年のメトシーズンでは、オーストラリア・バレエの芸術監督に就任する予定のデヴィッド・ホールバーグが引退する予定となっています。

 

カルヴィン・ロイヤル3世がセントラル・パークの四季の中で踊る動画。

コロナウィルス禍が北米で猛威を振るっており、3月からほとんどの舞台公演が中止に追い込まれてしまいました。ABTも恒例のメトロポリタン・オペラハウスでの春のシーズン、秋のシーズン、6つのツアー公演、くるみ割り人形とすべて中止になっています。2000万ドルの赤字となったとのこと。

今のところまだ北米ではいつ公演を行うことができるのかは不明です。特にニューヨークにはブロードウェイがあり、この街の経済にも大きく貢献しているわけですが、公演ができない状態であり、また観光客も来ることができません。舞台芸術界は大変な苦境に陥っています。この業界から足を洗わざるを得ないパフォーマーも多く出ているとのことです。いくつかのミュージカルは、来春幕が開くとのことですが、他のめどはたっていません。

https://www.washingtonpost.com/entertainment/theater_dance/new-york-city-cant-rebound-without-broadway-and-broadways-road-back-is-uncertain/2020/09/07/f3933444-e939-11ea-970a-64c73a1c2392_story.html

この記事の終わりの方に、(メトロポリタン・オペラハウスや、NYCBの本拠地がある)リンカーンセンターでは、ソーシャルディスタンスを取った400席の野外劇場を建てて、バレエなどを上演できる用意する計画があるとあります。

 

 

パリ・オペラ座バレエ「眠れる森の美女」「ドン・キホーテ」が2021年新春に劇場公開

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パリ・オペラ座バレエ団による公演の収録作が映画館で観られる「パリ・オペラ座バレエ シネマ」の次回公開作が「眠れる森の美女」(ミリアム・ウルド=ブラム、マチアス・エイマン主演)「ドン・キホーテ」(ドロテ・ジルベール、カール・パケット主演)に決定しました。
https://www.culture-ville.jp/parisoperaballetcinema

いずれもDVD、Blu-ray化されておらず、『眠れる森の美女』は日本でのテレビ放映もされていない、貴重な映像です。この機会にぜひ!

Artwork_parisoperadonquixotesleepingbeau

東京)東劇 https://www.smt-cinema.com/site/togeki/index.html

新宿ピカデリー https://www.smt-cinema.com/site/shinjuku/index.html

1/15(金)2作品同日公開

 

愛知)ミッドランドスクエアシネマ  http://www.midland-sq-cinema.jp/

大阪)なんばパークスシネマ https://www.parkscinema.com/site/namba/

兵庫)神戸国際松竹 https://www.smt-cinema.com/site/kobe/index.html

北海道)シネマフロンティア https://www.cinemafrontier.net/

1/8(金)〜 『ドン・キホーテ』(東京より先行して上映)

1/15(金)〜『眠れる森の美女』

 

【作品情報】

『ドン・キホーテ』

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パリ・オペラ座での上演日:20121218日(バスティーユ)

上映時間:2時間26

音楽:レオン・ミンクス/編曲:ジョン・ランチベリー

振付/演出:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパの原振付に基づく)

キャスト:

キトリ:ドロテ・ジルベール

バジル:カール・パケット

エスパーダ:クリストフ・デュケンヌ

ドリアードの女王:エロイーズ・ブルドン 

キューピッド:メラニー・ユレル 

ドン・キホーテ:ギョーム・シャルロ― 

サンチョ・パンサ:ユーゴ・ヴィリオッティ 

街の踊り子:ローラ・エケ 

キトリの友人:サラ=コラ・ダヤノヴァ、マリ=ソレーヌ・ブレ 

ジプシー:アリステール・マダン 

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今やパリ・オペラ座バレエを代表するエトワールに成長したドロテ・ジルベール、2018年大晦日に惜しまれながら定年で引退したカール・パケットが主演。スペインの血を引くジルベールの表情の豊かさと華やかなテクニックは必見。日本でも引退公演が行われるなど高い人気を誇ったパケットの温かい包容力と色男ぶりも魅力的だ。パリ・オペラ座ならではの統一されたメソッド、ロシア・バレエの「ドン・キホーテ」とは一味違ったエレガンスにも注目してほしい。

****

『眠れる森の美女』

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パリ・オペラ座での上演日:20131216

上映時間:2時間45

振付:ルドルフ・ヌレエフ

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

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キャスト:

オーロラ姫:ミリアム・ウルド=ブラーム

デジレ王子:マチアス・エイマン

フロリナ姫:ヴァランティーヌ・コラサント

青い鳥:フランソワ・アリュ

リラの精:マリ=ソレーヌ・ブレ

カラボス:ステファニー・ロンベール

妖精たちのヴァリエーション:エロイーズ・ブルドン、オーバーヌ・フィルベール、レオノール・ボーラック、ローラ・エケ、シャルリーヌ・ジザンダネ、サブリナ・マレム、エヴ・グランツスタイン

4人の王子:オドリック・ベザール、ヴァンサン・シャイエ、フロリアン・マニュネ、ジュリアン・メザンディ

公爵:クリストフ・デュケンヌ

宝石のヴァリエーション:エロイーズ・ブルドン、ヤニック・ビットンクール、エロイーズ・ブルドン、アメリー・ラモルー、サブリナ・マレム

白い猫:オーバーヌ・フィルベール

長靴を履いた猫:ダニエル・ストークス

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オーロラ姫の16歳の誕生日に求婚者たちに出会う“ローズ・アダージオ”はバレリーナにとっては挑戦となる名場面。お姫様そのものの愛らしい容姿、アラベスクの美しいクラシック・バレリーナ、ミリアム・ウルド=ブラームは、初々しくも緊張感あふれる難しいバランスを決めて、16歳の無垢な少女の生き生きとした闊達さも見せてくれる。プロローグの妖精たちのヴァリエーション、2幕の幻影のシーンの幻想的なコール・ド・バレエは、これぞ世界最高峰のパリ・オペラ座バレエならではの美しさ。100年を経てオーロラが目覚めたのちの3幕の結婚式では、おとぎ話の登場人物たちがお祝いに駆けつけて楽しいディヴェルティスマンを披露。やはり超絶技巧を誇るヴァランティーヌ・コラサントとフランソワ・アリュの空を飛んでいきそうな青い鳥のパ・ド・ドゥには興奮させられ、フランス王室を象徴する、華麗そのもののオーロラと王子のグラン・パ・ド・ドゥで多幸感は頂点に達する。

 16歳の無邪気なお姫様から、2幕の幻影として現れる憂愁に満ちて高貴な姿、そしてデジレ王子に出会って結ばれた幸福感に包まれ、威厳を湛えた歓びあふれる王女と、様々な顔を見せるオーロラ姫に、フランス・バレエの粋を体現するミリアム・ウルド=ブラームは最もふさわしく感じられる。マチアス・エイマンも、どこか人生に満ち足りないものを感じて迷っている青年から、オーロラに恋してカラボスに打ち勝ち、オーロラの愛を掴む堂々とした姿への成長物語を、磨き抜かれたクラシック・テクニックを用いてドラマティックに演じ、ヌレエフの再来を思わせる。

《料金》一般 3300円、学生 2500 円(学生証の提示が必要になります)

公開情報HP https://www.culture-ville.jp/parisoperaballetcinema

公開情報Twitter cinema_ballet

公開情報facebook @Paris.Opera.Cinema

配給・宣伝 カルチャヴィル合同会社


【菊地研x福田圭吾x八幡顕光】トークイベント9月20日(日)開催

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9月20日(日)20時~、活躍中の男性バレエダンサー3【菊地研x福田圭吾x八幡顕光】

のオンライントークイベントが開催されます。

https://peatix.com/event/1630382/view

920

菊地研(牧阿佐美バレヱ団プリンシパル)、

福田圭吾(新国立劇場バレエ団ファーストソリスト)、

八幡顕光(ロサンゼルスバレエ・ゲストプリンシパル)

3人によるトークイベント、9月20日(日)20:00からZoomにて配信されます・

20:00~21:15 フリートーク
21:15~21:30 質問コーナー
(コメントをお送りください)

皆さんからのご質問は事前にも受け付けますので、
お申し込み時にメールでお送りください。

◎オンライン会議ツール「Zoom」を使用します
・お持ちのスマートフォン/タブレット/パソコンでご参加できます
・アカウント開設や登録作業はいりません

〈ご参加費〉1,000円

〈対象〉先着90名様

〈お申し込み期限〉2020年9月19日(土)20時

〈お申し込み後〉
 イベント前日の21時30分までに招待URLとパスワードを送ります

このイベントでは、同世代のバレエダンサー3人が自粛期間が続く中それぞれどのように過ごしているか、

また近況や今後の活動についてなど、さまざまな話題を繰り広げます。

イベントの最後には質問コーナーも設けられ、視聴者はコメントを送信することで参加することができます。

楽しいお話が聞けそうですね!

 

【申込】イベント・コミュニティ管理サービスPeatix(ピーティックス)のサイトからお申し込みください。
https://peatix.com/event/1630382/view

*****

菊地研さんは、10月4日開催の牧阿佐美バレヱ団「眠れる森の美女」でカラボス役

https://www.ambt.jp/pf-the-sleeping-beauty2020/

福田圭吾さんは、9月26日から27日まで開催のDaifuku.Strong.B 公演の演出、振付、出演

https://www.facebook.com/DAIFUKU.BALLET/

 

英国ロイヤル・オペラ・ハウスのバレエ、オペラを配信する「アーツ・オンライン」10月よりサービス開始

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最上の舞台をお届けする「アーツ・オンライン」2020年10月、サービス開始!


アーツ・オンライン第1弾!
オペラ・バレエの殿堂 英国ロイヤル・オペラ・ハウス
あの名演を、ストリーミング配信でお届け!

バレエ、オペラなど舞台芸術の珠玉の映像作品を、今秋より順次、動画配信サービスにて配信することが決定しました。

https://liveviewing.jp/statics/artsonline/

Mainliveviewing

第1弾は、英国ロイヤル・オペラ・ハウスの計6作品がラインナップ。オペラ3作品、バレエ3作品を、毎月2回、1作品ずつリリースする予定です。世界最高峰として知られる同歌劇場で、日本人ダンサーも多数活躍してきたバレエと、いま一番勢いがあるとも言われるオペラ、世界的な人気を誇る名門中の名門から、大好評をおさめた演目を厳選。

バレエはオシポワ、ゴールディング主演『白鳥の湖』、ヌニェス、ムンタギロフ主演『くるみ割り人形』そして注目の振付家3人の作品が揃った『ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー/メデューサ/フライト・パターン」の3作品です。

最高峰のバレエとオペラを、990円という低価格で、どうぞお気軽にご自宅でお楽しみください。


【ラインナップ】

2020年10月2日(金)~11月26日(木)

英国ロイヤル・バレエ《白鳥の湖》2015年

オデット/オディール ナタリア・オシポワ
ジークフリート王子 マシュー・ゴールディング
悪魔ロットバルト ギャリー ・エイヴィス
振付:マリウス・プティパ&レフ・イワノフ フレデリック・アシュトン&デヴィッド・ビントレー

≪「白鳥の湖」チケットについて≫
販売期間:2020年10月1日(木)0:00 ~ 11月25日(水)23:59
料金:990円(税込)
イープラス購入URL: https://eplus.jp/swanlake-vod/
※視聴開始日の2日前からはカード決済のみでの販売となります。

 

2020年10月16日(金)~12月10日(木)

英国ロイヤル・オペラ《椿姫》

ヴィオレッタ … エルモネラ・ヤオ
アルフレード・ジェルモン … チャールズ・カストロノヴォ
ジョルジョ・ジェルモン … プラシド・ドミンゴ
指揮:アントネッロ・マナコルダ
演出:リチャード・エア

2020年11月6日(金)~12月31日(木)

英国ロイヤル・バレエ《くるみ割り人形》

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クララ … アンナ=ローズ・オサリバン
ハンス=ペーター/くるみ割り人形 … マルセリーノ・サンベ
金平糖の精 … マリアネラ・ヌニェス
王子 … ワディム・ムンタギロフ
薔薇の精 … 金子扶生
振付:レフ・イワノフ/ピーター・ライト

2020年11月20日(金)~2021年1月14日(木)

英国ロイヤル・オペラ《ワルキューレ》

ジークムント … スチュアート・スケルトン
ジークリンデ … エミリー・マギー
フンディンク … アイン・アンガー
ヴォータン … ジョン・ランドグレン
ブリュンヒルデ … ニーナ・シュテンメ
フリッカ … サラ・コノリー
指揮:アントニオ・パッパーノ
演出:キース・ウォーナー

2020年12月4日(金)~2021年1月28日(木)

英国ロイヤル・バレエ《ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー/メデューサ/フライト・パターン》

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『ウィズイン・ザ・ゴールデン・アワー』
ベアトリス・スティクス=ブルネル/フランチェスカ・ヘイワード/サラ・ラム/ワディム・ムンタギロフ/ヴァレンティノ・ズケッティ/アレクサンダー・キャンベル/ハナ・グレンネル/金子扶生/マヤラ・マグリ/アンナ=ローズ・オサリバン/アクリ瑠嘉/デヴィッド・ドネリー/テオ・ドゥブレイル/カルヴィン・リチャードソン
振付:クリストファー・ウィールドン
音楽:エツィオ・ボッソ、アントニオ・ヴィヴァルディ
衣装:ジャスパー・コンラン
『メデューサ』
メデューサ … ナタリア・オシポワ
アテナ … オリヴィア・カウリー
ペルセウス … マシュー・ボール
ポセイドン … 平野亮一
振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ
音楽:ヘンリー・パーセル、オルガ・ヴォイチェホヴスカ(電子音楽)
演奏:エイリッシュ・タイナン(ソプラノ)、ティム・ミード(カウンターテナー)、市瀬礼子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、トビー・カー(テオルボ)
衣装:オリヴィア・ポンプ
『フライト・パターン』
振付:クリスタル・パイト
音楽:ヘンリク・ミコワイ・グレツキ

出演:クリステン・マクナリー、マルセリーノ・サンベ他

2020年12月18日(金)~2021年2月11日(木)

英国ロイヤル・オペラ《トスカ》

トスカ … アンジェラ・ゲオルギュー
カヴァラドッシ … ヨナス・カウフマン
スカルピア … ブリン・ターフェル
指揮:アントニオ・パッパーノ
演出:ジョナサン・ケント

【配信メディア】
Streaming+

【料金】
990円(税込)
※プレイガイド手数料無料。
※視聴期間中、お求めいただいた購入日に応じて最長1週間、オンデマンドでご覧いただけます。
※ご購入日によって視聴期間が異なりますのでご注意ください。
※毎月第1・3木曜日午前2:00~午前8:00は、システムメンテンナンスのため視聴いただけません。ご了承ください。
※ご視聴は終了時間(毎週木曜23:59)までとなります。映像の途中でも、途中終了となりますのでご注意ください。

FAQ

◇視聴に必要なものを教えてください。
①イープラス会員登録(無料)、②インターネット環境、③スマートフォンかパソコン が必要です。

イープラス会員登録はこちらからお願いいたします。
こちらの動画がご覧いただけるか、ご確認ください。
詳細はStreaming+ご利用ガイドをご覧ください。 https://eplus.jp/streamingplus-userguide/

◇販売期間と視聴可能期間がよくわからないのですが?

「金曜日から翌木曜日まで見られる配信券」を木曜日から翌水曜日までお買い求めいただけます。
木曜日~翌水曜日のいつお求めいただいた視聴券も、視聴可能期間は翌木曜日までとなります。

例)木曜日に購入
購入当日は視聴できません。翌日から、次の木曜日まで「7日間」ご視聴いただけます。

例)水曜日に購入
購入当日から視聴できます。当日と、翌日木曜日の23:59まで「購入当日+24時間」ご視聴いただけます

◇巻き戻しや早送りはできますか?期間中、何度も見ることはできますか?
視聴可能期間中は、巻き戻しや早送りを含め、自由にご覧いただくことができます。

◇オペラは字幕がついていますか?
日本語字幕付きです。

◇あの作品がみたい!
アンケートにご協力ください。

 

NHK-BSプレミアムシアターで、マシュー・ボーン「白鳥の湖」2018年版他放映

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今晩になってしまいましたが、NHK-BSプレミアムシアターで、マシュー・ボーン「白鳥の湖」2018年版他が放映されます。
まだDVD化されていない最新映像が観られるのは嬉しいですね。

主演はウィル・ボジアーとリアム・ムーア。ウィルは2019年の来日公演で主演しましたが、「ビリー・エリオット」初代ビリー役でも知られるリアム・ムーアは来日公演に参加しなかったので、映画館で公開された時に観ていない方にはぜひ観ていただきたい映像です。マシュー・ボーンの「白鳥の湖」はもはや現代の古典といってもいい、何度見ても心震える20世紀の傑作です。

エイフマン・バレエの「ロダン」は昨年の来日公演の収録。エイフマン独特の大胆な演出手法、ダンサーで彫刻を表現する様子がとてもドラマティックでユニークな傑作。再放送ですが、未見の方にはお勧めです。美術好きの方も是非。

ヴァツラフ・クネシュの「CLOSED」はカフェの中で繰り広げられるダンス。短いですが面白い作品で、2回目の再放送というのも納得です。

https://www4.nhk.or.jp/premium/

9月20日(日)午後11時20分~午前3時42分

◇本日の番組紹介
◇マシュー・ボーンの『白鳥の湖』(2018年版)
【5.1サラウンド】
◇エイフマン・バレエ『ロダン』【再放送】
◇バレエ『CLOSED』【再放送】
【5.1サラウンド】

マシュー・ボーンの「白鳥の湖」(2018年版)

◇マシュー・ボーンの「白鳥の湖」(2018年版)(23:23:30~1:32:30)
<演 目>
バレエ「白鳥の湖」
振付・演出:マシュー・ボーン
音楽:チャイコフスキー

<出 演>
スワン/ストレンジャー:ウィル・ボジアー
王子:リアム・ムアー
女王:ニコル・カベラ
秘書:グレン・グラハム
ガールフレンド:カトリーナ・リンドン   ほか
ニュー・アドベンチャーズ
舞台美術・衣装:レズ・ブラザーストン
照明:ポール・コンスタブル

収録:2019年1月10日 サドラーズ・ウェルズ劇場(ロンドン)

エイフマン・バレエ「ロダン」

◇エイフマン・バレエ「ロダン」(1:35:30~3:07:30)
<演 目>
バレエ「ロダン」(全2幕)
台本・振付・演出:ボリス・エイフマン
音楽:ラヴェル、サン・サーンス、マスネ、ドビュッシー、サティー   ほか

<出 演>
オーギュスト・ロダン:オレグ・ガブィシェフ
カミーユ・クローデル:リュボーフィ・アンドレーエワ
ローズ・ブーレ:リリア・リシュク   ほか
エイフマン・バレエ
美術:ジノーヴィ・マルゴーリン
衣装:オリガ・シャイシメラシヴィリ
照明:グレプ・フィリシチンスキー
ボリス・エイフマン

収録:2019年7月19日 東京文化会館 大ホール

バレエ「CLOSED」

◇バレエ「CLOSED」(3:08:30~3:42:00)
出演・振付:ヴァツラフ・クネシュ
                 ナターシャ・ノボトナ
                 ジェラルド・ヴァン・ダイク
                 ヨー・ストルムグレン
演奏:トルルス・モルク(無伴奏チェロ・ソナタ ロ短調 作品8  コダーイ 作曲)

 

なお、10月11日(日)には、ボリショイ・バレエのヴィハレフ復元版「コッペリア」の再放送があります。

英国ロイヤル・バレエ、10月9日に有料配信公演

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英国ロイヤル・バレエは、10月9日(金)に有料配信公演を行います。今までロイヤル・オペラハウスの無観客配信公演の中で、1組もしくは2組のバレエダンサーが出演するという企画はありましたが、今回は100人ものダンサーが舞台に立つ予定となっているとのこと。3月に公演が中止されてから、バレエ団としては7か月ぶりの公演となります。

https://www.roh.org.uk/news/the-royal-ballet-back-on-stage-to-be-livestreamed-on-9-october-2020

 

プリンシパルのマシュー・ボール、フェデリコ・ボネッリ、アレクサンダー・キャンベル、フランチェスカ・ヘイワード、平野亮一、サラ・ラム、ラウラ・モレーラ、ワディム・ムンタギロフ、ヤスミン・ナグディ、マリアネラ・ヌニェス、ナタリア・オシポワ、マルセリーノ・サンベ、高田茜、エドワード・ワトソンが、カンパニー全体と出演します。(スティーヴン・マックレーの名前がないのが少し気になります)

演目としては、古典および20世紀のクラシック中心で、プティパ、イワーノフ、アシュトン、マクミラン、バランシンといった振付家の作品のパ・ド・ドゥや抜粋が上演されます。また、マクレガー、ウィールドン、キャシー・マーストン、ホフェッシュ・シェクター、シェルカウイなどの振付家のコンテンポラリー作品も上演されます。

有料配信は16ポンド、Vimeoで30日間視聴可能とのこと。

 

Guardian紙にはもう少し詳しい記事が載っていました。

https://www.theguardian.com/stage/2020/sep/23/royal-ballet-announces-october-comeback-with-100-dancers-and-duets

作品はソーシャルディスタンスを考慮したものになりますが、ケヴィン・オヘア芸術監督によればバレエにデュエットの親密さは不可欠なものとなっているとの考えがあります。私生活でもカップルなのはマシュー・ボールとマヤラ・マグリ、フランチェスカ・ヘイワードとセザール・コラレス、金子扶生とリース・クラークの3組で、この3組はロイヤル・オペラハウスの無観客配信公演にも出演しています。

今回は、それに加えてカップルではないペアの踊りも実現しました。ヌニェスとムンタギロフ、ラムと平野亮一、ナグディとエドモンズ、高田茜とボネッリなど7組です。

2時間半の公演の最後には、通常の2倍のキャストを投入しての「エリート・シンコペーションズ」が踊られるとのこと。完全に無観客ではなく、医療関係で働く人や学生など少数の招待された観客を入れてソーシャルディスタンスを守って上演されるとのことです。

ロイヤル・バレエでは7月にクラスレッスンが再開されましたが、小さなグループでマスク着用で行われてきました。使い終わったバーはそれぞれのダンサーが消毒しているとのことです。

****

コロナウィルス禍の第2波で、多数の感染者が出ている英国では、新たな自粛要請が始まりました。劇場を閉じるという要請は今のところはありませんが、この先6ヵ月間はできる限り家で働く、プライベートでは6人以上集まらない、結婚式15人、葬式30人まで等の規制があり、また22時以降はパブなどの店舗営業は禁止となっています。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/09/cc332a0fcba8fe32.html

ただし、劇場や映画館については、22時以降の制限は適用されないと、オリバー・ダウデン文化相は語っています。

新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』 チコちゃんといっしょに課外授業 有料配信

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吉田都舞踊芸術監督就任後の初演目となる2020/2021シーズン バレエ開幕公演『ドン・キホーテを、劇場だけでなく、映像でも楽しんでいただけるよう、オンライン有料配信を行うことが決定しました。

「ドン・キホーテ」10月31日(土)18:30公演 (キトリ:米沢 唯 バジル:速水渉悟)の日が全編配信されます。

https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/26_017846.html

https://chicoissyo.com/special/ballet.html

NHKエンタープライズが主体となる「チコちゃんといっしょに課外授業 製作委員会」と新国立劇場の共催により人気番組「チコちゃんに叱られる!」のチコちゃんと共にお届けします。
今回の企画は、吉田監督が主役2人を指導するリハーサルの生配信など、様々な特典映像をつけて配信を予定しています。

配信詳細

【配信スケジュール】

  • 配信(1):10月9日(金)18:00  生配信予定 (~以降、見逃し配信)

      吉田都監督による主役2名のリハーサル風景生配信

 

  • 配信(2):10月18日(日)11:00 生配信予定 (~以降、見逃し配信)

      子どもから大人まで、吉田都監督に直接質問ができる生配信

 

  • 配信(3):11月5日(木)配信予定 (~以降、見逃し配信)

      「ドン・キホーテ」10月31日(土)18:30公演 収録映像(キトリ:米沢 唯 バジル:速水渉悟)

 

  • 配信終了:2020年11月30日(月)予定

      ※配信は期間中、回数制限なくご覧いただけます。

【配信チケット料金】2,500円(税込)<『ドン・キホーテ』公演映像および特典映像付き>

【チケット発売日】10月1日(木)

こちらのウェブサイトでは、出演者たちのインタビュー動画など、様々なコンテンツが配信されています。

 

早期購入特典『豪華サイン入りシーズンバレエプログラム』プレゼントキャンペーン

10月1日(木)~10月7日(水)にプレミアム配信「ドン・キホーテ」のチケットをご購入いただいた方から抽選で3名様に、吉田都舞踊芸術監督、主役の米沢 唯さん、速水 渉悟さんの「サイン入り新国立劇場バレエ団2020/2021シーズンバレエプログラム」がプレゼントされます。

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『ドン・キホーテ』公演、当初は新型コロナウィルス感染予防対策で50%の席しか売り出されていなかったこともあり、現在ほぼソールドアウトとなっていますが、規制が緩和されたことにより、売り止めていた席の追加発売が予定されています。

 

なお、現在発売されているダンスマガジン2020年11月号は新国立劇場バレエ団特集。非常に充実した内容となっていますので、バレエ団のファンの方はぜひお読みになることをお勧めします。

こちらのSPICEでの吉田都さんのインタビュー記事も読みごたえがあります。
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